赤ちゃんの頃は、消化器官が未発達だったり、まだ整っていない時期もあって、ちょっとしたことで下痢になりやすいのが特徴です。その原因も、母乳やミルク、離乳食などの食事であることもあれば、感染症などの病気のこともあったりと様々。そこで今回は、赤ちゃんが下痢になる原因や、病院へ行ったほうが良い症状の見分け方、元気なときの対処法についてご紹介します。
赤ちゃんの下痢の見分け方は?普通のうんちとの違いは?

月齢が低い赤ちゃんの場合は、腸の機能が未発達だったり、腸内細菌のバランスが整っていなかったりするため、消化不良で便が柔らかくなることは珍しくありません。新生児期から生後1~2ヶ月頃までは、1日5回以上柔らかいうんちをします。
母乳育児の場合、うんちが柔らかくなることが多く、下痢というよりも「軟便」であることがほとんどです。しかし、赤ちゃんのうんちが以下のような場合は、下痢であると考えられます。
● うんちの水分量が普段よりも多い
● おむつにおしっこのような黄色いしみが付いている
● おむつからうんちが溢れる
赤ちゃんが下痢かどうかを見分けるには、健康なときのうんちを基準として、水分量や回数が多いかどうかで考えましょう。
赤ちゃんが下痢をする原因は?

赤ちゃんが下痢をする原因は、主に「食べ物」「感染性のウイルスや細菌」「食物アレルギー」の3つがあげられます。ここからは、赤ちゃんが下痢をする原因とそれぞれの特徴についてご紹介します。
消化不良が原因による下痢
離乳食の場合、さつまいも・里芋・かぼちゃのような食物繊維や糖分が多い食べ物や、乳製品の摂り過ぎが原因で下痢になることがあります。冷たいものを食べ過ぎたり、飲み過ぎた場合も下痢になることがあります。
感染性のウイルスや細菌が原因による下痢
ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性の胃腸炎は、下痢を引き起こします。便が白かったり、酸っぱい臭いがするなど、いつもと違うのが特徴です。
感染症やウイルスの場合、嘔吐を伴うことが多く、小さい子供では発熱することもあるので、下痢以外の症状も確認しましょう。
食物アレルギーが原因による下痢
生後6ヶ月頃を過ぎると赤ちゃんに離乳食を与えはじめますが、卵、大豆、牛乳などでアレルギーを起こし、下痢になることもあります。この場合には、原因となる食べ物を食べて数時間以内に起きます。
下痢以外にも、発疹がでる、呼吸が苦しいなどの症状があれば、アレルギー検査をおすすめします。
赤ちゃんが下痢だけど元気な場合は?病院へ行くべき?

基本的に、下痢をしていても熱がなく、食欲もあり、水分(母乳やミルクを含む)が適量摂れていれば、消化不良が原因だと考えられるので大きな問題はありません。
● 食欲があり、普段通り母乳・ミルク・離乳食が摂取できている
● 笑ったり泣いたり、元気があって普段通りの生活を送れている
● いつもより、うんちが少し柔らかい・回数が1~2回多い程度
● おしっこが普段通りでている
赤ちゃんが下痢をしていても上記のように元気がある場合は、慌てずに家で様子をみましょう。
赤ちゃんが下痢で元気がない…病気かどうかの見分け方は?

前述のように、赤ちゃんが下痢をしていても元気な場合は、家で様子をみるだけで十分です。しかし元気がなく、下痢の他に以下のような症状がある場合は病気の可能性があるので、病院を受診してください。
病院へ行った方がいい状態
● 繰り返し嘔吐し、機嫌も悪い
● 38.5度以上の発熱を伴っている
● うんちに血が混じっている
● 下痢が1週間以上続いている
● 下痢から普段と違う異臭がする
● 下痢の回数が増え、元気がなくなっている
夜間や時間外でも病院に連絡した方がいい状態
● 飲みものを受けつけず、顔色が悪く、ぐったりしている
● 脱水症状を起こしている(尿、涙が出ず顔色が悪い)
●下痢や嘔吐の症状がはげしい
●目立つほどの血便・水様便が出ている
●唇や爪が紫となり冷たい
赤ちゃんを病院へ連れて行く際は、赤ちゃんの状態をメモしたものや、1回分の下痢のおむつを持参しましょう。ウイルスが原因の下痢の場合、感染する恐れがあるので、電話で病院に持参した方が良いか確認し、必要であればしっかりとビニール袋に入れて結んでいくことが大切ですよ。
また、写真だけでもあると診察しやすくなるので、スマホなどでうんちの状態を撮っておくといいでしょう。
赤ちゃんが下痢でも元気な場合の対処法は?

赤ちゃんの下痢は、1週間以上長引くこともあります。下痢が長引くと、赤ちゃんの体や精神的にも負担になってしまいます。
赤ちゃんが下痢でも元気があり、家で様子をみる場合は以下の対処をしてあげましょう。
消化の良い食事にする
離乳食を始めたばかりや、離乳食の段階を進めたタイミングで下痢をした場合は、うんちの状態が良くなるまで一段階戻したり、慣れた食材を使ったりしましょう。
糖分を含んだ食べ物・果物・乳製品は下痢の間は避け、おかゆ、うどん、バナナ、りんごをすりおろしたものなど、消化の良いものを少しずつ時間を分けて食べさせてあげると良いですね。
粉ミルクで下痢をしているときは、ミルクを薄めるのではなく、1回の量を減らして、回数を分けてあげてください。
お腹を温める
赤ちゃんのお腹が冷えると胃腸の働きが悪くなり、下痢をしやすくなります。空調の温度設定を調節したり、腹巻きやスリーパーを活用して、お腹を冷やさないように心がけましょう。
おしりをきれいにする
赤ちゃんのおしりはとてもデリケート。下痢が続くと、おしりがかぶれてしまうこともあるので、赤ちゃんが下痢をしたときは、その都度おしりを拭いてきれいにしましょう。
ただし、下痢をする度に何度もこするのは肌への負担が大きいので、下痢が長く続く場合はできるだけシャワーやお湯で洗ってあげるようにしましょう。
赤ちゃんが下痢のときに注意することは?

赤ちゃんが下痢になったときに一番注意すべきことは「脱水症状」です。脱水症状を引き起こさないために、こまめな水分補給を心がけてください。
母乳やミルク、月齢によっては麦茶やほうじ茶、湯冷ましなどを1口ずつ数回にわけて、スプーン1さじなど少量から飲ませてあげましょう。白湯で体を温めてあげるのもおすすめです。
赤ちゃんが下痢をして元気でも、水分を受け付けなくなった場合は脱水症状を起こす可能性が高いので、すぐに病院を受診しましょう。
赤ちゃんが下痢になったら、冷静に状態を観察しよう

赤ちゃんが初めて下痢をした場合、ママやパパは慌ててしまいますよね。しかし、下痢のときは、うんちの状態、下痢以外の症状など、冷静に赤ちゃんの状態を確認することが大切です。
赤ちゃんの様子がいつもと違う場合は、赤ちゃんの状態をメモしたものや、うんちの写真などを持って病院を受診することをおすすめします。正しい情報を医師に伝えることで、赤ちゃんの下痢の原因がすぐに分かり、早期回復につながりますよ。