毎月来る生理の時期に、生理痛や体調不良に悩まされる人は多くいます。マッサージをしたら解消するような気もするけど、そもそも生理中にマッサージを受けてもいいのか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。今回は、生理中にマッサージをしてもいいのか、マッサージを受けるときの注意点、セルフマッサージの方法をご紹介します。
生理中の女性の体の状態は?
生理期間とは、不要になった子宮内膜を体外に排出する時期のことです。子宮が収縮して、血液が子宮周辺に集まるため、手足の末端が冷えやすく、全身の血行も悪くなっています。特に元々体が冷えやすい人は、生理痛が悪化しやすくなります。
生理痛の感じ方や程度には個人差があり、腹痛や腰痛、頭痛、吐き気といった症状が現れます。代謝も落ちているため、便秘や下痢、頭痛、むくみなども起きやすくなります。
生理痛が起きる仕組みと原因は?
生理痛は、厚くなった子宮内膜がはがれ落ちるときに、内膜からプロスタグランジンが分泌されることで起こります(※1)。プロスタグランジンとは、体内の様々な器官や組織に存在する、ホルモンに似た働きをする物質で、痛みを感じやすくさせたり、血管を収縮させる作用があります。
筋肉でできている子宮は、体が冷えると収縮しにくくなり、プロスタグランジンが過剰に分泌されるようになります。子宮の収縮が起きにくい人ほど、プロスタグランジンの分泌量が増え、生理痛がひどくなりやすいのです。
プロスタグランジンの分泌量を増やさないためには、体を冷やさないようにすることが大切です。
生理中にマッサージをしてもいい?生理痛に効くの?
このように、生理中は、冷えによる生理痛や不快症状が起きやすいため、マッサージを受けて症状を和らげたくなりますよね。マッサージを受けると、血行が良くなって体が温まるので、生理痛が楽になるような気がするのではないでしょうか。
実際に、生理中の痛みや肩こり、むくみといった症状は、代謝が落ちていることによって起こるため、その緩和方法の一つとして、マッサージで血流を改善することは良いと考えられています。
しかし、一方で、「生理中は経血を排出するために骨盤や靭帯がゆるんでいて、強いマッサージを受けると身体のゆがみが生じる可能性がある」「生理中は肌が敏感になっているため、オイルなどを使ったマッサージは肌荒れを起こすことがある」といった理由で、マッサージは受けないほうがいいという考えもあります。
マッサージと一言でいっても、その種類はさまざまで、そもそも生理中の施術を受け付けていないお店もあります。生理中の体調にも個人差があるため、判断に迷ったら、事前にお店に相談してくださいね。
生理中に避けるべきマッサージは?リンパマッサージはOK?
生理中に避けたいマッサージに明確な決まりはありませんが、マッサージの種類によっては、注意が必要なものがあります。
リンパマッサージを生理中に行うと、血行が良くなりすぎて出血量が増えることがあるので、注意しましょう。また、生理中は肌がいつもよりも敏感になっているため、エステやスパで施術を受けると、かえって肌荒れしてしまうこともあります。
前述の通り、生理中にマッサージを受けるときは、自分の体調をみながら、お店に相談しておくと安心です。
生理痛を緩和させるセルフマッサージは?
生理中にお店でマッサージの施術を受けることには抵抗があるけど、マッサージで症状を緩和させたいという人は、自宅でできるマッサージを試してみましょう。
血行を改善する効果が期待できるのは、お腹のマッサージです。おへその下あたりを円を描くように軽くマッサージしたり、座った体勢でくるぶしから腰骨のあたりまでの足の外側を手の平でなでたりすると、血行が促進されます。
うつ伏せに寝て、家族に腰のあたりを軽くゆっくりと押してもらう方法もおすすめですよ。
足の指、足首をよく動かしてみたり、指の間や足首周りをマッサージしてあげるのも良いですね。
生理中のマッサージは自分の体とよく相談しよう
生理中の不快な症状は、マッサージで解消したくなるものですが、受ける施術によっては、かえって体に負担をかけてしまう可能性があります。
もともと生理中は代謝が落ちているため、静かに体を休めたほうが良い時期です。自分の体とよく向き合って、施術を受けるかどうか判断しましょう。マッサージの種類を選んだり、お店に相談したりすることが大切です。
まずは、自宅でのセルフマッサージから始めてみるのもおすすめです。生理痛に効くツボもあるので、自分にあった解消法を取り入れて、少しでも痛みが和らぐといいですね。