生理前の頭痛の原因と対策は？漢方薬は効くの？

生理前に起きる頭痛。痛みが激しいと家事や仕事がはかどらず、気分も沈んでしまいますね。なぜ生理の前には頭が痛くなりやすいのでしょうか。今回は、生理前に起きる頭痛の原因や対策、薬は効くのかについてご説明します。

生理前に頭痛が起こる原因は？

生理前に頭痛が起こるときは、下記のような原因が考えられます。

生理前に起こる体や心の不調を「月経前症候群（PMS）」といいますが、その症状の一つに頭痛があります。

月経前症候群の症状は、一般的に生理の3～10日前にあらわれ、生理が始まると軽くなります（※1）。

はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、排卵を境に分泌量が変わる女性ホルモンが影響していると考えられており、ホルモンバランスが乱れている人は、そのぶん不快症状が強く現れるといわれています。

月経前症候群の症状は、頭痛のほかに、胸の張りやむくみ、イライラ、抑うつなどがあります。人によって症状の出方や強さは異なり、どれか一つだけが起こることもあれば、様々な症状が同時に起こることもあります。

毎周期、生理開始の2日ほど前から生理中にだけ頭痛が起こるときは、「月経関連片頭痛」である可能性があります（※2）。普段の頭痛より痛みの持続時間が長く、一般的な片頭痛の治療ではなかなか改善されないのが特徴です。

ズキズキと波を打つような痛みが特徴で、吐き気を伴うこともあります。

生理前の頭痛はホルモンの影響が大きいので、痛みが強いときは無理せずに休息をとるのが一番です。ただし、痛みがつらいと生活にも支障が出るので、以下の方法で頭痛対策を行ってみましょう。

ただし生理前の頭痛は原因によって対策が異なるので、まずは自分の頭痛の原因を知ることが大切です。

月経前症候群は、ホルモンバランスの乱れで症状がひどくなるといわれているので、食事内容を見直したり、適度な運動を行ったりして、バランスを整えることが大切です。

頭痛以外の症状も現れるという人は、症状によっても異なりますが、水分や塩分の過剰摂取を控えることで症状が緩和されることもあります。お風呂にゆっくり入ったり、アロマセラピーを行ったりして、リラックスするのも良いですね。

あまりにも症状がひどい人は、病院を受診して治療を行うことも視野に入れましょう。治療で使われる効果的な薬については、後ほど詳しくご説明します。

月経関連片頭痛を緩和したいときは、外部からの強い刺激をシャットアウトし、ゆっくりと休むのがおすすめです。できるだけ暗くて静かな部屋で横になり、目を閉じましょう、横になれないときは、じっと目を閉じるだけでも効果があります。

このとき、頭や首周りを冷えたタオルなどで冷やすのもいいでしょう。逆に温めると症状が強くなることもあるので、注意が必要です。

生理前の頭痛がひどいときは、薬での治療も可能です。原因や体質によって効果的な薬が異なるので、自己判断で服用するよりも、病院を受診して自分にあった薬を処方してもらうほうがいいでしょう。

生理前の頭痛がつらいときは、我慢しすぎずに鎮痛薬を活用しましょう。

バファリンやロキソニンなど、市販の頭痛薬でも効果がみられることがありますが、頭痛薬はあくまでも痛みを一時的におさえるもので、根本的な治療はできないということは覚えておきましょう。

根本的な治療には、月経前症候群の場合は低用量ピル、月経関連片頭痛の場合は「エストラジオール」という女性ホルモンなどが使用されることもあります（※1,2）。

どちらにしても、病院できちんと検査を受けたうえで服用しましょう。

生理前の頭痛に効果があるといわれている漢方薬には、下記のようなものがあります（※3）。

血行を良くする漢方薬で、頭痛だけでなく、生理不順や生理痛、更年期障害などにも効果が期待できます。比較的体格がしっかりしている人に処方されます。

成分	ケイヒ・シャクヤク・ブクリョウ・トウニン・ボタンピ

血の巡りを良くして体を温める漢方薬で、頭痛や生理痛、手足の冷え、肩こりなどを改善する効果が期待できます。虚弱体質で疲れやすい人、生理前にイライラなどの精神症状がみられる人に処方されます。

成分	ボタンピ・シャクヤク・トウキ・サイコ・ハッカ・サンシシ・ブクリョウ・カンゾウ・ショウガ・ソウジュツまたはビャクジュツ

気の巡りを良くする漢方薬で、女性によく処方されます。頭痛のほか、のぼせやめまい、月経不順、更年期障害にも効果的です。

成分	コウブシ・ビンロウジ・モッコウ・ニンジン・カンゾウ・オウゴン・オウレン・トウキ・センキュウ・チョウジ・ケイヒ・ソウジュツまたはビャクジュツ