赤ちゃんの頃は、消化器官が未発達なため、さまざまな原因から下痢になりやすいのが特徴です。今回は、赤ちゃんが下痢になる原因や、病院へ行ったほうが良い場合の見分け方、元気なときの対処法についてご紹介します。
赤ちゃんの下痢の見分け方は?普通のうんちとの違いは?

月齢が低い赤ちゃんの場合は、消化不良で便が柔らかくなることは珍しくありません。
特に母乳育児の場合、うんちが柔らかくなる「軟便」であることがほとんどです。赤ちゃんのうんちが下痢であると考えられるのは、以下のような場合です。
● うんちの水分量が普段よりも多く、形が崩れている
● おむつからうんちが溢れる
● 1日のうんちの回数が普段よりも多い
赤ちゃんが下痢をする原因は?

赤ちゃんが下痢をする原因は、主に「食べ物・飲み物」「感染性のウイルスや細菌」「食物アレルギー」の3つがあげられます。赤ちゃんが下痢をする原因とそれぞれの特徴についてご紹介します。
食べ物・飲み物が原因による下痢
離乳食の場合、食物繊維や糖分が多い食べ物や、乳製品の摂り過ぎが原因で下痢になることがあります。また今までと違う種類のミルクに変えたり、フルーツジュースをあげたりすると下痢を引き起こすことも。
冷たいものを食べ過ぎたり、飲み過ぎたりした場合も、腸管が刺激されて腸の働きが活発になり、下痢になることがあります。
感染性のウイルスや細菌が原因による下痢
ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎は、下痢を引き起こします。便が白く、酸っぱい臭いがするなど、便の状態がいつもと違うのが特徴です。
感染症の場合、嘔吐を伴うことが多く、小さい子どもは発熱することもあるので、下痢以外の症状も確認しましょう。
食物アレルギーが原因による下痢
生後6ヶ月頃を過ぎると赤ちゃんに離乳食を与えはじめますが、卵、大豆、牛乳などでアレルギーを起こし、下痢になることもあります。この場合には、原因となる食べ物を食べて数時間以内に起きます。
下痢以外にも、発疹がでる、呼吸が苦しいなどの症状があれば、アレルギーを発症している可能性があります。特に呼吸が苦しくなっている場合には命にかかわることもあるので、すぐに病院を受診しましょう。
赤ちゃんが下痢で元気がない…病気へ行った方が良い場合は?

赤ちゃんが下痢をしていて元気がなく、下痢の他に以下のような症状がある場合は病院を受診しましょう。
病院へ行った方がいい状態
● 繰り返し嘔吐し、機嫌も悪い
● 38.5度以上の発熱を伴っている
● 下痢が1週間以上続いている
● 下痢から普段と違う異臭がする
● 下痢の回数が増え、元気がなくなっている
夜間や時間外でも病院に連絡した方がいい状態
● 飲んだり食べたりできず、顔色が悪く、ぐったりしている
● 脱水症状を起こしている(尿、涙が出ず顔色が悪く反応が鈍い)
●下痢や嘔吐の症状がはげしい
●便に血が混じっている
●唇や爪が紫となり冷たい
赤ちゃんを病院へ連れて行く際は、赤ちゃんの状態をメモしたものや、1回分の下痢のおむつを持参しましょう。
ウイルスが原因の下痢の場合、便から他の人に感染する恐れがあるので、電話で病院に持参した方が良いか確認し、必要であればしっかりとビニール袋に入れて口を結んでいくことが大切ですよ。
また写真だけでもあると診察しやすくなるので、うんちの状態を撮っておくといいでしょう。
赤ちゃんが下痢でも元気な場合の対処法は?

基本的に、下痢をしていても以下の状態であれば、家で様子を見ても問題ありません。
● 食欲があり、普段通り母乳・ミルク・離乳食が摂れている
● 機嫌が良く、普段通りの生活ができている
● 下痢をしているがうんちの回数が普段より1~2回多い程度
● おしっこが普段通りでている
赤ちゃんが下痢でも元気があり家で様子をみる場合は、以下の対処をしてあげましょう。
消化の良い食事にする
離乳食を始めたばかりや、離乳食の段階を進めたタイミングで下痢をした場合は、うんちの状態が良くなるまで一段階戻したり、慣れた食材を使ったりしましょう。
下痢の間は、おかゆ、うどん、バナナなど、消化の良いものを少しずつ時間を分けて食べさせてあげると良いですね。
ミルクを変えたタイミングで下痢をしたときは、ミルクを薄めるのではなく、1回の量を減らして、回数を分けてあげてください。
おしりをきれいにする
赤ちゃんのおしりはとてもデリケート。下痢が続くと、おしりがかぶれてしまうこともあり、下痢が治っても赤ちゃんがおしりの痛みでつらくなることも。
おしりがかぶれないように、赤ちゃんが下痢をしたときはその都度おしりを拭いてきれいにしましょう。
ただ下痢をする度に何度もこするのは肌への負担が大きいので、下痢が長く続く場合はできるだけシャワーやお湯で洗ってあげてくださいね。
赤ちゃんが下痢のときに注意することは?

赤ちゃんが下痢になったときに一番注意すべきことは「脱水症状」です。脱水症状を引き起こさないために、こまめな水分補給を心がけてください。
母乳やミルク、月齢によっては麦茶やほうじ茶、湯冷ましなどを1口ずつ数回にわけて、スプーン1さじなど少量から飲ませてあげましょう。
赤ちゃんが下痢をして元気でも、水分を受け付けなくなった場合は脱水症状を起こす可能性が高いので、すぐに病院を受診しましょう。
赤ちゃんが下痢になったら、冷静に状態を観察しよう
赤ちゃんが下痢のときは、うんちの状態、下痢以外の症状など、赤ちゃんの状態を確認することが大切です。
赤ちゃんの様子がいつもと違う場合は、赤ちゃんの状態をメモしたものや、うんちの写真などを持って病院を受診することをおすすめします。
正しい情報を医師に伝えることで、赤ちゃんの下痢の原因がすぐに分かり、早期回復につながりますよ。