プロゲステロン(黄体ホルモン)とは?作用や正常値は?

女性ホルモンの一つである「プロゲステロン(黄体ホルモン)」は妊娠への作用も大きく、妊娠を希望している女性にとって馴染みのある名前ですよね。妊活中の人でなくても、女性の体特有のホルモンの作用や正常値については知っておきたいところ。そこで今回は、プロゲステロンとは何か、作用や分泌量の正常値、少ないときの影響をご紹介します。

プロゲステロン(黄体ホルモン)とは?

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プロゲステロンとは、排卵直後から卵巣でつくられる女性ホルモンの一つで、受精卵が着床しやすいよう子宮内膜の環境を整え、体温を上げる作用があるため「妊娠を助けるホルモン」ともいわれます。

排卵する際に、成熟した卵子はそれまで入っていた卵胞という袋から飛び出します。排卵後に卵巣に残された卵胞は、黄色の顆粒状の色素を含む細胞(黄体)に変化し、約14日間はプロゲステロンを分泌します(※1)。

プロゲステロンが「黄体ホルモン」とも呼ばれているのはこの黄体から分泌されるためです。

プロゲステロン(黄体ホルモン)の作用は?

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プロゲステロンは排卵後、女性の体が妊娠しやすいように子宮内の環境を整える働きがあり、下記のように作用します。プロゲステロンは、妊娠・出産を考えている女性にとって、とても大切な女性ホルモンだといえますね。

基礎体温を上げる

プロゲステロンには体温を高める作用があり、受精や着床がしやすくなる環境をつくります。基礎体温が高温期に入るのは、プロゲステロンが分泌されているからです。

逆に、プロゲステロンが正常に分泌されない場合、基礎体温が上がらず、常に低温期のままになります。

子宮内膜を維持する

卵子が成長する卵胞期の子宮内膜の厚みは数ミリほどですが、排卵期の前後には10~15mmほどになります(※1)。

プロゲステロンには、排卵後に子宮内膜やその周辺の血流量を上げるはたらきがあります。血行が良くなることで十分な栄養を子宮内膜に与えて、子宮内膜をふわふわで厚くした状態にキープさせます。

乳腺を発達させる

受精卵が子宮内膜に着床すると妊娠が成立し、女性の体は赤ちゃんを産む準備を始めます。プロゲステロンは、出産後の準備のために乳腺を発達させます。

プロゲステロン(黄体ホルモン)には困った働きもある?

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月経前3〜10日間の黄体期によくみられる月経前症候群(PMS)はプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌に関係があると考えられています(※2)。

月経前症候群では、イライラしたり不安になったりといった精神的な症状や、頭痛やお腹の張りなどの身体的な症状が現れます。

プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量は生理周期でどう変化する?

グラフ

妊娠していないとき、プロゲステロンは生理周期に合わせて、一定のリズムで増減を繰り返します。

前述の通り、排卵後にプロゲステロンの分泌量は増加しますが、受精卵が着床せず妊娠が成立しなかったときには、排卵後しばらくして黄体ホルモンの分泌量が減少します。

一方、着床して妊娠が成立した場合には、プロゲステロンが分泌され続け、高温期が続きます。

「生理予定日になっても高温期が続いている」というのが妊娠兆候の予測材料になるのは、このためです。

プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量は妊娠するとどう変化するの?

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妊娠や生理に関係するプロゲステロンですが、妊娠中から分娩までの間に、その分泌量はどう変化しているのでしょうか。

妊娠中

妊娠成立後、黄体は妊娠黄体になり、プロゲステロンの分泌量は増加します。

妊娠7週くらいから胎盤ができはじめると、プロゲステロンが作られる場所が妊娠黄体から胎盤に徐々に移っていきます。胎盤が完成する妊娠12〜15週頃には、ほぼ全量のプロゲステロンは胎盤から分泌されるようになり、妊娠をさらに持続させます(※1)。

また、プロゲステロンには筋肉の収縮を抑える働きもあるため、分泌量が増えることで子宮だけでなく胃などの消化器官の動きが鈍くなることも。この影響で、胃酸や胃の内容物が食道に逆流したり、便秘などの症状が現れたりすることもあります(※1)。

産後

プロゲステロンの分泌量は出産すると急速に低下します。これはプロゲステロンを作っていた胎盤が分娩で体外に出るからです。

その後、卵巣や子宮の機能が回復してきて排卵が起こるようになると、プロゲステロンの分泌量も徐々に妊娠前の状態に戻っていきます。

プロゲステロン(黄体ホルモン)の正常値は?

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生理周期や妊娠によって変化するプロゲステロンの分泌量ですが、日本産科婦人科学会によると、妊娠していないときの正常値は下記のようになります(※3)。

● 卵胞期:1mg/mL以下
● 排卵期:1mg/mL以下
● 黄体期:5〜30mg/mL
● 閉経期:1mg/mL以下

プロゲステロン(黄体ホルモン)が少ないとどうなるの?

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プロゲステロンが排卵後5〜7日目の段階で10mg/mLと分泌量が少なく、基礎体温の高温期が10日未満だと「黄体機能不全」と診断されます(※3)。

黄体機能不全になると子宮内膜を維持する期間が短くなったり、成熟が阻害されたりすることで、着床や胎芽の発生が妨げられる可能性があります(※4)。

プロゲステロン(黄体ホルモン)を薬や注射で補充することもあるの?

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プロゲステロンが少ないことによって、着床率が低下したり、妊娠の継続が難しくなって流産が引き起こされたりする場合は、ルトラールやデュファストンといった薬や注射でプロゲステロンを補充する治療が行われます(※5)。

使用する薬によっては副作用を伴う場合もあるため、必ず産婦人科医に相談の上、治療を行うようにしましょう。

プロゲステロン(黄体ホルモン)は妊娠を継続する大切なホルモン

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プロゲステロンは、妊娠・出産に必要不可欠な存在ですが、場合によっては便秘などの不快症状を引き起こすホルモンでもあります。

正常な値の範囲から外れると、さまざまな体への影響が疑われるため、生理不順や不妊の症状、便秘などの不快症状が見られるときには、産婦人科医に相談するようにしましょう。

女性の健康に関わりの深い女性ホルモンであると覚えておいてくださいね。

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