そろそろ第二次性徴を迎える子供がいるママやパパは、子供の心や体がどのように変化するのか、不安が大きいのではないでしょうか。そこで今回は、第二次性徴が始まる順番や年齢を、男子・女子別にご説明します。
第二次性徴とは?
「第二次性徴期」の始まりから終わりまでを、一般的に「思春期」と呼びます。
第二次性徴での一番の変化は、生殖能力を持つことです。子供から大人へ、心と体がともに変わっていくとても大切な時期です。
第一次性徴は、生まれてすぐにわかる男女の性器に見られる特徴をいいます。具体的には、男子の外性器である精巣や陰茎、女子の外性器や子宮です。
第二次性徴は形だけの差ではなく、生殖能力も含めた、体の各部分に現れる性的な特徴を指します(※1)。
第二次性徴の特徴は?男子・女子で違うの?
思春期になると脳の指令によって、「性腺刺激ホルモン」が分泌されるようになり、男子・女子それぞれ下記のような特徴が見られます(※1)。
男子の第二次性徴の特徴は?
性腺刺激ホルモンが精巣に働きかけ、精巣から男性ホルモン(テストステロンなど)が分泌されるようになります。
男性ホルモンは血液と一緒に全身をめぐり、体が変化していきます。具体的には、陰嚢の膨らみや、陰毛が生えることによって、男性としての性徴を実感します。
女子の第二次性徴の特徴は?
性腺刺激ホルモンが卵巣に働きかけ、卵巣から女性ホルモン(エストロゲンなど)が分泌されるようになります。
男子と同様、女性ホルモンは血液と一緒に全身をめぐり、体の各部が変化していきます。女子は乳房が膨らんだり、陰毛やわき毛が生えてきたりすることで、女性としての性徴を実感します。
男子・女子に共通の第二次性徴は?
自分の体に起きる急激な変化に戸惑い、それまでは気にならなかった些細なことにカッとするなど、自分でもコントロールできないイライラが現れます(※2)。
いわゆる「反抗期」も、第二次性徴期に起きる大きな変化の一つです。
このイライラによって大人と衝突したり、悩んだりすることで、子供たちは「自我」を確立していきます。
第二次性徴が始まる年齢は?男子・女子で違う?
第二次性徴が始まる時期には、男子・女子でわずかな違いがあります(※2)。
- 男子:12〜14歳頃
- 女子:10〜14歳頃
第二次性徴が始まる時期や発達の度合いなどには個人差があるので、あまり神経質になりすぎないようにしましょう。
また、第二次性徴が始まってから急速に発育する子もいれば、緩やかに発育する子もいて、ペースにも個人差があります。
【男子・女子別】第二次性徴が現れる順番は?
子供の第二次性徴を見守るうえで、どんな順番で、どんな変化が起きるのか気になりますよね。
個人差はありますが、次のような順番で第二次性徴の変化が見られることが一般的です。
順番 | 男子 | 女子 |
---|---|---|
順番1 | 精巣(睾丸)の増大・陰嚢の変色 | 乳房の発達 |
順番2 | 陰茎が長く大きくなる | 性器の発達 |
順番3 | 陰毛が生える | 陰毛が生える |
順番4 | 精通の発生 | 初潮がくる |
順番5 | 声変わり | わき毛が生える |
順番6 | わき毛、髭が生え、乳輪の面積が若干広くなり、乳頭と共に茶色や黒色に変色する | 皮下脂肪が増える |
順番7 | 包皮の後退、陰嚢・包皮が黒みを帯びてくる | 骨盤が発達し、お尻がふっくらと膨らんで丸みを帯びていく |
順番8 | 肩幅が広くなる | ウエストにくびれができる |
順番9 | 筋肉の発達 | 声変わり(男子ほど著明ではない) |
順番10 | 顔面の変化 | 顔面の変化 |
順番11 | 体臭の発生 | 体臭の発生 |
【男子・女子別】第二次性徴で身長は何歳でどう伸びる?
先にもご紹介した通り、男子より、女子のほうが先に第二次性徴が始まります。
そのため10〜12歳では、男子よりも女子のほうが平均身長が高くなります。
異性と比較して、自分の身長が高い・低いということを子供が気にしていたら、「成長が始まる年齢が男の子と女の子で違うんだよ」と教えてあげてくださいね。
日本産婦人科学会の平成20年度の調査によると、年齢別の男女の身長の平均身長は次の通りです(※3)。
年齢 | 男子の身長(cm) | 女子の身長(cm) |
---|---|---|
5歳 | 110.8 | 109.8 |
6歳 | 116.7 | 115.8 |
7歳 | 122.5 | 121.7 |
8歳 | 128.2 | 127.5 |
9歳 | 133.7 | 133.6 |
10歳 | 138.9 | 140.3 |
11歳 | 145.3 | 146.8 |
12歳 | 152.6 | 152.1 |
13歳 | 159.8 | 155.1 |
14歳 | 165.4 | 156.6 |
15歳 | 168.3 | 157.3 |
16歳 | 170.0 | 157.7 |
17歳 | 170.7 | 158.0 |
第二次性徴が早い・遅い場合は病院を受診するべき?
第二次性徴は子供が順調に発育している証ですが、次のようなときには注意が必要です(※4)。
注意が必要な男子の第二次性徴
- 9歳までに精巣(睾丸)が発育する
- 10歳までに陰毛が生える
- 11歳までにわき毛が生えたり、声変わりをする
注意が必要な女子の第二次性徴
- 7歳6ヶ月までに乳房がふくらみはじめる
- 8歳までに陰毛が生える
- 9歳までに生理が始まる
この場合には、早期に体が完成してしまい、最終的には低身長になる「思春期早発症」と診断されることがあります。女の子のほうが多い傾向にあります。
思春期早発症と診断されたら、精巣や卵巣を刺激するホルモンの分泌を抑える治療を行い、成長をコントロールすることが一般的です。
稀に、脳などに病気が隠れていることもあります。気になる変化が見られたら、かかりつけ医から小児内分泌科のある病院を紹介してもらいましょう。
逆に、下記の場合は「思春期遅発症」の可能性があります。これらの症状が見られたときも、病院を受診しましょう。
男子の場合
- 14歳までに精巣(睾丸)が大きくならない
- 15歳までに陰毛が生えない
女子の場合
- 13歳までに乳房が膨らまない
- 乳房が膨らんでから、初潮がくるまでに5年以上かかる
- 16歳までに初潮がこない
子供の第二次性徴、親の注意点は?
第二次性徴では、子供の体や心に大きな変化が起こります。このときに特に気をつけたいのが、生殖能力を持ったことに対して、子供の心の成長がまだ追いついていないことが多いということです。
そのため、性について、ママやパパから伝えなくてはいけないこともあります。
例えば男の子には、異性と性行為をすることには責任が伴うということをしっかり話さなければなりません。
女の子には、自分の身を守る大切さを伝えていく必要があります。
性に対して恥じらいがある頃なので、男の子にはパパから、女の子にはママから話すほうがスムーズです。
今の子供は、インターネットなどで性に関する情報に簡単に触れることができます。性行為について親としての考えがあるのなら、それらに触れる前に、子供にはっきり伝えることも大切ですよ。
第二次性徴は個人差が大きいので、子供一人ひとりにあわせて
第二次性徴が始まる年齢や順番、変化の度合いにも個人差があります。
しかし、周りの目が気になる頃なので友達と比較し、自分の成長を気にしてしまう子供も多いようです。
子供が気にしている様子があれば「ちょっと遅いだけだよ」「みんなそういう時期がくるんだよ」と、話しかけてあげてください。
ただし、恥じらいがある頃なので、自分の悩みを親に気取られるのを嫌がる子供もいます。子供の性格や様子に合わせて対応してくださいね。