太田母斑が赤ちゃんにできる原因は?レーザーで治療できる?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

子供の顔にいつまでも青いアザがある。最近、子供の顔にシミやそばかすみたいなものが出てきた。そんなことに思い当たるママはいませんか?それはもしかしたら「太田母斑(おおたぼはん)」かもしれません。太田母斑は、発症しても日常生活に支障はありませんが、見た目に影響するので発症した子供は悲しい思いや嫌な思いをすることもありえます。ママやパパにとっても心配の種になってしまいかねませんよね。そこで今回は、太田母斑の原因や治療法、赤ちゃんにも発症するのかなどについて紹介します。

太田母斑とは?

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太田母斑とは、額や目の回り、頬、鼻、耳にできるアザのことです。アザの色は青紫色から灰色に近く、そこに褐色の部分が混在しています。通常は顔の左右どちらか一方にできますが、稀に左右両方にできることがあります。

シミやそばかすと勘違いされることが多いものの、太田母斑はそれらとは異なるものです。反対に、目の下の「くま」と思われているものが、実は軽症の太田母斑であることも多くあります。

眼球の白目部分に青い色素斑がある子供のほとんどは、思春期までに顔に太田母斑ができ、しかも広範囲に拡大することが知られています(※1)。

太田母斑は赤ちゃんにも出る?

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では、太田母斑は赤ちゃんでも発症するのでしょうか?

生まれたときから太田母斑のある赤ちゃんは稀です。しかし、皮膚の病変は生後6ヶ月以内に起きることが多くあります。

また、思春期に太田母斑の色が濃くなったり、新たに発生することもありますが、20~40歳代に遅発性の太田母斑を発症することもあります(※1)。

太田母斑の原因は?

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太田母斑がなぜ発症するかは、よくわかっていません。

太田母斑のアザの正体は、メラノサイトという細胞によって作られたメラニン色素が部分的に増えたものです。太田母斑の発症には、メラノサイトと三叉神経が関わっているとされますが、詳しいことはまだわかっていません(※2,3)。

太田母斑の治療法は?レーザーを使うの?

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従来、太田母斑の治療にはドライアイスなどが使われていましたが、治療の跡が残るため現在では行われなくなっています。いま太田母斑の治療に使われているのはレーザーです(※4)。

子供の場合は3歳ごろから後述の全身麻酔を用いてレーザーによる治療をすることがあります(※3)。

レーザー治療だったら何でもいいの?

太田母斑の治療に使うレーザーは何でもいいわけではなく、Qスイッチ・レーザーと呼ばれるものである必要があります。Qスイッチ・レーザーにはルビー、ヤグ、アレキサンドライトの3種類がありますが、その中でもQスイッチ・ルビーレーザーが最も効果があるとされています。

ただし、最近は改良型のアレキサンドライトレーザーもQスイッチ・ルビーレーザーと遜色ないものになってきています(※4)。

保険は適用される?

Qスイッチ・ルビーレーザーとQスイッチ・アレキサンドライトレーザーを使った太田母斑の治療には健康保険が適用されます(※4)。

治療期間や回数は?

レーザー治療を行うと一時的に太田母斑の色が濃くなることがあり(炎症後色素沈着)、この反応が治らないうちにレーザー治療をしてしまうと色が白く抜けてしまうことがあります。

炎症後色素沈着は3〜4ヶ月で消えるのが一般的なので、レーザー治療も3〜4ヶ月以上間を空けて行うことが必要とされています。

こうして適切なレーザー治療を5〜6回以上行うことで色素斑はほとんど目立たず、太田母斑はほぼ治ったといっていいくらいわからなくなります(※4)。なお、子供の方が治療回数が少なくすむケースが多くあります(※5)。

太田母斑のレーザー治療の注意点は?

注意

太田母斑のレーザー治療には強いゴムで弾かれたような痛みをともなうので、子供があばれてレーザー光線が目に入って失明する危険性があります。そのため、子供がレーザー治療を受けるときは、全身麻酔をする必要があります。

一般的に全身麻酔は子供でも安心して受けられるとされていますが、太田母斑のレーザー治療は何回も行う必要があるため、麻酔による副作用を無視することはできません(※5)。

太田母斑のレーザー治療は失敗することがある?

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レーザー治療をして治ったとしても、約半数の子供には思春期ごろまでに再び太田母斑が発症します。太田母斑のレーザー治療が失敗することがあると考えらているのはそのせいかもしれません。

大人になってからの治療でもきれいに治せること、また、子供は動いてしまうためレーザー治療の効果を十分に得られない可能性があることから、太田母斑の治療は思春期以降に行った方が二度手間にならずにすみます(※5)。

太田母斑は皮膚科で診てもらいましょう

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顔にできる太田母斑は痛みやかゆみなどの症状はありませんが、見た目に影響するため、発症すると子供の心に負担を強います。しかも、10歳ごろまでに消えることが多い蒙古斑とは違い、太田母斑は自然に消えることがありません(※6)。

思春期以降に治療した方が二度手間にならないとはいえ、できるかぎり子供には悲しい思いをさせたくないですよね。

太田母斑はシミやそばかすと区別がつきにくいこともあるので、まずは皮膚科で診てもらいましょう。しっかりと診察してもらったら、治療について家族で相談してくださいね。

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