生理痛には下腹部痛や頭痛など様々な症状がありますが、なかでも腰痛に悩まされる人は多いのではないでしょうか?腰の痛みがひどいと日常生活に支障をきたすこともあるので、つらいですよね。
そこで今回は、生理で腰痛がひどい場合について、原因や緩和方法、薬が効くのかなどをご説明します。
生理痛で腰痛が起こる原因は?
生理痛は、子宮収縮を促して経血の排出をスムーズにする働きがある物質「プロスタグランジン」によって引き起こされます。(※1)。
プロスタグランジンは基本的に子宮内膜が剥がれ落ちるときに作られますが、分泌量が多いと子宮の収縮が強くなり、腰や下腹部の痛みにつながりやすくなります。
痛みを強める作用もあるので、もともと腰痛持ちの人は、生理のときに痛みが悪化することもあります。
また、血管を収縮させる働きもあるため、生理中は体が冷えて血行が悪くなる人も。血行不良によって経血がスムーズに排出されないと、もっと子宮を収縮させようとプロスタグランジンの分泌が増えてしまい、さらに痛みを感じやすくなります。
生理で腰痛がひどいと病気の可能性もある?
生理で腰痛が現れるのはよくあることですが、痛みがあまりにもひどいときは以下のような病気の可能性が疑われる場合もあります。
子宮内膜症
子宮内膜症は、本来子宮のなかにしかないはずの子宮内膜の組織が、卵巣や卵管などにできてしまう病気です(※2)。ひどい生理痛や、生理のとき以外の下腹部痛といった症状が特徴的ですが、腰痛に悩まされる人も多いです。
腰痛や下腹部痛以外にも排便痛がある、経血がレバー状にどろっと出る、経血量が多いなどの症状があったら、早めに婦人科を受診しましょう。軽度であれば、低用量ピルなどで症状を緩和してもらえますよ。
子宮筋腫
子宮筋腫は、30歳以上のの女性の20~30%に存在するといわれている良性の筋腫です(※3) 。主な症状は、生理中の経血量の増加や腹痛ですが、腰痛を伴うことも多くあります。
子宮筋腫は基本的に良性なので、筋腫が小さくて無症状の場合は経過観察になることもあります。筋腫が大きいときや症状が強いときは手術で取り除きます。薬による治療も一般的で、痛み止めや低用量ピルなどが使われます。
生理痛による腰痛を緩和する方法は?
腰痛の原因が婦人科系の病気の場合は、治療を受けることが最優先です。それ以外の場合は、下記のような方法を試してみると腰痛が緩和されることもありますよ。
冷え対策をして血行を改善する
冷えが原因で腰痛が起きている場合は、冷え対策をして血の巡りをよくすると、痛みがやわらぐことがあります。腹巻やカイロでお腹周りを温める、冷たい飲み物は控えて温かい飲み物を飲む、といったことを心がけるといいでしょう。
また、体を締めつける服を避ける、軽い運動やストレッチをするなど、血行不良にならないように普段から気をつけておくことも大切です。
ツボ押し
ツボを押すことで、血行が改善されたり、痛みが緩和されたりすることがあります。
例えば、ひざを伸ばしたときにへこむ足の内側部分から、指3本上にある「血海」は、血行改善に作用するとされています。
内くるぶしから指4本上にある「三陰交」は腰痛や冷えに、腰骨の延長線上の背骨あたりにある「腰陽関」は腰痛に効果が期待できるといわれています。
ツボを押すときは、指の腹を使って、気持ちよく感じるくらいの程よい力で押すことを意識しましょう。
体をしっかり休める
生理中に腰痛がつらいときは、ゆっくり休むことも大切です。
仕事や家事、育児などで同じ姿勢でいる時間が長くなると痛みが増すこともあるので、適度に休憩をしましょう。ほんの少しでも横になるだけでも、腰痛が楽になるはずですよ。
疲れや寝不足、ストレスなどが溜まると、生理中の不調がひどくなることもあります。日頃から無理はせず、体を休めたり気分転換したりする習慣をつけられるといいですね。
生理痛で腰痛がひどいときに薬は使える?
生理で腰痛がつらくても薬はできるだけ服用したくない人もいるかもしれませんが、我慢しすぎるとストレスや不安が増して、かえって症状が悪化することもあります。痛みがひどいときは、市販の鎮痛剤を服用するのも一つの方法ですよ。
機能性月経困難症や過多月経によって腰痛が起きている場合は、それぞれの原因に適した薬を処方してもらえることもあるので、婦人科を受診しましょう。
生理で腰痛がひどいときは婦人科を受診しよう
生理による腰痛がひどいときは、機能性月経困難症や婦人科系の病気を起こしていることもあるので、早めに婦人科を受診してください。
生理は毎月のことなので、痛みがあるときは対処法や治療法を探して、うまく付き合っていけるといいですね。