赤ちゃんの成長過程のひとつである「ハイハイ」。なかなか赤ちゃんハイハイがみられないと、練習させたほうがいいのかな?と悩むこともあるかもしれませんね。
今回は赤ちゃんのハイハイについて、いつからするものなのか、しないときには練習が必要なのか、始まったら注意したいことなどをご紹介します。
赤ちゃんがハイハイに至るまでの段階は?
赤ちゃんがハイハイをするまでには、個人差があるものの、次のように発達の段階があります。
首すわり・寝返り
赤ちゃんによって2ヶ月ほど前後しますが、生後5ヶ月までに首がすわり、生後7ヶ月になる頃までに寝返りができるようになることが多いです(※1)。
お座り・ずりばい
腕や腰に力がついてくると、大体生後10ヶ月になる頃までに「お座り」ができるようになります(※1)。また、ほぼ同時期にほふく前進のように体をひきずる「ずりばい」をします。
この頃には背骨や体幹がしっかりしてきて、腕や腰、脚の筋肉もよりしっかりと成長するので、赤ちゃんの動きがさらに活発になっていきます。
ずりばいはハイハイの一種として考えられていることもあり、乳児健診ではずりばいをしていればハイハイをしているうちに入ると判断されることもあります。
赤ちゃんがハイハイを始める時期はいつから?何ヶ月くらい?
厚生労働省が発表している「平成22年 乳幼児身体発育調査」によると、ハイハイは生後9~10ヶ月未満の90%以上の赤ちゃんができるとされています(※1)。
1歳半になる頃までには、ほとんどの赤ちゃんがハイハイができるようになります。
赤ちゃんがハイハイを始める時期は個人差が大きく、生後4ヶ月頃からずりばいを始めて生後7ヶ月頃からハイハイをする赤ちゃんもいれば、生後10ヶ月に入ってからハイハイをする赤ちゃんもいます。
また、なかには、膝をつかず脚を伸ばした状態で四つん這いになる「高ばい」をする赤ちゃんもいます。生後10~11ヶ月頃になってもハイハイをしないからといって、焦らないで見守ってあげてくださいね。
赤ちゃんがハイハイをしないときは練習が必要?
赤ちゃんのなかには、ずりばいからハイハイを通らずに、いきなりつかまり立ちをする子もいます。
つかまり立ちと並行してハイハイをし始めることも珍しくありません。
段階や順序にも個人差があるので、ハイハイをしなかったとしても問題はありません。
ただ、なかなかハイハイをしないと感じたときは、一度、室内の環境を見直してみてもいいかもしれません。
部屋にものが多すぎたり、移動できるスペースがなかったりすると、動こうとする意欲が掻き立てられないことも。
ある程度のスペースを確保することから始めてみましょう。
特別な練習は必要ありませんが、以下のように自力で腕や脚を動かすコツを覚えさせるのもいいかもしれません。
ただし、無理な練習をさせると、股関節脱臼などにつながることもあるので、あくまで赤ちゃんが生活の中で自然に身につけられるサポートをしてあげましょう。
ハイハイを促すコツ
ずりばい運動を繰り返しさせてみましょう。赤ちゃんをうつぶせにしたら、ママやパパが赤ちゃんの足の裏に手の平を当てて蹴り進められるようにし、脚と腰の力をつけていきます。
顔を上げたときの視界の範囲内に、お気に入りのおもちゃを置いておくのもおすすめです。ずりばいをする先にママやパパが座り、赤ちゃんが近づいてきたら膝に登らせてみるのも効果的です。
このようにして体を持ち上げる感覚を掴むと、自然と四つん這いの姿勢に移行して、ハイハイの動きにつながりやすくなります。
赤ちゃんがハイハイを始めたときの安全対策や注意点は?
赤ちゃんがハイハイを始めると、行動範囲がぐっと広がります。部屋を見回し、移動できる範囲や手の届く距離に危険なものや段差などがないか確認してみてください。
ほんの少しの段差でも、ハイハイをする赤ちゃんにとってはケガにつながることがあります。
以下の注意点をチェックして、赤ちゃんが安心してハイハイできる部屋作りをしましょう。
赤ちゃんが安心してハイハイできる部屋づくりのポイント
● ハイハイをする赤ちゃんにとっては、地上30センチ以内が自分の動ける世界の高さ。埃やゴミが舞いやすい高さなので、念入りに掃除をするようにしましょう。
● ローテーブルなどの角は赤ちゃんの頭や目に当たりやすいので、角にクッションをつけておくと安心です。
● 浴室やキッチン、階段などへ赤ちゃんが簡単に入れるような作りの家の場合は、必ずベビーゲートやベビーフェンスを設置して、入れないようにしてください。
● ハイハイをしたと思ったら、いつの間にかつかまり立ちへ移行していることもあります。ハイハイが安定してきたら、ドラム式の洗濯機のフタは必ず閉めましょう。
ハイハイは赤ちゃんの成長に合わせてサポートしてあげよう
赤ちゃんがずりばいやハイハイ、高ばいをするのは、「動きたい・ものを取りたい・触りたい」といった自我の芽生えでもあるといえます。赤ちゃんがハイハイを始めたら、今回ご紹介したような安全対策を徹底して、温かく見守りながらサポートしてあげましょう。