子供の口臭の原因と対処法!2歳・3歳の口がくさいときはどうする?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

子供の口がくさかったり、嫌な臭いがしたりすると、気になりますよね。「もしかしたら病気が原因なのでは?」と心配になることもあるかと思います。それでは、子供の口臭には、どのように対処すれば良いのでしょうか?今回は、子供の口臭について、原因や対処法、病院に行く目安、2・3歳でも口がくさいことはあるのかなどをご紹介します。

子供の口臭とは?2・3歳でもくさいときがある?

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口臭とは、口から発せられる悪臭のことで、吐く息をかいで他人が不快に感じれば、それは口臭だと判断されます。

子供の口臭は、普段お世話をしている親が気づくケースや、一緒に遊んでいる保育園や幼稚園、学校の友達が気づくケースがあります。口の中の健康維持もあわせて、早めに対処してあげることが大切です。

口臭が気になり始める年齢は様々ですが、早いと離乳食が始まる生後5〜6ヶ月頃から口臭が出るので、2・3歳の子供に口臭が現れることも珍しくありません。

子供の口臭の原因と対処法は?

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子供の口臭が発生する原因は、いくつかあります。原因をきちんと突き止め、それに合った対処法をとることが、口臭を効果的に改善するポイントです。

歯や舌の汚れ

不十分な歯磨きによって、子供の口臭が発生することがあります。

歯磨きがきちんと行われていないと、口の中に食べ物のカスが残り、口臭の原因となる口腔内細菌が繁殖してしまいます。また、舌に残る食べ物のカスも細菌の増殖を引き起こします。

2・3歳頃の子供は歯磨きを嫌がることも多いため、特に食べ物のカスが口の中に残りがちです。

対処法

虫歯予防のためにも、毎日の歯磨きを見直しましょう。

子供が一人で磨いただけでは磨き残しがあるので、小学校低学年までは、ママやパパが仕上げの歯磨きをしてあげましょう。その際に、歯間ブラシやデンタルフロスを利用して、歯間の汚れも取ってあげてください。

歯磨きの仕方を子供にどう教えればいいのか分からないときは、歯医者を受診して、正しい歯磨きの仕方を指導してもらいましょう。年に2回くらい、定期的に歯科を受診するのもおすすめです。

舌についた汚れは、濡らしたガーゼで優しくなぞって取り除いてあげてください。

また、糖分を多く含んだお菓子の食べ過ぎは、細菌繁殖の原因になります。与える量に注意したり、砂糖の量を調節した手作りお菓子を代わりに与えたりすることも対策の一つです。

口の乾燥

唾液には、口の中の細菌を洗い流す作用があります。口内が乾燥すると、唾液の量が減るため、細菌が増殖しやすくなり、口臭の原因になります。

口呼吸をしていたり、たくさん話したりすると、口が乾燥し、口臭が発生しやすくなります。特に2・3歳になって保育園に通いだすようになると、風邪をひきやすくなり、鼻づまりや鼻水のために口呼吸をしがちです。

対処法

子供が口呼吸をしている場合、1日数回、口を閉じたままガムを噛ませるなどして、鼻呼吸をするよう練習させましょう。子供に噛ませるガムは、砂糖が使われていないキシリトールガムがおすすめです。

慢性的な鼻炎があると、日常的に口呼吸をしてしまいやすいので、慢性鼻炎の場合は、その治療を行う必要があります。

また、咀嚼をしっかり行うと、唾液が分泌されるので、食事の際にきちんと噛んで食べているかチェックしてあげてください。睡眠をしっかりとったり、水分補給をこまめに行ったりすることも、口の潤いを保つことにつながります。

便秘

便秘が続くと、腸内で悪玉菌が増えていろいろなところでガスが生じたり、便が発酵・腐敗したりするため、不快な臭いが生じます。発生した悪臭は、腸壁から血液中に溶け出して、口や皮膚から排出されることがあります。

トイレトレーニングの時期である2・3歳頃は、トイレ自体が怖かったり、失敗して親に怒られたりすることで、排便が怖くなって便秘になってしまう子供もいるようです。

対処法

小さな子供は、食物繊維を多く含んだ野菜をあまり食べたがらないため、便秘になりがちです。

まずは食物繊維が多く含まれる野菜(いも、ごぼう、にんじんなど)を意識的に与えたり、水分をこまめにたくさん与えたりして、お通じを良くさせましょう。毎朝決まった時間にトイレへ行く習慣をつけさせるのも、便秘解消におすすめです。

様々なケアを行っても便秘が長引く場合は、小児科で相談してください。

病気

病気が子供の口臭を引き起こすことがあります。

たとえば、蓄膿症を発症すると、鼻に膿がたまり、鼻からだけでなく口からも嫌な臭いが出ます。また、子供が気管支炎を起こすと、痰の量が増え、口臭が発生します(※1)。

蓄膿症は風邪が、気管支炎はインフルエンザなどの感染症が原因となって発症することがあるため、これらにかかりやすい2・3歳頃の子供は注意しましょう。

対処法

病院で治療を受けて、口臭の原因を取り除きましょう。

蓄膿症は完治するまでに時間がかかる病気なので、早めに耳鼻咽喉科を受診して、きちんと治療を続けてください。悪化させてしまうと、中耳炎や肺炎になることもあります。

子供の口臭で病院へ行く目安は?

歯医者

子供の口臭に気づいて、病院を受診するべきか迷ったときは、他に症状が出ていないか子供の様子を観察してください。

鼻づまりがひどく頭痛がある場合、アレルギー性鼻炎や蓄膿症(副鼻腔炎)が疑われます。激しい咳と共に発熱していれば、気管支炎を発症している可能性があります。

口臭以外に、他の症状が見られるときは、病気にかかっている疑いがあるので、医師に診てもらいましょう。また、口臭があまりに強い場合や、自宅でケアしても改善しない場合も、一度病院を受診しておくと安心です。

子供の口臭には早めに対処しよう

歯磨き

子供自身は口臭を感じていなくても、周りの大人や友達に「口がくさい」と指摘されると、子供も気になりだし、ストレスを感じてしまうことがあります。

まずは歯磨きの仕方を見直したり、水分補給をしっかり行ったりして、口臭予防に努めましょう。そして、歯磨き前や子供が寝ているときなど、定期的に口臭をチェックしてあげてください。

口の臭いは、大人になってからも悩みの種になることがあるので、小さい頃から口臭ケアの仕方をきちんと教えていけるといいですね。

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