水虫というと、大人がかかる病気というイメージがあるかもしれませんが、実は子供も水虫にかかることがあります。それでは、子供に水虫ができた場合、大人の水虫とは対処法が異なるのでしょうか?今回は子供の水虫について、原因や症状、治療法、予防法などをご紹介します。
子供の水虫とは?原因は?
水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビが皮膚に寄生することで起こる病気で、医学的には「白癬」といわれます。何らかの形で皮膚に白癬菌が付着し、高温多湿の環境のもと、そのまま放置していると、白癬菌が繁殖して発症します。
白癬が足にできると水虫といわれます。股にできると俗にインキンタムシといわれ、他にも手や顔など、体のいろいろなところにできます(※1)。
子供の水虫の感染経路は?
子供が水虫になる原因の多くは、家庭内感染です。水虫を持っている家族が歩いたバスマットや畳に触れたり、スリッパや靴下を共用したりして、子供に水虫がうつります。
また、プールや銭湯、スポーツジムなどの更衣室の床や足拭きマット、トイレのサンダルなど不特定多数の人が裸足で使うものから、白癬菌が付着し、水虫を発症することもあります。
しかし、ここで注意しておきたいのは、白癬菌が付着したら、必ず水虫を発症させるわけではないということです。白癬菌が付着しても、好発部位である足の指の間を石鹸でしっかり洗えば、水虫が発症することはほとんどありません。
高温多湿の状態で白癬菌が付いたままにしていると、白癬菌が繁殖して水虫になる可能性があります。
子供の水虫の症状とは?
白癬の症状は、体のどこにできるかによって異なります。場所別の症状は、主に以下の通りです。
足白癬(水虫)
足の指の間や土踏まず、かかとなどに白癬菌が寄生して起こります。足の指の間にできる水虫は、赤くなってジュクジュクしたり、白くふやけたりします。
土踏まずや足の側面が水虫になると、小さな水疱ができ、時間が経つと皮がむけてきます。足の裏やかかとで水虫が発症すると、足の裏全体の角質が厚く硬くなります。
爪白癬
白癬菌が爪の中へと侵入し、発症します。爪が白っぽくなりますが、痛みやかゆみを感じることはあまりありません。
頭部白癬
いわゆる「しらくも」と呼ばれる皮膚病で、楕円形に髪の毛が抜けてフケのような細かい皮膚の剥がれがあります。しかし痒みなどはありません。戦前はよく見られたものの、現在はほとんど症例がありません。
手白癬
手の皮膚に白癬菌が寄生すると起こります。足にできた水虫を手で触って、そのまま放置することで発症するケースが多いとされています。
手白癬になると、基本的に手の表面がカサカサになりますが、ブツブツの小さな水疱ができることもあります。
子供の水虫の診断方法・治療法は?
足や手に異変が見られて「何かおかしい」と感じたら、自己判断せず、皮膚科を受診して水虫かどうかを診断してもらいましょう。
病院では、白癬菌が寄生していると思われる皮膚の角質や爪の一部をピンセットやハサミなどで採取し、顕微鏡で白癬菌がいるかどうかを見て、水虫の診断を行います(※1)。
検査によって水虫と診断された場合は、塗り薬もしくは飲み薬、またそれらを併用して治療を行います。ただし、子供の場合は安全性が確立していないため、塗り薬だけの治療になります。
水虫は、白癬菌が全滅するまで薬を使い続けないと、残った白癬菌が後に増殖して、再発してしまいます。症状が良くなっても、医師から完治したと診断されるまでは、きちんと薬を使い続けましょう。治療には2〜3ヶ月くらいかかります。
子供の水虫は市販の薬で対処してもいい?
原因に合った市販の水虫の薬を使えば、ある程度の治療効果を期待できます。しかし、素人の目では水虫と見分けがつきにくい皮膚の病気はたくさんあり、自己判断で買ってしまうと間違った薬を使ってしまう恐れがあります(※1)。
子供に水虫が起きていると思われるときは、皮膚科医師にきちんと診てもらい、症状に合った薬を処方してもらうようにしましょう。
子供の水虫の予防法は?
白癬菌は湿度が高いところに放置されると増殖し、水虫を発症させます。体をきれいにし、適度に乾燥させることが水虫予防につながります。
具体的には、主に以下のようなことを日常生活のなかで心がけましょう。
体を丁寧に洗う
お風呂では、石鹸をしっかり泡立てて体を丁寧に洗いましょう。水虫になりやすい足の指の間も忘れずに洗い、体を洗った後は指の間まできちんとタオルで拭いてください。
生活環境を清潔に保つ
バスマットやスリッパなど家族が共用するものは、こまめに洗濯しましょう。床掃除を行って、素足で触れるところを清潔にしておくことも大切です。
毎日履く靴に気をつける
着用する靴は、通気性の良いものにしましょう。また、数足の靴をローテーションで毎日履き替えることも、靴の蒸れを防止し、水虫の予防につながります。
子供の水虫は清潔と乾燥で予防しよう
集団生活をしていれば、白癬菌への感染を完全に予防することは難しいもの。しかし、「清潔」と「乾燥」を意識しておけば、水虫を予防できる確率は上がります。
入浴時はしっかり体を洗い、お風呂から上がったら、体の隅々までタオルで丁寧に拭きましょう。毎日のちょっとした習慣を心がけ、子供を水虫から守ってあげてくださいね。