生後しばらくの赤ちゃんは、母乳やミルクしか飲まないので、「脱水症状を起こさないかな」「喉は渇かないのかな」と疑問に感じたことはありませんか。でも、いざ水を与えようとしても、「いつからどのくらいの量を飲ませるべきか」、「水道水ではなくミネラルウォーターのほうがいいのか」といったように、わからないことがたくさんありますよね。そこで今回は、赤ちゃんの飲み水について、飲ませる時期や量、どんな水を飲ませて良いのか、水を飲ませるときの注意点などをご紹介します。
赤ちゃんには水を飲ませた方がいいの?

結論からいうと、離乳食を始める生後5~6ヶ月頃までの赤ちゃんは、母乳やミルク以外の飲み物は必要ありません。母乳やミルクは、水分補給と栄養補給の両方を兼ねているので、ほかの水分を摂取しなくても大丈夫です。
ただし、お風呂あがりや夏場にたくさん汗をかいたときは、母乳やミルクに補うものとして「水」をあげることも一つの方法です。水を飲ませるべきというよりは、母乳やミルクで足りない水分を補うためのものと考えておくようにしましょう。基本的には赤ちゃんは、母乳やミルクから水分補給をします。
ひと昔前は生後3ヶ月頃から麦茶や果汁といった味付きの飲みものを飲ませることも多かったものの、現代の考え方では、味覚の発達やアレルギーの観点から、早いうちから麦茶や果汁を飲ませる必要はないとされています。
味のついていない「水」は、味覚の発達に影響を与える心配がないので、補助的な飲み物として必要なときに取り入れてみてくださいね。
赤ちゃんに水を飲ませるのはいつから?新生児でもいい?

赤ちゃんに水を飲ませる時期は、胃腸が発達し始める生後3ヶ月以降であれば問題ありません。しかし、母乳やミルクの補助として飲ませるだけであって、メインの水分補給にならないように気をつけましょう。水を飲みすぎて満腹になり、母乳やミルクを飲まなくなると、栄養が不足してしまいます。
新生児期から生後2ヶ月頃までは、母乳やミルク以外の飲み物はできるだけ与えないようにしましょう。
水を与えなかったり、赤ちゃんが嫌がって飲まなかったりしても、離乳食が進み卒乳が近づくと自然と飲むようになります。母乳やミルクをしっかり飲めていれば、水を飲まないからといって心配しなくても大丈夫ですよ。
赤ちゃんに飲ませる水の量はどのくらい?

赤ちゃんに水を与えるときは、スプーン1杯程度のごく少量から始めて、徐々に量を増やしていきましょう。ミルクと同じように、冷たいものではなく常温またはぬるめの白湯を飲ませてあげてくださいね。
赤ちゃんはが初めて水を飲んだときは、いままで味わったことのない味にびっくりして全く飲まないこともあります。無理に飲ませる必要はないので、少しずつ慣れさせていきましょう。
水は哺乳瓶やストローマグに入れて飲ませます。コップ飲みができるようになると、一度にたくさんの量の水を飲めるようになりますよ。
赤ちゃんに水道水を飲ませてもいいの?

赤ちゃんの胃腸は未発達で、大人と同じ水を飲めるわけではないので、注意して飲み水を用意してあげましょう。
日本の水道水には、消毒のために投入された塩素が、残留塩素(カルキ)として含まれています。赤ちゃんの胃腸は未発達なので、水道水をそのまま飲ませると、含まれているミネラルやカルキが体の負担になってしまうといわれています。
赤ちゃんに水道水を飲ませるときは、必ず10分程度かけて煮沸をして残留塩素(カルキ)を抜き、冷ましてから与えるようにしてください。
赤ちゃんの水はミネラルウォーターのほうがいいの?

ミネラルウォーターとは、カルシウムやマグネシウムといったミネラルが含まれた水です。水に溶けているカルシウムやマグネシウムの量が多いと硬水、少ないと軟水に分類されます。
赤ちゃんがミネラル分を多く含んだ硬水を飲むと、腎臓など内臓に負担をかけてしまうリスクがあるので、ミネラルウォーターを飲ませるときは、必ず軟水を選ぶようにしましょう。
国産のミネラルウォーターはほとんどが軟水ですが、なかには加熱殺菌がされていないミネラルウォーターもあります。殺菌処理方法を確認して、念のために煮沸消毒をすると安心です。
赤ちゃんにおすすめの水は?

ベビーフードで有名な和光堂から販売されている「ベビーのじかん 赤ちゃんの純水」は、安曇野を水源にした国産の水を加熱殺菌している人気商品。
ミネラルをほとんど含まないので、粉ミルクにもおすすめです。もちろん、赤ちゃんだけでなくパパやママが飲むこともできますよ。
また、関連記事で赤ちゃん用のおすすめウォーターサーバーをご紹介していますので、あわせて参考にしてくださいね。
赤ちゃんの水は水道水やミネラルウォーターを煮沸して
赤ちゃんは母乳やミルクがしっかり飲めていれば、脱水症状や栄養失調になる心配はないので、無理に水をあげることはありません。
ただし、熱があるときやお風呂上がり、母乳やミルクの飲みが悪いときは、水を補足してあげましょう。
赤ちゃんに水を飲ませるときは、水道水やミネラルウォーターをしっかり煮沸して、人肌に冷ましたものを、少しずつ与えましょう。適切な方法で適度な量の水を飲ませながら、赤ちゃんが母乳やミルク以外のものに慣れるための練習ができるといいですね。