生まれてしばらくの間、赤ちゃんはほとんど仰向けの姿勢ですごします。体の筋肉が発達していないため、座ることはおろか、寝返りすらできません。それらの動きに必要な筋肉を鍛えるために効果があるとされているのが、腹ばいの練習です。そこで今回は、赤ちゃんの腹ばいの練習の意味や、やり方、注意点などをご紹介します。
腹ばいとは?練習する意味は?
腹ばいとは、一般的にはお腹を下にして寝転がる姿勢のことをいいますが、赤ちゃんの腹ばいは、うつぶせになった姿勢で首を持ち上げる動きのことを指します。
練習すると首や背中の筋肉が鍛えられ、首すわりやはいはい、寝返りなど、それまでの姿勢とは違う体勢や動きを体験していくきっかけになります。
この動きが安定的にできることで「首がすわった」と判断されることもあり、赤ちゃんの体が発達していくうえでの基本となる、とても大事な動きです。
赤ちゃんの腹ばいはいつから?
腹ばいの練習は、生後2~3ヶ月くらいから始めます。赤ちゃんが起きていて、機嫌がいいときに始めましょう。
赤ちゃんの機嫌や体調によってできる日とできない日があると思いますが、3~4ヶ月健診では、「首すわり」などについてのチェック項目があるので、早い時期から練習を始めておけるといいですね。
赤ちゃんの腹ばいのやり方は?
腹ばいの練習は、下記のような手順で行います。
1. 場所を確保する
腹ばいの練習は、畳やカーペットなどの上で行うのがいいでしょう。体が沈むくらい柔らかいベッドやクッションの上だと、赤ちゃんが下を向いたときに、鼻や口がふさがってしまい、息ができなくなってしまう恐れがあります。
2. 赤ちゃんをうつぶせ(腹ばい)にさせる
場所を確保したらいよいよ実践練習です。赤ちゃんをお腹が下になるようにゆっくりと寝かせてみましょう。このとき、赤ちゃんの両腕を胸の前で抱え込ませるようにして、床と顔との高さを出すと、赤ちゃんが床の方を向いても窒息しにくくなります。
3. 正面から話しかける
腹ばいの体勢にしたら、ママ・パパも体勢を低くし、正面から赤ちゃんに顔を近づけて話しかけます。このとき、赤ちゃんができるだけ長い時間首を持ち上げられるように、声をかけ続けるのがポイントです。赤ちゃんの興味をひくために、音の出るおもちゃなどを使ってもいいですね。
赤ちゃんが力尽きて頭を下げたら、窒息しないように仰向けに戻してあげます。
両腕の力がついてきたら、胸の下にクッションや畳んだバスタオルを入れて、両手を自由にしてあげるのもおすすめです。
赤ちゃん自身が慣れてきたら、顔をあげたまま手でおもちゃをつかんで遊んだり、両手足を伸ばして背中を反らせたりと、いろいろな動きを試すようになりますよ。
赤ちゃんが腹ばいをするときの注意点は?
腹ばいの練習で最も気をつけないといけないのは窒息を防ぐこと。必ずママ・パパが近くにいる状況で練習を行いましょう。赤ちゃんによっては好みがあり、腹ばいの姿勢を嫌う子もいるので、その場合は無理に練習させる必要はありません。
ミルクを飲んでからすぐに練習を始めると練習中にミルクを吐いたり、よだれを垂らしてしまうこともあります。そのため、練習はミルクを飲んでから30分ほど時間をあけて行うのがおすすめです。
その際、もし赤ちゃんが吐いても大丈夫なように、大きめのバスタオルを敷いておいたり、洗えるクッションを使うようにするといいでしょう。
また、長時間連続で練習を行うと赤ちゃんの体に負担になるので、最初は5分程度と短い時間からはじめ、徐々に長くしていきましょう。
腹ばいはいろいろな動きのための第一歩
腹ばいの練習をすることで、首すわりや寝返り、おすわりやはいはいなど、いろいろな動きに必要な筋肉が鍛えられます。
ただ、腹ばいの練習をしているからといって、必ずそれらの動きが早くできるようになるわけではありません。赤ちゃんにも個人差があり、早くできる子がいればゆっくりなペースの子もいます。
3~4ヶ月健診の時点で首がすわっていなくて、再検査になったとしても、心配する必要はありません。ゆっくりだったとしても赤ちゃんの首はすわることがほとんどです。
ただし、生後半年をすぎてもまだ首がすわらないなどの場合には念のために病院を受診しましょう。
ママやパパとしても焦らずゆっくり、腹ばいの練習を楽しみながら、赤ちゃんの成長を見守ってあげてくださいね。