水いぼは治るまでプールに入れない?タオルを別にして家庭内感染を防ごう!

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

夏になると、子供がかかりやすい病気の1つに「水いぼ」があります。水いぼは感染症なので、「水いぼにかかったら、プールに入ったらダメなの?」と疑問に思うパパママは多いようです。それでは、水いぼになったら、本当にプールに入るのはダメなのでしょうか?今回は子供の水いぼについて、感染後にプールに入ってもいいのか、主な感染経路は何なのかなどをご紹介します。

水いぼとは?原因はウイルス感染?

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水いぼは、正式には「伝染性軟属腫」といい、ポックスウイルスという病原体に感染して発症します。皮膚のバリア機能が弱い10歳以下の子供に発症しやすく(※1)、保育園や幼稚園、小学校で感染が広がることがあります。

水いぼに感染したらどんな症状が出る?

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水いぼにかかると、2~5mmほどの光沢のある白色・ピンク色のいぼができ、潰してしまうと、中に入っていたウイルスが広がり、他の部分にまでイボができてしまいます。

いぼができる部分は限定されておらず、顔、手足、脇の下などにできます。水いぼは、ほとんどの場合かゆみはありませんが、股や脇の下にたくさん水いぼができた場合には、いぼが擦れてかゆみが生じることがあります。

水疱瘡との違いは、水疱瘡は径が大きく水疱はすぐ破れること、広がる速度が早いことです。

水いぼの感染経路は?プールに入るとうつるの?

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水いぼは肌と肌が触れたり、あるいは感染者が使ったタオルや衣服に触れたりする接触感染で、他者にうつります。感染力はさほど強くないのですが、肌の露出が増える夏のプールでは感染する可能性が高まります。

水いぼは、プールの水を介して感染することはありません。ただし、ビート板や浮き輪、タオルを共有することで感染することがあるので、注意が必要です。

水いぼに感染したらプールは禁止?

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水いぼは、プールの水を介して感染することがないので、感染しても基本的にはプール禁止となる感染症ではありません。また、文部科学省が発表している「学校において予防すべき感染症の解説」では、水いぼに感染しても、登園・登校に関する「出席停止の必要はない」と記されており(※2)、水いぼ感染後も幼稚園や保育園、小学校に行くことはできます。

ただし、保育園や幼稚園、小学校のなかには、二次感染を拡大させないために、水いぼに感染した子供はプールに入れないという方針を立てているところもあります。また、水いぼ部分をラッシュガードやパッチで覆えばプールに入っても良いとするところもあるので、一度先生と相談してみてください。

通っている保育園や幼稚園、小学校で感染中のプールが禁止されているけれど、子供をどうしてもプールに入れさせてあげたいという場合は、ヨクイニンなどの漢方内服、皮膚科で、ピンセットで水いぼを摘み取る治療を行って早く治すこともできます。

しかし、治療には痛みを伴うこともあるので、対処法については医師と話し合って決めてください。

水いぼに感染したときの治療法は?

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水いぼは放置しておいても、半年~1年程度で自然に治ることがほとんどです(※1)。しかし、放置しておくと、いぼを潰した手で他の部分を触り感染箇所が拡大したり、症状が悪化したりすることもあるので、症状が改善せず心配な場合は皮膚科もしくは小児科を受診しましょう。

水いぼの治療法は病院によっても異なり、なかには「自然に治るのに、負担のかかる治療をする必要はない」と考える医師もいます。水いぼの主な治療法としては、専用のピンセットでいぼを取り除く方法があります。痛みを伴うので、処置前に痛み止めのテープを貼付しますが、子供にとってつらい面もあります。

痛みを伴わない治療法としては、いぼ取りに効果があるといわれる漢方の「ヨクイニン」を服用するという方法があります。しかし、ヨクイニンの服用はいぼが治るまでに2〜4週間と時間がかかる、苦くて内服が困難というデメリットがあるので、それぞれの治療法の良い面と悪い面を見ながら、子供にとって一番望ましい治療法を選んであげてください。

水いぼの感染を予防するには?

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子供を水いぼに感染させないためには、普段から感染予防をしっかり行うことが大切です。水いぼは肌が乾燥したり、ひどく日焼けしたりして肌の防御機能が失われているときに感染しやすくなるので、夏場でも肌の保湿を意識し、日焼け防止をきちんと行いましょう。

また、プールではビート板や浮き輪を子供たち同士で共有させないようにすることも、接触感染の予防につながります。

もし子供が水いぼに感染してしまった場合は、いぼを掻いて潰してしまわないように、爪を短く切ってあげてください。また、家庭内での感染拡大を防ぐために、他の家族とは別々のタオルを使わせるようにしましょう。

そして、幼稚園や保育園、小学校では他の子供に感染させないために、担任の先生に水いぼにかかっていることを伝えてください。

水いぼに感染したら早めに医師に診てもらおう

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水いぼに気づかずに放置していると、全身に広がってしまう可能性があります。知らない間にかき壊して顔や手足に広がってしまうと、見た目にも子供につらい思いをさせてしまうかもしれません。

水いぼのような症状を見かけたら、できるだけ早めに皮膚科もしくは小児科に相談しましょう。早いうちから対処しておくことで、その後の治りも早くなりますよ。

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