生理後に体重が減らない・増える!太る原因と対策は?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

生理後はホルモンバランスの変化で痩せやすい時期ですが、なかには生理後なのに体重が減らない、または増えると悩んでいる人もいます。痩せやすいはずなのに太ってしまうのは、一体どうしてなのでしょうか?今回は生理後に太る原因と、体重増加を防ぐための対策、むくみが現れたときの解消法などをご説明します。

生理後に体重が増えることもある?

女性の体調は生理周期によって左右されますが、体重も同様で、体重が増えやすい時期と増えにくい時期があります。

これには、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」と「エストロゲン(卵胞ホルモン)」という、2つの女性ホルモンが関係しています。

プロゲステロンは、妊娠に備えて体に栄養や水分を蓄えようとする働きがあるホルモンです。そのため一般的に、プロゲステロンが多く分泌される排卵後~生理前には、体重が増えやすくなります。

プロゲステロンの分泌が落ち着き、逆にエストロゲンの分泌が増えだすと、体に栄養や水分を溜め込む必要がなくなり、脂肪が燃焼しやすくなります。そのため生理後~次の排卵までは、体重が減りやすくなるといえるでしょう。

ただ、生理後は本来体重が減りやすい時期なのに、体重が増加してしまう、または減らないという人も少なくないようです。その詳しい原因については、次の章でご説明します。

生理後に太る・体重が減らない原因は?

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前述のとおり生理後は体重が増えにくいはずですが、それでも太る、または体重が減らないという場合は、主に以下3つの原因が考えられます。

エストロゲンの影響

エストロゲンは皮下脂肪に働きかけ、女性らしいふっくらとした体を作り出す作用もあります。そのため生理後は、脂肪がつきやすい時期ともいえます。

いくら代謝が良いとはいえ、食事の量を増やしたり、偏った食事を摂っていたりすると、脂肪が増加して体重も増えてしまいます。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスが乱れていると、生理後もプロゲステロンの分泌量が多くなり、太りやすくなってしまうことがあります。女性ホルモンの分泌量は、過度のストレスや不規則な生活習慣など、ちょっとしたきっかけで乱れてしまうのです。

生理が終わったことからくる解放感

生理前や生理中は月経前症候群(PMS)や生理痛の影響で、食欲がなくなってしまう人もいます。そのような人の場合、生理が終わった開放感から、生理後に好きなものを好きなだけ食べてしまう、ということもあるようです。

生理後は代謝が高まるとはいっても、それ以上に食べ過ぎてしまっていると、体重は当然減りませんし、場合によっては増えてしまいます。

生理後に体重が減らない・増えるときはどうする?

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生理後に体重が減らない、または増えてしまうという人は、まず「生理後の自分の体重をどうしてコントロールできていないのか」についての原因を知ることから始めましょう。原因がわかると、おのずと生理後に体重が増えないための過ごし方がみえてきます。

例えば開放感などからついつい食べすぎてしまっていたという人は、食事量を適量に戻してみたり、不規則な生活が続いていた人は、できるだけ生活リズムを整えてみましょう。

なぜ太るのか考えてみたけど思い当たる原因がない、または生活を改善しても体重の増加が止まらないというときは、女性ホルモンが大きく乱れていたり、甲状腺の病気が隠れていたりする可能性もゼロではありません。

また食べ過ぎが止められないときは、過食症も疑われます。病院を受診して症状を伝え、適切な検査や治療を受けることもおすすめします。

生理後に太ったときの体重の減らし方は?

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生理後に体重が増えてしまい、増えた分を減らしたいというときは、下記のような方法に取り組んでみるのがいいでしょう。ただし、体に負荷をかけすぎてしまうと逆にホルモンバランスが乱れ、太りやすい体になってしまう可能性もあるので、無理は禁物です。

食生活のリズムを整える

まずは食生活のリズムを改善して食べ過ぎを抑えましょう。

忙しさから朝食や昼食を抜いている人は、1回の食事量が多くなりがちです。基本的に食事は1日3食、できれば夜7時以降の食事はひかえましょう(※1)。

また、よく噛んでゆっくり食べることも大切です。よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べる量を抑えられますよ。

食事内容を見直す

食事のリズムだけではなく、食事内容も見直しましょう。米やパンといった炭水化物、肉類の取りすぎに注意して、逆に野菜の量を増やしましょう(※1)。スウィーツやスナック菓子もできるだけ控えてくださいね。

便秘やむくみが気になる人は、水分をしっかりとることも忘れずに。体が冷えないよう、常温の水か白湯を飲むのがおすすめです。

運動量を増やす

生理後は代謝が上がっているので、脂肪が燃焼しやすい時期です。ウォーキングやランニング、ヨガなどの有酸素運動を行って、脂肪を燃焼させましょう。筋力がつくと脂肪燃焼が加速されるので、スクワットや腹筋運動などの筋力トレーニングを取り入れるのもおすすめです。

運動するためのまとまった時間が取れないときは、通勤時に目的地の一駅前で降りて歩くようにしたり、階段を使ったりするだけでも、日常的に運動量を増やすことができますよ。

ストレスをためない

ストレスが溜まるとホルモンバランスの乱れを引き起こすだけでなく、暴飲暴食にもつながります。ダイエット中は特にストレスを溜めないように心がけましょう。

ストレスを全く感じなくするのは難しいと思うので、趣味の時間や友達と遊ぶ時間を確保するなどして、こまめにストレスを解消してくださいね。

生理後に太るときは生活習慣の見直しから

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無理な生活や偏った食事をしなければ、生理後は代謝が高まって痩せやすくなる時期です。生理後に体重が増える・減らないという人は、健康的な生活を送ることで、体重が減りやすい体を目指しましょう。

ただし、生理後に体重を減らしたいからといって、無理をしすぎてはいけません。過度なダイエットはホルモンバランスを乱す原因になり得ます。無理なく行える範囲の対策で適正体重をキープしたいですね。

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