「インプランテーションディップ」は、海外では広く知られている言葉です。着床時に基礎体温が低下する現象で、妊活中の人にとっては気になる症状ですよね。
そこで今回はインプランテーションディップについて、妊娠との関係性、いつ起こるのか、着床時に基礎体温が下がる仕組みなどをご説明します。
インプランテーションディップとは?なぜ起こるの?
インプランテーションディップは、「インプランテーション(Implantation)=着床」と「ディップ(dip)=低下」から成り立っていて、「排卵後から始まる高温期のなかで一時的に基礎体温が下がる現象」を指しています。
インプランテーションディップは医学的な用語ではなく、俗称です。
着床出血などと同じように妊娠兆候の1つと考えられていて、よく見られる現象ではありますが、なぜ起こるのかはっきりとした理由はわかっていません。
インプランテーションディップはどうすればわかる?
インプランテーションディップは、基礎体温の変化から掴むことができます。
兆候を捉えるためには、毎日基礎体温を測り、自分の生理周期や排卵のタイミングを把握しておくことが大切です。
上の図のように、理想的な基礎体温グラフは排卵日を境にして、低温期と高温期に分かれます。
生理が始まると、基礎体温は再び低温期に入りますが、受精卵が子宮内膜に着床して妊娠が成立すると、そのまま高温期が続きます。
インプランテーションディップはいつ起こる?基礎体温グラフの変化は?
妊娠していない状態では、基礎体温は低温期と高温期を交互に繰り返します。
生理開始日から排卵後数日あたりまでが低温期、排卵日数日後から次の生理開始日までが高温期となります。
インプランテーションディップが起きるタイミングは、受精卵が子宮内膜に着床する頃なので、高温期の途中(7〜10日目頃)だといわれています。
普段の基礎体温表と見比べてみると、インプランテーションディップが起きているかわかりやすいですよ。
高温期に基礎体温が下がると必ずインプランテーションディップなの?
インプランテーションディップで基礎体温が低下するのは1日程度であることが多いようです。
基礎体温が低下している期間が2日未満の場合はインプランテーションディップの可能性があるといえます。
ただし、高温期に3日以上基礎体温が下がる場合は低温期に入ったと考えられるため、高温期に体温が下がっても、必ずしもインプランテーションディップであるとはいえません。
また、もし高温期が保てずに10日以下で低温期に突入する場合は、黄体機能不全などの病気の可能性があります。
数周期繰り返すようであれば、基礎体温の記録を持って早めに産婦人科を受診してくださいね。
インプランテーションディップは着床した証なの?
インプランテーションディップは着床した証の可能性がありますが、妊娠したすべての人が経験するわけではありません。
また、妊娠していない人にインプランテーションディップのような現象が現れることもあります。
インプランテーションディップはあくまで参考程度にして、妊娠しているかどうかは妊娠検査薬の検査結果で確かめるようにしてくださいね。
インプランテーションディップは基礎体温の測り間違い?
インプランテーションディップがあっても、妊娠していなかったというケースもあります。これは基礎体温の測り間違いが原因であることが多いです。
インプランテーションディップかどうかを判断できるようになるには、正確に基礎体温を計る必要があります。
女性の体は少しの刺激で体温が思いの外変化することがあるので、基礎体温を測るときは「朝目覚めたら、布団の中で寝たまま測ること」と「舌の裏側にしっかり体温計を当てて測ること」を徹底しましょう。
また、風邪や疲れなどの体調不良でホルモンバランスが乱れたり、夜更かしや飲酒をして起床時間がずれたりすると、基礎体温が下がることもあります。
生活リズムを整え、ストレスを溜め込まないようにしてゆったりと過ごすことで基礎体温は安定しやすいですよ。
インプランテーションディップはあくまで参考に
妊娠したい女性にとって、インプランテーションディップはうれしい兆候かもしれません。ただし、医学的に証明されたものではなく、測り間違いの可能性もあるため、あってもなくても焦らないでくださいね。
排卵日や妊娠可能性を知るためにも、普段から基礎体温をはかり、自分の体の状態を知っておくことが大切です。
着床時期には、着床出血などさまざまな妊娠初期症状が現れるので、落ち着いた気持ちで妊娠検査薬が使える日を待てるといいですね。