溶連菌は薬(抗生物質)で治療できる?副作用や注意点は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

「溶連菌感染症」は幼稚園や保育園、小学校に通う子供がかかりやすい病気です。風邪の症状に似ているものの、抗生物質などの抗菌薬の投与が行われない場合には、合併症を起こす恐れもあるので注意が必要です。今回は溶連菌感染症の治療について、医師から処方される薬の種類と副作用・服用の注意点などをご紹介します。

溶連菌感染症とは?

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「溶連菌感染症」とは、「A群β(ベータ)群溶血性連鎖球菌(溶連菌)」という細菌に感染することによって起こる病気の総称です。

溶連菌そのものは、健康な子供の咽頭にも存在しうる常在菌ですが、体の抵抗力が落ちていたりすると、のどや皮膚に感染し、風邪のような症状を引き起こすこともあります。

溶連菌は2~5日の潜伏期間のあと、接触感染またはくしゃみや唾液で飛沫感染し、幼稚園や保育園、小学校に通う子供のあいだで感染しやすいのが特徴です(※1)。ただし、免疫力が低下している大人や妊婦さんに感染する可能性もあります。

溶連菌の症状は?

溶連菌に感染した場合に現れる症状は、年齢によって異なります。0~2歳の赤ちゃんが溶連菌に感染した場合、風邪のような症状やリンパ腺の腫れだけが見られ、発熱はしないケースも多くあります。

しかし3歳以上の子供の場合は、38度以上の発熱、頭痛、のどの腫れ・痛み、食欲不振、リンパ節の腫れなどの症状が見られたあと、舌の表面にブツブツの赤みができる「イチゴ舌」や、顔や手足に小さな淡い発疹が出て、病気が治ってから手足の皮膚がポロポロとむけることもあります。

大人の場合は比較的症状が軽く、頭痛や微熱、のどの痛みなど風邪のような軽い症状で済むことが多いとされています。もし、溶連菌に感染した子供と接触したあとに上記の症状が見られた場合には、ただの風邪だと自己判断せずに内科で診察を受けましょう。

溶連菌の薬は抗生物質が処方されるの?

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「咽頭培養検査」や「溶連菌迅速診断キット」などによって溶連菌に感染していると診断されたら、一般的には小児科や内科で抗菌剤(抗生物質)のほか、解熱鎮痛薬(痛み止め)が処方されることがあります。

薬を服用することによって1~2日ほどで熱も発疹もおさまり、1週間ぐらいでのどの痛みがひきます。

そのあと、子供の場合は手や足の指先の皮膚がポロポロとむけてくることもありますが、これも大抵は3週間程度でおさまります。

抗生物質

溶連菌に感染した際は、以下のような抗生物質が処方されます。

ペニシリン系

溶連菌感染の治療薬として最も有効と言われているのが、ペニシリン系の抗生物質です。1日3~4回、10日間内服する必要があります。ペニシリンが主成分の薬として、大人・子供ともに「サワシリン」「バイシリン」「アモキシシリン」などがよく処方されます(※2)。

ペニシリン系の抗生物質全般の副作用として、吐き気や下痢、発疹が現れることもあります(※3)。ペニシリンに対するアレルギーがある場合には、処方される前に医師に伝えましょう。

セフェム系(セファロスポリン系)

皮膚などの感染症に用いられる内服薬として、セフェム系の抗生物質があります。具体的な薬としては、「メイアクト」「セフゾン」「ケフレックス」などが挙げられます。

セフェム系の抗生物質全般に、胃腸症状や下痢などの副作用が見られることもあります。ペニシリン系と同じく「βラクタム系抗生物質」と呼ばれる種類で、ペニシリンアレルギーがある人はセフェム系の抗生物質も服用できないことがあります(※3,4)。

その他

ペニシリン・セフェム系など、βラクタム系抗生物質へのアレルギーがある場合、「エリスロマイシン」「クラリスロマイシン」「アジスロマイシン」が処方される場合もあります。しかし効果があまり見られないことが多いのが実情です(※5)。

解熱鎮痛剤

高熱や痛みがある場合には、上記の抗菌剤とあわせて「アセトアミノフェン」などの解熱鎮痛薬(痛み止め)も処方されます。アセトアミノフェンは非常に安全な薬剤だと考えられていますが、大量に服用すると肝臓が損傷を受けるリスクがあるので、内服量・回数をきちんと守りましょう(※6)。

溶連菌の薬(抗生物質)の注意点は?

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前述のとおり、溶連菌感染症にかかったときは抗生物質を服用することによって、発熱や発疹、のどの痛みなどが早く治ることが期待できます。

ただし、目に見える症状が治ったからといって油断は禁物です。体内にいる溶連菌は、症状が治まっても完全に消えていないので、医師から処方された抗生物質の量や回数を守り、指示通りの日数服用し続けましょう。

溶連菌感染症が完治する前に、自己判断で薬の服用をやめてしまったり、回数を減らしてしまったりすると、発熱から2~3週間後に、急性腎炎やリウマチ熱、血管性紫斑病などの合併症を引き起こし、別の疾患としての治療が長引く恐れもあります。

体が元気になってきたあとも、しっかり最後まで治療薬を服用するようにしてくださいね。

溶連菌は薬をしっかり飲み続けることが大切

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今回ご紹介したとおり、溶連菌感染症の治療には抗生物質を含む抗菌剤と、解熱鎮痛剤が処方されるのが一般的です。薬を服用することで、発熱や発疹、のどの痛みといった症状は緩和されますが、合併症を予防するためにはしばらく飲み続けることが重要です。

また、症状が現れるとつらいとは思いますが、解熱鎮痛剤の服用には注意が必要です。いずれにせよ、医師の指示どおり、決められた服用量・回数を守って治療に臨んでくださいね。

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