あせもと聞くと、かゆくて赤いブツブツをイメージするかもしれませんが、小さな水ぶくれができる「水晶様汗疹」という種類のあせももあります。それでは、水晶様汗疹にはどのように対処すれば良いのでしょうか?今回は水晶様汗疹について、原因や症状、治療法、予防法などをご紹介します。
水晶様汗疹とは?どんな症状が出るの?
水晶様汗疹とは、皮膚の表面に近い部分にある角質層に汗が溜まってできる皮膚の疾患です。赤いブツブツができる一般的なあせもの「紅色汗疹」とは異なり、小さい水疱ができるのが特徴です。
皮膚に1~3mmほどの透明もしくは白っぽい水ぶくれが密集してできていたら、水晶様汗疹の疑いがあります。ただし、紅色汗疹のようなかゆみを伴わないので、気がつかないうちに発症して、いつの間にか治っていることもあります。
水晶様汗疹の原因は?
皮膚には汗腺と呼ばれる汗を分泌する腺があり、そこから分泌された汗は、汗管を通って皮膚表面にある「汗孔(かんこう)」と呼ばれる出口から流れ出ます。
しかし、真夏や、風邪で発熱したときに、大量の汗をかくと、汗が皮膚の中に溜まってしまいます。すると、汗が汗管の周りの組織に漏れ出し、汗に含まれる塩分が結晶のようになることで、水晶様汗疹ができるのです。
新陳代謝が活発で、体温調整のために汗をかきやすい乳幼児は、水晶様汗疹になりやすい傾向にあります(※1)。
水晶様汗疹の診断・治療法は?
水晶様汗疹の診断は、基本的に視診によって行われます。
水晶様汗疹は特別な治療を必要とせず、2~3日もすれば、皮膚が細かく剥がれて自然に治まります(※2)。かゆみがないので、紅色汗疹のようにかき壊して悪化してしまうことも、ほとんどありません。
ただし、汗をかいたらタオルで拭き取ったり、シャワーで洗い落としたりして、肌を清潔に保っておかないと、再発を繰り返す恐れがあるので、こまめなスキンケアを心がけてください。
スキンケアをしているにも関わらず、発症から3日以上経っても症状が一向に良くならない場合は、念のため皮膚科で診てもらいましょう。
水晶様汗疹の予防法は?
水晶様汗疹を予防するには、以下のことを心がけてください。
汗はすぐに拭き取る・洗い流す
汗をかいたまま放置すると、皮膚の表面に汗が溜まりやすくなります。
たくさん汗をかいたときは、清潔なタオルやガーゼなどでこまめに体を拭き、下着をこまめに替えてください。力を入れてゴシゴシ拭くと皮膚が傷ついてしまうので、皮膚の表面を優しく押さえるようにして拭きましょう。
体を拭く代わりに、シャワーで汗を洗い流しても構いません。ただし、シャワーで洗い流すたびに石鹸で体を洗っていると、皮膚に負担がかかってしまうので、石鹸で洗うのは1日1回程度にとどめておきましょう。
通気性・吸湿性のいい衣類を着せる
子供は普段からたくさんの汗をかいているので、通気性や吸湿性に優れた綿や麻の衣類を選びましょう。肌着も春夏と秋冬で分けて使うといいですね。
また、たくさん汗をかいたときは、1日2~3回以上着替えさせることも大切です。
部屋を適温にする
部屋の温度は、夏であれば26〜27度程度に、冬であれば室内が寒いと感じたときは21度程度に設定して暖房をつけます(※1)。
エアコンの風は、赤ちゃんに直接当たらないように向きを調整しましょう。
あせも対策グッズを使う
一日中寝て過ごす赤ちゃんは背中に汗をかきやすいので、服の下に汗取りパッドを入れてあげるのがおすすめです。特に6月〜9月の時期は気をつけてあげてください。
また、ベビーカーの背もたれ部分にタオルやガーゼを敷いて、こまめに取り換えてあげると、水晶様汗疹予防につながります。
水晶様汗疹はこまめなケアで予防しよう
新陳代謝が活発な子供は、遊び回ったり、昼寝をしたりするだけでたくさんの汗をかくので、子供が汗をかいていることに気づいたら、すぐに汗を拭き取ったり、シャワーで洗い流したりしてあげましょう。
汗をかくたびに拭いたり着替えさせたりするのは、面倒に感じるかもしれません。洗濯物も増えて、ママは大変ですよね。
ただ、こまめなケアは、水晶様汗疹だけでなく、かゆみを伴う紅色汗疹の予防にもなります。子供の快適な日々のために、根気強くスキンケアを行っていきましょう。