赤ちゃんの飲み物といえば、母乳やミルク。では、果汁はいつから飲ませても良いのでしょうか。昔は、栄養の一つとして果汁を月齢が低いうちから与えることもあったようですが、最近は「早めに与える必要はない」という傾向もあり、はじめて育児をするママやパパは迷うこともありますよね。今回は、赤ちゃんに果汁を飲ませた方が良いのか、与える時期や効果、アレルギーに気をつけたい果物などについてご説明します。
赤ちゃんに果汁を飲ませた方が良いの?

昔は母乳やミルクにビタミン成分が少なく、栄養として果汁を与える習慣もあったようですが、現在はママの食べ物が変わってきたことや、ミルクの成分も改良されてビタミンなどの栄養が豊富になってきたことから、母乳やミルクだけで育てる人がほとんどです。
また、離乳食が始まる前の味慣らしやスプーン慣らしのために、果汁を与えることが推奨されていたこともありました。しかし、最近の研究では、それも必要ないという考え方が主流です(※1)。
無理に与えると赤ちゃんによってはお腹をこわしたり、果汁の甘さに慣れて母乳やミルクを飲まなくなってしまったりすることもあるので、早い時期から焦って与えなくても大丈夫ですよ。
赤ちゃんに果汁を与える時期はいつから?

個人差はありますが、生後5~6ヶ月頃から離乳食がはじまります。果汁を与えたい場合は、離乳食の進み具合を見つつ、食物アレルギーの傾向が分かってきた頃を目安に飲ませてみましょう。
果汁を飲ませるにしても、「母乳やミルク以外の味を発見させてあげる」という意味合いが強いので、あくまでも離乳食のちょっとした味付け程度に考えておきましょう。赤ちゃんの成長段階に合わせて、離乳食で与える食材の優先順位を考えてあげることが大切です。
甘い果汁の味に慣れてしまって野菜嫌いになってしまわないように、野菜の味などに慣れた後に与える方が良いかもしれませんね。
赤ちゃんに果汁をあげるときの注意点は?

果汁をあげるときは、量に注意してくださいね。まずは薄めた果汁をスプーン1杯程度から、お腹の状態などを見て少しずつ進めましょう。
果汁100%のジュースなどは糖分が多く含まれているので、できるだけ旬のフルーツを使った絞りたての果汁を、白湯などで薄めてあげてください。
また、果物の皮をむいたり、すりおろしたりした果物をお茶パックに入れ、ギュッと絞れば簡単に果汁を抽出することができるので、試してみてください。
離乳食期の赤ちゃんに与えやすい果汁は?

離乳食初期から与えられる果物
・りんご
・いちご
・バナナ
・スイカ
・ぶどう
・梨
・みかん
初めて果汁をあげるときには、擦ったりんごの上澄みからはじめてみましょう。りんごには糖質、ミネラル、食物繊維のペクチンなどが豊富に含まれ、赤ちゃんの粘膜を守ってくれるだけでなく、下痢や便秘を防いでくれる効果があります(※1)。
バナナは甘くておいしいので、赤ちゃんは果汁をよく飲むと思いますが、糖質やカリウムが多いため与えすぎには気をつけましょう。
ぶどうやみかんの果汁を作る場合は、薄皮を取り除いてから搾ってくださいね。
赤ちゃんへの果汁はアレルギーに注意

次に挙げる果物は、比較的アレルギーが出やすいとされているものです。熱を加えてから少しずつ、慎重に与えましょう。
・メロン
・もも
・さくらんぼ
・キウイ
・パイナップル
・パパイヤ
・グレープフルーツ
・マンゴー
刺激が強いパイナップル、パパイヤ、マンゴー、苦味が出やすいグレープフルーツ、果肉が硬く果汁が出にくい柿などは、果汁として飲ませる必要はないかもしれませんね。ある程度離乳食が進んだ頃のデザートとして試した方が良さそうです。
また、これらの果物にはじんましんを起させる物質も含まれており、刺激が強いので、あまりおすすめできません。
ただし、りんごやバナナ、ぶどうもアレルギーが出やすい果物なので、初めて食べさせた後は体に異変が現れないか様子を見てください。
赤ちゃんへの果汁は離乳食の優先順位を考えてから

果汁は「絶対に与えないといけない」というものではないので、急いで赤ちゃんに飲ませる必要はありません。母乳やミルクとのバランス、先に進めたい離乳食を優先し、赤ちゃんの様子を見ながらママやパパが決めたペースで飲ませてあげましょう。
離乳食初期におすすめの果汁も、絶対にアレルギー反応がでないというものではありません。赤ちゃん一人ひとりの体質があるので、少しずつ飲ませてあげることが大切です。