生理前の基礎体温、37度が続く!妊娠の可能性は?妊娠以外の原因は何?

「もしかして妊娠?」と気づく兆候はいろいろありますが、基礎体温の高温期が続くこともその1つ。基礎体温がいつもよりも高く、37度を超えた場合、妊娠しているのが原因なのか、それともほかに原因があるからなのか判断がつかず、不安に思う人もいるかもしれませんね。今回は、基礎体温が37度を超えたとき、妊娠だと考えてよいのか、それとも別の原因が考えられるのかどうか、気になる疑問についてご説明します。

基礎体温が37度を超えた!これって妊娠?

基礎体温表

上のグラフは、正常に排卵や生理が起きている場合の基礎体温を示したものです。

通常、「低温期」を経て排卵が起こり、黄体ホルモンが分泌されることで、生理が来るまで「高温期」が続きます。このとき、低温期の基礎体温との差は0.3~0.6度程度です(※1)。

なかには高温期の体温が37度を超える人もいます。そのため、「基礎体温が37度を超えた」というだけでは妊娠しているとは言い切れません。

妊娠していないのに基礎体温が37度を超える理由は?

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それでは、基礎体温が37度以上になる原因として、妊娠以外に何が考えられるでしょうか?

生理前の高温期

先述のとおり、排卵~生理開始までの間は、基礎体温が高い高温期が続きますが、基礎体温が高い人の場合、たとえ妊娠していなくても高温期に体温が37度以上になる可能性があります。

高温期があるのは黄体ホルモンの働きによるものです(※1)。体温を高く保って子宮内を妊娠しやすい環境に整えようとしていると考えられます。

受精しない、受精卵が着床しないなどの理由で妊娠が成立しなかった場合は、黄体ホルモンの分泌量は次第に減っていき、基礎体温も下がっていきます。

子宮内膜炎

連鎖球菌やブドウ球菌といった様々な菌が子宮の入口から侵入することで「子宮内膜炎」を発症することもあります。普通に生活していて子宮内に細菌が侵入することはまれですが、月経時にタンポンを長時間装着したままにしているなど、清潔でない状況が続くと、細菌に感染する可能性もあります。

子宮内膜炎を発症すると、発熱や下腹部痛がみられます(※2)。他にも不正出血、おりものの増加などがみられることもあるので、そのような症状が出たときは、早めに婦人科を受診しましょう。

風邪などの感染症

基礎体温が上がる「高温期」にたまたま風邪などのウイルスに感染した場合、熱が37度以上になることもあります。頭痛や腹痛、発疹、鼻水などの症状を伴う場合は、すぐに「妊娠かも?」と判断せず感染症の可能性も疑いましょう。

熱中症による微熱

微熱だけでなく、めまいや立ちくらみ、吐き気などを伴う場合、熱中症を起こしている可能性もあります。特に夏の暑い日には、知らず知らずの間に脱水症状を起こし、体温がいつもよりも上昇していることがあるので、水分補給をしっかり行うことが大切です(※3)。

基礎体温が37度を超えたとき、妊娠かどうか判断するには?

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基礎体温が37度を超える原因が、妊娠なのかそうでないのかを判断する基準は、主に以下の3つです。

高温期が17日以上続くかどうか

高温期は、排卵してから10日以上続くのが正常です。その後、妊娠が成立しなかった場合、再び生理が始まり、基礎体温は下がっていきます。しかし、もし妊娠していた場合、生理は来ず、妊娠初期の終わりごろまで基礎体温は高いまま保たれます。

一つの判断基準として、17日以上高温期が続いた場合、妊娠の可能性があるといえるでしょう(※1)。

妊娠初期症状があるかどうか

妊娠初期症状があるかどうかも判断の基準になります。

「何も食べていないのに吐き気がする」「おりものの状態や色が変化する」「味覚や嗅覚が変わる」といった症状が見られる場合、妊娠初期症状の可能性もありますよ。

ただし妊娠初期症状には個人差があり、「頭痛や腹痛がする」「胸が張る」といった月経前症候群(PMS)との違いがわかりづらい症状もあるため、症状だけで一喜一憂しすぎないようにしてくださいね。

早期妊娠検査薬で陽性が出るかどうか

「一日でも早く妊娠の有無を確かめたい」という場合には、「早期妊娠検査薬」を使ってみるのも一つの方法です。

通常の妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後から使えるものがほとんどですが、早期妊娠検査薬と呼ばれるものの中には、生理開始予定日の2日前から妊娠検査をすることができるものもあります。

早期妊娠検査薬による判定精度は、使用時期や商品によってまちまちです。メーカーが99%以上の正確性をうたっていない限りは、陰性の判定が出ても妊娠している可能性はあると考えて使うと良いでしょう。

基礎体温が37度を超えた場合、妊娠以外の可能性も考えよう

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基礎体温の変化は妊娠兆候の一つではありますが、今回ご紹介したとおり、妊娠以外の理由で37度を超えることもあります。また、もともと基礎体温が安定しない人や、基礎体温を記録し始めたばかりの人は、判断が難しい場合もあります。

妊娠を希望していると、基礎体温のちょっとした変化に敏感になりがちですが、体温が何度なのかだけではなく、全身の体調にも気をつけるようにしましょう。女性の体はデリケートなので、少しでも不安なことや気になることがあれば、婦人科で相談してみてくださいね。

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