妊婦の尿蛋白が出やすい理由は?プラスマイナスって何?

記事監修 助産師 菊池 はるな
菊池 はるな 茨城県立中央看護専門学校助産学科卒業後、総合周産期センターの産婦人科・NICU勤務を経て、現在は横浜のあおのウィメンズクリニックに勤務。また世田谷のみくりキッズクリニックで母乳外来を担当しています。お... 続きを読む

妊婦健診では毎回尿検査が行われますが、この検査の目的は「尿蛋白の有無を調べること」です。尿蛋白と聞いてもあまりピンとこないかもしれませんが、妊娠中の疾患を早期発見するためにはとても重要な項目です。そこで今回は、妊娠中に尿蛋白が出やすい理由、結果に出るプラスマイナスなどの数値の見方、尿蛋白が出たときの対策についてまとめました。

尿蛋白(にょうたんぱく)とは?

めがね 本

「蛋白」は栄養素の「タンパク質」のことで、「尿蛋白」とはその名の通り「尿に含まれるタンパク質」を意味します。

通常、腎臓は血液をろ過してキレイにしてから体へ戻し、残された老廃物は尿として排泄しています。一般的に、血液の成分と一緒にタンパク質は腎臓を通過して体内に戻されるので、尿にタンパク質が混じることはほとんどありません。

しかし、腎機能が何らかの理由で低下していると、ろ過がうまくいかず、尿にタンパク質が混じってしまうことがあります。

妊婦さんは尿蛋白が出やすい理由は?原因は何?

トイレ

妊婦さんの腎臓は自分の血液に加えて、赤ちゃんの血液も一緒にろ過しており、妊娠前よりもたくさんの血液をろ過しなければなりません。

これは腎臓にとってかなりの重労働です。たくさん働くほど腎臓の機能は低下しやすくなるので、ろ過がうまくいかなくなって尿にタンパク質が混じりやすくなるのです。

運動不足や睡眠不足は、腎臓機能の低下につながることもあり、妊婦さんは注意が必要です。

妊婦健診で尿蛋白を検査する理由は?何がわかるの?

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尿蛋白が異常に出ている場合、なんらかの疾患にかかっている可能性があるため、妊婦健診では毎回、尿検査が行われます。

妊娠中は腎機能が過度に低下していないかをみるのと同時に、「妊娠高血圧症候群」の可能性を検査しています。妊娠高血圧症候群は、妊娠をきっかけに発症する高血圧で、進行すると母体の血管障害や臓器障害を起こし、場合によっては妊娠を中断せざるを得なくなる疾患です。子癇と呼ばれる痙攣発作や、出産前に胎盤が剥がれてしまう常位胎盤早期剥離などを起こすこともあります。

この妊娠高血圧症候群は、むくみや頭痛、目がチカチカする眼窩閃発(がんかせんぱつ)といった自覚症状のほか、尿蛋白が多く検出されることがわかっています。そのため、毎回の尿検査によってタンパク質が出ていないかどうかをチェックし、早期発見に役立てているのです。

尿検査の診断「プラスマイナス」「プラス」ってなに?

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妊婦健診の尿検査の結果では、尿にタンパク質が含まれていたら尿蛋白の項目に「プラス」と表記されます。「1+」「2+」「3+」「4+」と、プラスの数が増えるほど尿蛋白の量が多いことを意味します。

尿蛋白はマイナスになっているのが正常ですが、「プラスマイナス」と表記された場合は「プラスが疑われる」という意味で、1+に近い状態です。

妊娠中は妊娠していないときよりも尿蛋白が出やすいので、一度「プラスマイナス」や「1+」が出たくらいではすぐに問題になることはありません。風邪をひいているときや疲れがたまっているときにも尿蛋白は出やすくなるので、一時的に出ただけの可能性もあるからです。

その場合には、次の妊婦健診のときの尿蛋白の数値を見て判断します。2回以上尿蛋白がプラスになり、血圧も高い場合は、妊娠高血圧症候群の疑いがあります。

妊婦さんの尿蛋白が出たら?食事で改善できるの?

野菜

尿蛋白が検出され、妊娠高血圧症候群の可能性が考えられる場合は、食事や生活習慣を見直した改善が必要です。

塩分を控える

つわり中でジャンクフードが食べたくなったり、ラーメンが食べたくなったりしていませんか?妊娠初期は食べられるものを少しずつでも食べるのが大切ですが、塩分のとりすぎには注意が必要です。

塩分を摂り過ぎると尿蛋白が出やすくなるので、つわりが軽くなっったら和食中心の食事に切り替えましょう。減塩の調味料を使ったり、香辛料などを使って料理したりすることで食事の塩分を控えられます。

カロリー管理をする

妊娠中期から後期にかけては特に食欲旺盛になりやすい時期ですが、意識して体重をコントロールしましょう。日頃から体重に気をつけて、食事のカロリー管理をすることも大切です。

食べ過ぎたと思ったら、別の日は食べる量を控えるなどして、1週間のうちでカロリーのバランスをとるようにしてくださいね。

妊娠中は日頃の運動で尿蛋白予防に努めよう

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前述の通り、尿蛋白が出る要因として、運動不足による腎機能の低下も関係しています。安定期に入って体調が落ち着いてきたら、ウォーキングやストレッチなどの軽めの運動から始めて、マタニティスイミングやマタニティヨガなどにも取り組んでみてください。

妊娠中に運動をしておくのは妊娠高血圧症候群の予防だけではなく、その他のトラブル予防にもつながります。

また、出産に備えた体力づくりにもなるので継続することが大切ですよ。お腹が大きくなってくると体を動かすのが億劫になりますが、少しずつでいいので続けてくださいね。

妊娠中の尿蛋白検査でプラスが出ても心配しすぎないで

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尿蛋白検査でプラスが出たら心配になってしまいますが、妊娠中は尿蛋白が出やすいものです。一度検査でプラスになったくらいで心配しすぎる必要はありません。

しかし、妊婦健診のたびに尿蛋白がプラスになるようなら、妊娠高血圧症候群の可能性もあります。妊娠高血圧症候群になってしまうと、時期や症状によっては、帝王切開などですぐに分娩を行う必要があります。

日頃から、今回ご紹介したような予防に取り組みつつ、妊婦健診には欠かさず行くようにし、しっかりと検査を受けてくださいね。

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