0歳へのNGな叱り方10選!感情的に怒りすぎてはいませんか?

監修専門家 臨床心理士 帆足 暁子
帆足 暁子 公認心理師、臨床心理士、保育士資格、幼稚園教諭一種免許を取得。専門は乳幼児発達臨床心理学、保育臨床、子育て相談、子どものメンタルヘルス。ほあしこどもクリニック副院長として、約20年間子育て相談やこころ... 監修記事一覧へ

まだ言葉の分からない0歳の赤ちゃんを、どのように叱ったらいいのか悩んでいるママは多いかもしれません。

そこで今回は0歳児への叱り方について、これだけは意識してほしい10の注意点をご紹介します。

0歳の赤ちゃんを叱ってもいいの?

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そもそも0歳の赤ちゃんに一番大切なのは、生理的な不快を取り除き、気持ちに寄り添い安心させてあげること。0歳のうちは、親子の信頼関係を築くことが最も大切だとされています。

何があっても味方であるはずのママやパパに怒鳴られたり叱られたりすると、赤ちゃんは強い不安を感じ、脳にストレスがかかります。

脳が育つ0〜1歳の頃にストレスがかかり続けると、赤ちゃんの脳や心の発達に悪い影響を与えてしまうことに(※1)。

基本的に、しつけ目的で叱る必要はありません。

ただし本当に危険なときは、「ダメだよ」ときちんと伝えましょう。

つい厳しく叱ってしまうこともあるかもしれませんが、これだけは意識してほしい、0歳へのNGな叱り方を10個ご紹介します。

NGな叱り方1. 感情的に叱る

まだ言葉は分からなくても、赤ちゃんはママの声や表情から様々なことを感じ取ります。

大きな声を出したり泣いたりしながら感情的に叱ると、赤ちゃんは恐怖や不安を感じ、ママに嫌われたと思ってしまいます。

ポイント

離乳食を食べなかったり、同じいたずらを繰り返したりするのは、決してママを困らせようとしているわけではありませんよ!

NGな叱り方2. 子どもの気持ちに共感せず一方的に叱る

いたずらをしたり、癇癪を起こしたり、子どもの行動や主張には必ずその子なりの理由があります。

一方的に叱られると「ママは自分の気持ちを受け止めてくれないんだ」と、ママへの信頼が揺らぐので、必ず「ほしかったね」「できなくて悔しいね」など、まずは共感する声かけをしてあげてくださいね。

ポイント

「何と声をかけたらいいのだろう…」と悩んだら、ぎゅっと抱きしめてあげるだけでもOKです!

NGな叱り方3. 理由を言わず頭ごなしに叱る

「どうせ言葉で言っても伝わらないから…」と理由も伝えず、ただ急に「ダメ!」とだけ言うと、子どもは動揺し不安感を覚えます。

なぜだめなのか、叱っている理由を短く伝えてあげてください。すぐには理解できませんが、繰り返し続けていくことが大切です。

ポイント

理由を伝えようとすることでママも一旦落ち着けるので、感情的になりすぎるのを防げますよ。

NGな叱り方4. 叱る基準が毎回異なり、気まぐれで叱る

赤ちゃんに対して気まぐれな対応をすると、ママとの信頼関係を築くことが難しくなると言われています。

「かまってくれたと思ったら急に怒る」「同じことをしても前は叱らなかったのに今回は叱る」といったことを繰り返すと、赤ちゃんは常に不安感を抱くことになります。

ポイント

カッとなって叱りそうになったら、一旦深呼吸!

NGな叱り方5. 脅すような言葉で叱る

まだ言葉の意味が分からなくても、赤ちゃんはママの表情や声のトーンから恐怖を感じ取ります。「どうせ分からないから何を言ってもいい」わけではないのです。

わがままが増えると、つい「言うことを聞けない子は嫌い」「いたずらすると鬼がくる」など脅すような言葉を言ってしまいがちですが、子どもとの信頼関係を損なう可能性があるのでやめましょう。

ポイント

赤ちゃんのことも1人の「人」として、言葉を選ぶようにしてくださいね。

NGな叱り方6. ガミガミねちねち長く叱る

叱り方の基本は「短く・分かりやすく」です。

大人だって、ガミガミ長く叱られるのは嫌ではありませんか?それは赤ちゃんも同じ。叱るときは、短い言葉で言い聞かせるだけで十分ですよ。

ポイント

長く叱っていると怒りがエスカレートします。叱る時は10秒以内を目安にしてみましょう。

NGな叱り方7. 子どもの目を見ずに叱る

赤ちゃんはママの表情、特に目を見てたくさんのことを読み取っています。

本当に危ないときやお友達との関わり方で注意する場合も、ただ「ダメ」と言い放つのではなく、目を見てしっかり伝えてあげましょう。

ポイント

ママの真剣な目を見て、赤ちゃんは叱られていることを感じ取りますよ。

NGな叱り方8. 本当に危険なときにも笑顔で叱る

本当に危険なときは、0歳の子でもきちんと叱ることが大切です。ただし、きつい言葉で叱ったり、怒ってる様子を見せる必要はありません。

言葉が分からなくても、ママの声や表情、にじみでる空気感からママの本気度を理解しますよ。

ポイント

赤ちゃんを危険から守るために、何が危険なのかママがきちんと教えてあげてください。

NGな叱り方9. 叱ったあともひきずる

前述のように危険な場面で「ダメ!」と叱ったあとは、それで終わりにしてすぐ切り替えましょう。

叱ったことをひきずらず穏やかに接することで、赤ちゃんはママに嫌われたと思わずに「危険な場面」と「ダメ」をセットで記憶します。

ポイント

きちんと切り替えることで、赤ちゃんは安心してママの伝えたいことを理解できますよ。

NGな叱り方10. 行動に対してではなく、子ども自身に対して怒る

赤ちゃんの成長に伴っていたずらも増えると思いますが、その「行動」がダメなのであって、いたずらをしている「子ども自身」がダメなのではありません。

注意するときには「やっている行動がダメだよ」と伝えるようにしてください。

ポイント

いたずらは子どもの知的好奇心のあらわれ。本当にダメなことは少ないですよ。

感情的に叱ってしまったら抱きしめてあげて

最近の研究では、脳が傷ついてしまっても、早くに適切なケアをすれば回復することが分かっています(※1)。

もしNGな叱り方をしてしまったら、「ごめんね」と赤ちゃんをぎゅっと抱きしめて、安心させてあげてください。

0歳の頃に赤ちゃんと信頼関係を築けると、その後のしつけもスムーズにいくと言われています。今はできる限り、赤ちゃんに寄り添うことを大切にしてくださいね。

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