「臨月は安静にした方がいいのかな?外出しても大丈夫なのかな?」と臨月の過ごし方については、迷いますよね。実際には出産前に買っておきたいものがあったり、体調がいいから外に出たかったりすることも多いもの。しかし出産予定日が近づくと、陣痛や破水のリスクがあって、「外出はNGなのかも」と不安になることも多いでしょう。今回は、臨月の外出や、旅行についての注意点をご紹介します。
そもそも臨月に外出しても大丈夫?
基本的には、医師から外出や運動を控えるようにと指導を受けておらず、健康と安全に気をつけていれば、臨月に外出すること自体に問題はありません。
子宮口があまり開いていなかったり、硬かったりすると、医師からもできるだけ体を動かすように指導を受ける人もいます。
ただし当然のことながら、妊娠前のお出かけと違って、臨月はさまざまなことに気を配って、外出しなければいけません。
臨月に外出するときの注意点は?
臨月の外出で注意すべきポイントは「いつ何が起こっても対処できるようにしておくこと」です。
臨月は、いつ陣痛や破水が起こってもおかしくありません。お出かけ中のトラブルを避けるため、またトラブルが起きても迅速に対処するため、以下のことに注意して外出するようにしてください。
あまり離れたところには出かけない
陣痛や破水が起こっても、いち早く対処できるように、自宅あるいは産院からあまり離れた場所には行かないようにしましょう。ポイントは、距離ではなく「戻れるまでの時間」です。遠くても、産院まで1時間くらいの場所にしておきたいところです。
どうしても少し遠くにお出かけしないといけないときは、パートナーと一緒に外出することをおすすめします。一人で外出するときは、あらかじめ家族に行き先を知らせておくと安心ですよ。
もしものときに対処できる物を持って行く
外出先から病院に直行することになっても大丈夫なように、母子手帳を持って外出しましょう。病院の連絡先はもちろん、タクシーの電話番号を携帯電話に登録したり、メモしたりしておくといいですね。
また破水してしまったときのために、生理用ナプキンも何枚か持ち歩いておいてください。夜用など、吸収力の高いものがおすすめです。もちろん診察券と保険証も必要ですが、忘れてしまっても後から対処することができます。マストアイテムは母子手帳と夜用のナプキンです。
人混みの多い場所、時間帯は避ける
感染症や事故を予防するため、外出先はできるだけ人混みの多い場所は避けましょう。駅を利用するときは通勤時間帯を避けたり、お買い物をするときも人の増える午後は避けて、午前中に済ませるのがおすすめです。
上の子がいるとなかなか難しいかもしれませんが、子供がたくさんいる場所は特に感染症や事故のリスクが高いので、避けられるなら避けた方がいいでしょう。
臨月に旅行しても大丈夫?飛行機や新幹線、車での移動は?
臨月の旅行は、陣痛や破水などの対応に遅れが出てしまうので、できるだけ控えましょう。特に妊婦健診で「子宮口が開いてきているから、出産予定日が前倒しになる可能性がある」といわれた人は、予定をキャンセルした方が安心です。臨月に入る前までに、旅行は済ませておきたいですね。
ただし、やむを得ず、臨月に車や新幹線で出かけなければいけないこともあるかと思います。そんなときは、以下の点にご注意ください。
飛行機を利用する際の注意点
出産間近の搭乗の場合は、国内便・国際便ともに、分娩予定日の28日以内は医師の診断書が必要で、14日以内は診断書と医師の同行が必要となります(※1)。
どうしても必要な場合を除いて、臨月に飛行機に乗るのはおすすめできません。
臨月で飛行機に乗らなければいけない場合は、産婦人科医に十分相談してできる限りの準備を行い、当日の体調がすぐれないときにはキャンセルするつもりで予定を立てましょう。
新幹線を利用する際の注意点
臨月に新幹線を使って外出・旅行するなら、指定席をとるようにしましょう。指定席を利用すれば、トイレの近くに座ったり、喫煙ルームから離れたところに座ったりすることが可能です。そして何より、指定席をとっておけば必ず座れます。
また、多くの人が一度に利用する新幹線の利用は、感染症にかかるリスクがあります。新幹線に乗車する際は、手洗いうがいを徹底し、マスクの着用をお忘れなく。
車を利用する際の注意点
車を利用する際は、自分で運転することはせず、パートナーや友人にお願いしましょう。
妊娠後期から出産1ヶ月後までの妊婦さん・ママは、記憶力が低下しているという調査結果があります。また妊娠29週以降の妊婦さんは、運転中に通常時の7倍に子宮の収縮が増加しているという調査もあります。
さらに運転中は血圧も上昇する傾向があるため、妊娠高血圧症候群の妊婦さんは特に注意が必要です(※1)。
臨月に新幹線や飛行機での里帰りは控えた方がいいの?
旅行同様、里帰りで長い時間、乗り物に乗るのにはリスクがあります。里帰り出産をする予定の妊婦さんは、臨月に入る前に里帰りを済ませておきましょう。
仕方なく臨月に里帰りしないといけない場合は、陣痛や破水にすぐに対処できるよう、母子手帳やナプキンなど持って行くものに注意したり、パートナーに同伴してもらったりすると、より安心して帰省できます。
臨月のおすすめの外出は?
乗り物を使わず、近場まで歩いて移動する臨月の外出は、安産効果があります。具体的には、適度に体を動かすことによって、出産に向けて体力がつけられるうえに、子宮口が開きやすくなったり、股関節が柔らかくなったりします。
さらに、外の景色がゆっくり楽しめる徒歩でのお出かけは、気分転換もできて、臨月の妊婦さんにおすすめですよ。
臨月の外出中のトラブルには、落ち着いて対処しよう
万が一、外出中に陣痛や破水が起きても、落ち着いて対処しましょう。病院に電話して、現状を説明し、連絡した病院にタクシーなどですぐに向かいましょう。
臨月は、絶対に外出してはいけないということではありません。適切な準備をして、無理のないように行動すれば、臨月でも気持ちよくお出かけできますよ。