水いぼにかゆみがある!かゆいときはどう対処すればいいの?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

子供の水いぼはかゆみを伴うことがあります。しかし、かゆいからといって、かいてしまうと数が増えてしまうため、やっかいです。そこで今回は、子供の水いぼにかゆみが出たときのために、水いぼのかゆみにはどのように対処したらいいのかを説明します。

水いぼってどんな病気なの?

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水いぼとは、伝染性軟属腫ウイルスに感染して発症する病気です。発症すると皮膚に水っぽい光沢のある「いぼ」ができ、かいて潰したり、皮膚から剥がれ落ちたいぼに触れたりすることで、数が増えていきます(※1)。

どんな子供が水いぼになりやすいの?

水いぼにかかりやすいのは次のような子供です(※1)。

● 7歳以下の子供
● アトピー性皮膚炎や湿疹がある子供
● 乾燥肌の子供

水いぼの治療法は?

水いぼの最も効果的な治療法は、数が少ないうちに摘み取ってしまうことです。

健康な子供であれば、放置しておいても6ヶ月から3年くらいで自然に治りますが、いつ治るのか予測ができず、自然に治るのを待っている間に他の子供へうつしてしまうことも考えられるため、発症したら早めに摘み取ってしまうことが望ましいとされています。

摘み取るときに多少の痛みがありますが、水いぼの数が10個くらいまでなら子供でも我慢できることが多い傾向があります。また、あらかじめ痛みを抑えるテープを貼って処置を行うこともできます(※1)。

水いぼはかゆみがあるの?

女の子 かゆい

水いぼになるとかゆみが出る場合があります。

ただし、水いぼ自体がかゆくなることはありません(※2)。水いぼのまわりに湿疹ができることがあり、それがかゆくなることがあるのです(※3)。

水いぼがかゆいときの対処法は?

塗り薬 クリーム

水いぼがかゆいからといってかいてしまうと、数が増えたり、周囲の皮膚に広がったりする恐れがあります。そのため、子供が水いぼをかゆがってもできるだけ触らせないようにして、なるべく早く病院で診てもらいましょう。

水いぼにかゆみが伴うときは、病院でかゆみを抑える塗り薬や飲み薬が処方されることがあります(※4)。

水いぼのかゆみ以外の症状は?

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水いぼにかかったとしても、いぼができるだけで、水いぼ自体にはかゆみも痛みもありません(※2)。

ただし、水いぼを引っかいているうちに後ほど説明する、細菌感染による伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)という別の病気になってしまうことがあります。その場合は体のいろいろなところに水ぶくれができ、搔きむしることでどんどん増えていってしまいます(※3,5)。

水いぼのようにかゆみを伴う病気は?

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ここでは、子供がかかりやすい病気の中から、水いぼのようにかゆみを伴うことがあるものを紹介します(※6)。

じんましん

じんましんとは、膨らみのある赤い発疹とかゆみが特徴の皮膚の病気です。発疹の形はさまざまで一定せず、徐々に広がったり、消えたり出たりを繰り返します。原因は薬や食べ物、ウイルス、カビ、虫刺され、ストレスなどさまざまです。

珍しい病気ではなく、1〜2割の人は少なくとも人生で1回はかかるといわれています(※2)。その場合、多くの人は発症してから24〜48時間で症状が改善していきます。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、頭や顔などの皮脂の分泌が多い部分、またはわきの下や股などの汗をかきやすい部分にできる湿疹です。赤ちゃんにできる場合は乳児脂漏性湿疹と呼び、黄色っぽいかさぶたが特徴的です。かゆみを伴うこともありますが、それほど強くはありません(※2)。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりしながら長く続く湿疹で、必ずかゆみを伴います。

年齢によって湿疹が出る部位に違いがあり、1歳までは顔や頭、首に多く、年長になるとひじやひざなどを中心に体全体、または手足に出るようになります。湿疹の状態も初めはジュクジュクしていますが、その後はカサカサに乾燥したものになり、皮膚がゴツゴツと硬くなったりします。

アトピー性皮膚炎の子供のうち7割の子が生後1年以内に発症していますが、その中でも特に生後6ヶ月以内に発症している子供が多数を占めます(※7)。

単純性疱疹

単純性疱疹はヘルペスウイルスによる感染症で、感染する部位などによってさまざまな病名で呼ばれます。単純性疱疹にかかるとかゆみや鈍い痛みが出て、水ぶくれができます。水ぶくれはやがてただれ、かさぶたになります(※2)。

伝染性膿痂疹

伝染性膿痂疹は別名「とびひ」とも呼ばれ、虫刺されのかき傷や擦り傷などに細菌が感染することで発症します。6歳以下の子供に多くみられ、夏にかかりやすく、発症するとかゆみのある水ぶくれができます。水ぶくれをかくことで、水ぶくれが「飛び火」のように体中に広がってしまいます(※5)。

草木かぶれ

草や木の中には、じんましんを引き起こす物質が入った毛を持っていたり、アレルギー反応や皮膚炎を引き起こす樹液や汁液を持っているものがいます。それらに触れるとかぶれてかゆみや痛みが出ることもあるため、キャンプやハイキングなどに出かけたときは注意が必要です(※2,8)。

水いぼがかゆいときは病院に行きましょう

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水いぼはウイルスによる感染症のため、水いぼの周りにできた湿疹がかゆいからといってかいてしまうと数が増えてしまいます。

そのため、子供が水いぼをかゆがっていても、なるべく触らせず、早めに病院で診てもらいましょう。子供が水いぼで嫌な思いをしなくてすむように、早めに治療を受けさせてあげましょうね。

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