【赤ちゃん・新生児の白湯】いつから?与え方や作り方は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

赤ちゃんからみて祖父母にあたる世代は、「お風呂上がりには必ず白湯を与えるもの」として育児をしてきた人が多いため、赤ちゃんには白湯を飲ませた方がいいとアドバイスされたことがあるママやパパは多いかもしれませんね。しかし、産科や小児科などでは「赤ちゃんに白湯は飲ませなくていい」と指導されることもあり、混乱してしまいますよね。そこで今回は、赤ちゃん・新生児に白湯は必要なのか、作り方や与え方などをご紹介します。

赤ちゃんに白湯を飲ませる必要はある?お風呂上がりはあげるもの?

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お風呂上がりに赤ちゃんに白湯を飲ませるかどうか迷ったり、「どうして白湯を飲ませないの?」と聞かれたりしたことがあるママやパパは多いと思います。お風呂は大人でも汗をたくさんかいて喉が渇くことがあるので、なおさら赤ちゃんには水分補給をさせてあげたくなりますよね。

しかし最近は、母乳やミルクで十分に水分補給ができるため、新生児期から離乳食が始まる少し前あたりまでは「白湯を飲ませる必要はない」という考え方が広まってきています。

赤ちゃんに白湯を飲ませてはいけないわけではありませんが、水道水に含まれる成分が心配だと考える意見もあります。沸騰でカルキは抜けますが、微量な不純物を100%取り除くことはできません。早くから水道水を飲ませ続けることで、体質に影響があるという説もあります。

飲ませた方がいい・飲ませなくていいというのは、ママやパパの考えや育児方針によっても様々です。基本的には与えなくても健康に問題はありませんが、与えるときは、赤ちゃんへの必要性などをしっかり把握したうえで、判断するようにしましょう。

赤ちゃんに白湯を飲ませるのはいつから?

カレンダー 時期

赤ちゃんに白湯を飲ませる時期は、目的によって異なります。

以下に、目的別の時期と注意点を挙げるので参考にしてみてください。

水分補給のために白湯を飲ませる場合

水分補給をするために白湯を飲ませるなら、生後2ヶ月頃からがよいとされています。特に春から夏の間は、水分補給の一つとして位置づけるといいですよ。夏場のお昼寝後、お風呂上がり、暑い日に外出をして汗をかいて帰宅した後など、普段以上に汗をかいたときに白湯をあげたいですね。

授乳前や離乳食前にたくさん白湯を与えると、お腹がいっぱいになったり、満足してしまったりして、母乳やミルク、離乳食を摂らなくなってしまうことがあります。そうすると栄養が足りなくなるので、与えるタイミングを限定して、少量飲ませるようにしましょう。

風邪などで薬が処方されたときは、母乳やミルクで飲ませると薬の味が変化するので、白湯で飲ませてあげるのがおすすめですよ。

離乳食への準備として白湯を飲ませる場合

離乳食前に母乳やミルク以外の味に慣れさせるために白湯を飲ませたいときは、離乳食が始まる前の生後4~5ヶ月頃からがよいとされています。

水分補給のときと同様、お散歩やお風呂などで汗をかいた後や、おやつのタイミングで飲ませてあげましょう。初めは違和感があって口から白湯を出してしまうこともあるので、無理強いせずに毎日少量ずつ、慣れさせると良いですね。

離乳食が始まる時期は乳歯も生え始めるので、虫歯予防として母乳やミルク後、寝る前などに口内をゆすぐつもりで飲ませるケースも多いようです。

赤ちゃんの白湯の飲ませ方・量・作り方は?

やかん 煮沸 ガスコンロ 水道水

赤ちゃんに白湯を飲ませるときは、生後間もない頃は哺乳瓶を使い1回20~30ccずつ、離乳食前の赤ちゃんは50cc以下で練習も兼ねてスプーンで飲ませてみましょう。離乳食が始まったら、食事中の飲み物として同量をマグやコップで飲ませてあげると良いですね。

そもそも白湯とは、一度沸騰させたお湯を飲める程度にまで冷ましたものをいいます。いわゆる「湯冷まし」と同じものです。水道水の場合、沸騰させることでカルキが抜けるため、より美味しく感じられるようになりますよ。

以下に、白湯を簡単に作る方法をご紹介します。

やかん

水をやかんに入れ、火にかけます。沸騰してきたら火を弱め、10分程度沸騰させておきます。その後、火を止めて冷まします。ミルクの温度と同じく、人肌を目安にしましょう。

電子レンジ

マグカップなどに水を入れ、レンジ(600W)で1分半程度温め、人肌くらいになるまで冷まします。

ウォーターサーバー

ウォーターサーバーをレンタルすると、お水だけでなくお湯を使うこともできます。ミルクに使用できる成分であれば、赤ちゃんにも安心ですよ。お湯はとても熱いので、水で薄めるなど人肌に調整しましょう。

新生児や赤ちゃんの便秘に白湯が効くの?

赤ちゃん 新生児 抱っこ 親子

赤ちゃんに白湯を飲ませることは、便秘のケアにも効果的といわれています。

母乳やミルクの時期はあまり便秘にはなりませんが、離乳食がはじまって摂取する水分の量が減ってくると、便の出が悪くなることもあります。1日100~150㏄を目安に、お風呂後のタイミングなどに白湯を飲ませてあげると良いといわれています。

母乳やミルクでもかまいませんが、ミルクの場合は1日の回数が決まっていることもあるので、合間に白湯を飲ませてみるのも一つの方法ですよ。

特に離乳食が始まる生後5~6ヶ月頃の赤ちゃんは便秘になりやすいので、便の様子をみながら飲ませてあげましょう。砂糖やオリゴ糖、マルツエキスを白湯に混ぜるのも、赤ちゃんの便秘に効果的といわれています。

赤ちゃんが白湯を飲まないときはどうする?

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赤ちゃんが白湯を飲まないときは、白湯を与えなくてもいいという考えが一般的です。無理せず母乳やミルクを飲ませてあげるようにしましょう。

赤ちゃんにも好き嫌いがあるので、白湯を飲まなくても心配する必要はありません。白湯を飲ませたいと考えているなら、水分補給として飲ませる前に、味に慣れさせることを優先しましょう。まずは、本当に微量の白湯を舌に付ける程度から練習してみてください。

また、ミルクを白湯で薄めて慣れさせることはしないように注意しましょう。ミルク自体を嫌いになってしまい、飲まなくなることもあります。ミルクはミルク、白湯は白湯でしっかり分けて与えることが大切ですよ。

赤ちゃんの白湯は水分補給の一つと考えよう

赤ちゃんの白湯は、必ず飲ませなければいけないものではありません。水分補給の一つとして考え、赤ちゃんの様子をみながら離乳食と同様にゆっくり慣れさせてあげると良いですね。

白湯で水分補給をするときは、必ず水を沸騰させ、常温になるくらいまで冷ましてから与えましょう。お茶はできれば麦茶までにして、その他カフェインを多く含むもの、イオン水などの甘味があるものは、早いうちは避けるようにしたいですね。

いずれ離乳食がはじまると、白湯やお茶を飲むようになるので、薬を飲まなければいけないなどの特別な事情がない限りは、時期を急ぐ必要はありませんよ。

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