赤ちゃん返りとは?いつまで続く?原因を知って対応しよう!

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

二人目の子どもができると、上の子が「赤ちゃん返り」をするという話は珍しくありません。子どもによって原因や言動もさまざまで、対応策を知っておきたい人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、赤ちゃん返りがいつまで続くのか、原因や言動の例、対応方法をご紹介します。

赤ちゃん返りとは?

子供 泣く 赤ちゃん返り

赤ちゃん返りとは、文字通り赤ちゃんの頃に戻ったような行動を取ることをいいます。

幼児期に入った子どもが今までできていたことを急に「できない」と言い出したり、おっぱいを卒業しているにもかかわらず欲しがったり、子どもによって現れる行動はさまざまです。

おねしょやおもらしをするなどの生理現象として現れる場合もあります。

赤ちゃん返りはママやパパにとっては大変と感じるかもしれませんが、子どもの発達過程においては自分の欲求を表現するという、とても大切なことでもあります。

赤ちゃん返りの原因は?

きょうだい 日本人 赤ちゃん 子供

赤ちゃん返りをする原因は、下の子の妊娠・出産が多いといわれています。

赤ちゃんのような行動に出る背景には、ママやパパと関わる時間が減ってしまう不安や、愛情を確かめたい気持ち、自分に関心を向けてほしいという気持ちなどがあると考えられます。

下の子の出産に限らず、卒乳や断乳後にどこかで授乳する姿を目にして恋しくなることや、おむつが外れて順調だと思った頃に、急にお漏らしが続くということもあるようです。

また、転園や引っ越し、災害時など、環境の変化や不安などから、過剰にストレスがかかることによって起こる場合もあります(※1)。

赤ちゃん返りはいつからいつまで続くの?

カレンダー スケジュール 期間 日程

赤ちゃん返りをする年齢としては2〜3歳が多いと言われていますが、いつからいつまで続くかどうかは、子どもによって大きな個人差があります。

弟や妹が生まれたとしても、赤ちゃん返りを全くしない子もいます。

一方で、赤ちゃん返りをする子どもの場合は、1年以上の長期間続くこともあれば、数ヶ月でいつの間にか終わっているなど期間もさまざまです。

赤ちゃん返りの言動の例は?

子供 赤ちゃん返り 女の子

ここでは、赤ちゃん返りの言動の例をご紹介します。

赤ちゃん返りの言動の例

● 急に機嫌が悪くなり、物を投げるなど暴力的になる
● 自分の身の回りのことができなくなる
● 挨拶が疎かになる
● ママやパパから離れようとしない、抱っこをせがむ
● トイレトレーニング中なのに下の子のおむつをしたがる
● 進んでいたトイレトレーニングが振り出しに戻る
● イライラしたり、わがままを言う
● 下の子を授乳していると、おっぱいを欲しがる
● 外出中に下の子が乗っているベビーカーに乗りたがる
● 寝かしつけをママかパパしか受け付けなくなる
● ママやパパが誰かと会話していると遮って自分の話をしたがる

上記以外にも言動はさまざまです。ときには癇癪を起こす子もいますが、自分では何とかしたい、ママやパパを困らせたくないと葛藤しながら、怒られてでも相手にして欲しいという思いがあるようです。

赤ちゃん返りの対応方法は?

ママ 女の子 遊ぶ 公園

赤ちゃん返りの対応方法は、その行動の意味を理解してあげることが一番です。

下の子の出産が原因の場合、赤ちゃんのお世話をしながら上の子の対応をするのは大変ですが、その都度「寂しいんだな」「話を聞いて欲しいんだな」と理解を示し向き合うことで、赤ちゃん返りが短期間で終わることもあります。

「もうお兄ちゃん・お姉ちゃんなんだから」と役割を押し付けるのではなく、今までどおりはじめてできたことを見逃さずに褒めてあげてくださいね。

パートナーや家族と協力しながら、親子2人きりの時間を意識的に増やすことも効果的ですよ。

また、赤ちゃんのお世話を一緒にしたり、簡単なお手伝いをお願いしたりすることで、下の子を受け入れることができ、上の子としての自覚や自信が芽生えるということもあるようです。

赤ちゃん返りは少しの意識が大切

赤ちゃん返りと付き合うには、ママもパパも冷静でいることが大切です。理不尽なことをされても、上の子を叱ったり「お兄ちゃんでしょう」「恥ずかしいよ」といった言葉をかけたりすることは、赤ちゃん返りを悪化させる原因になりかねません。

子どもの言動に応じてしっかりと愛情を示し、根気よく向き合ってあげるようにしましょう。「今日は何が楽しかった?」など、ちょっとした日々の声かけでも、子どもは自分にも興味を持ってくれているんだということを感じますよ。

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