溶連菌感染症とは?原因と症状、感染経路は?子どももかかりやすい?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

溶連菌感染症は子どもがかかりやすい病気というイメージが強いかもしれませんが、大人が感染するケースも少なくありません。ワクチンによって予防することができない感染症なので、普段の生活の中で予防する方法を詳しく知っておきたいですよね。

今回は、溶連菌感染症の症状や感染経路、治療法、予防法などをご紹介します。

溶蓮菌感染症とは?どんな症状が出る?

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溶連菌感染症とは、溶血性レンサ球菌という細菌によって起こる感染症で、冬および春から初夏にかけて流行します。

子どもも大人もかかりますが、特に発症しやすい年齢は6~12歳頃の学童期とされています(※1)。ごく稀ですが、リウマチ熱や肺炎、急性糸球体腎炎といった重い合併症を引き起こすことがあるため、注意が必要です。

溶連菌感染症の主な症状は、突然の発熱と喉の痛み・腫れです(※1)。他にも、頭痛、倦怠感、腹痛といった症状が現れることもあり、風邪の症状に似ています。

舌の表面にイチゴのようなぶつぶつができる「イチゴ舌」や、体に淡い紅斑が出現することもあります。

3歳未満の乳幼児が溶連菌感染症にかかった場合は、喉の痛みやイチゴ舌のような典型的な症状が現れず、小児科で検査するまでは溶連菌感染症だとわからないケースも多いです。

溶連菌感染症の感染経路や潜伏期間は?

? 疑問

溶連菌感染症は、人と人との接触が多い学校や幼稚園・保育園などでの集団感染がほとんどです。

感染経路には、咳やくしゃみによって飛び散った菌をを吸い込むことによる感染(飛沫感染)と、タオルや食器などの共有や皮膚が触れることによる感染(接触感染)の2つがあります。

潜伏期間は2〜5日です(※1)。潜伏期間中に感染力があるかどうかは、はっきりとわかっていないので、普段から感染対策をしっかりと行いたいですね。

溶連菌感染症の診断方法は?

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溶連菌感染症が疑われる場合は、一般的に喉の奥を綿棒でこすり菌の有無を判断する検査によって診断します。結果は5〜10分ほどで出ます。

そのほか、採取した菌を培養する培養検査が行われることもあります。

溶連菌感染症の治療方法は?

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溶連菌感染症の治療には、一般的に抗菌薬が処方され、7〜10日間ほどしっかり服用する必要があります(※1)。

抗菌薬を飲み始めると数日で熱が下がり、喉の痛みも緩和します。

ただし、症状が治まったからといって抗菌薬の服用をすぐに止めてしまうと、症状がぶり返したり薬が効きにくくなる耐性菌ができたりする可能性があります。

また薬の中断によって溶連菌が再活性化することで、症状が再燃すしたり、感染が重症化したりするおそれもあります。

溶連菌感染症の原因となる菌を体内から確実に退治するために、処方された分は飲み切るようにしましょう。

溶連菌感染症になったら、いつから登校・登園できるの?

幼稚園

溶連菌感染症は、学校保健安全法で「適正な抗菌剤治療開始後24時間を経て全身状態が良ければ登校可能」と定められています(※2)。

学校や幼稚園・保育園、自治体などによっては、治って再登校・登園する場合に「治癒証明書」などの提出を義務付けているところもあるので、事前に確認しましょう。

溶連菌感染症の予防法は?

手洗い

溶連菌感染症はワクチンなどで予防ができないため、以下のような方法でしっかり予防することが大切です。

● 手洗い・うがいを徹底して行う
● 飛沫感染しないように、人が多い場所ではマスクを着用する
● タオルや食器などを共有せず、使ったら洗浄・消毒する

家族内で溶連菌感染症がうつる確率は、きょうだいの間が一番高く25%とされています(※1)。

家族の誰かが溶連菌感染症にかかった場合は、可能であれば解熱するまで別の部屋で過ごすなどして、家族内感染を防ぎましょう。

溶連菌感染症にかかったときは早めに受診しよう

予防方法を心がけ、普段から十分な睡眠や栄養バランスのよい食事をとって、家族で溶連菌感染症を防ぎましょう。

しかし、しっかり予防していてもかかることはあります。一般的な風邪と症状がほとんど変わらないこともあるため、特に流行しているときは早めに小児科を受診するようにしてくださいね。

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