発達障害セルフチェックリスト!特徴が出始めるのはいつ頃?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

最近メディアでもよく耳にする「発達障害」。ふとしたことで、自分の子供が発達障害なのではないかと心配になる人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、自宅でチェックできる発達障害の特徴をまとめました。子供の成長を見守る指標の一つとして、参考にしてくださいね。

発達障害とは?

発達障害 学習障害 LD

発達障害とは、生まれつき脳の一部の機能に障害があることをいいます。発達障害には様々な種類があり、主に下記のように分けられています。

広汎性発達障害

「自閉症」や「アスペルガー障害」など、コミュニケーションにかかわる障害のことを総称して「広汎性発達障害」といいます。対人関係やコミュニケーション能力の障害、言語障害や興味、行動の偏りなどが典型的な特徴です。

厚生労働省によると、広汎性発達障害は約100人に1~2人の割合で、男の子の方が女の子よりも数倍多いとされています(※1)。

学習障害(LD)

知的発育には問題がないのに、「読み」「書き」「計算」など、特定の作業が得意ではない状態を「学習障害」といいます。2~10%の子供に見られます(※1)。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

「注意欠陥多動性障害」は、学童期の子供の3~7%に存在する障害で、年齢に見合わないほどの多動や衝動性、不注意がみられます(※1)。一般的には成長とともに軽くなる場合が多いですが、思春期以降、うつ症状や不安症状を合併することもあります。

発達障害の特徴が出るのはいつ頃?

数字

発達障害は、障害の内容によって特徴が出る年齢が異なります。

広汎性発達障害

一般的に、広汎性発達障害は1歳台で特徴が現れますが、生後3~4ヶ月頃から特徴が見られることも。保育園や幼稚園に入り、周りの子供や先生との関係性を通して気がつくこともあります(※1,2)。

学習障害

学習障害は、読む、書く、計算するなどの能力が求められる、小学校2~4年生頃に特徴が出始めます。成績不振などで分かることが多い障害です(※1)。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意欠陥多動性障害は2~3歳頃から特徴が現れだし、6~11歳頃に問題行動として取り上げられることが多い障害です。7歳頃までには特徴が現れます(※1,2)。

発達障害をリストでセルフチェックしよう

チェック リスト 笑顔 項目

発達障害の特徴は多くありますが、家庭でチェックできるものもあります。障害によってチェックすべき項目が異なるので、下記のリストと普段の子供の様子を照らし合わせてみましょう。

広汎性発達障害

以下の項目で4項目以上に該当→自閉症の可能性も考えて検討→診断基準の項目を確認

1. 人との相互交流行動の障害

1. 視線が合わない
2. 名前を呼んでも振り向かない
3. 要求以外は自分から話しかけることがない
4. 指さしをしない
5. 母親の後追いをしない
6. 1人でいても平気・迷子になっても平気(泣かない)
7. 1人遊びを好む・他の介入を嫌がる

2. コミュニケーション行動・想像力の障害

1. 会話ができない・会話がかみ合わない
2. 一度話していたことばが消える
3. 話し方が不自然(単調・平板・上昇調の話し方、外国人のような話し方)
4. 方向のある動作・単語の使用に誤りが頻回(手のひらを自分に向けてバイバイをする、お菓子が欲しいときに「あげる」と言って要求する、など)
5. 反響言語が多い
6. おもちゃに関心を示さない・おもちゃで遊ばない
7. ごっこ遊びをしない

3. 関心の障害

1. 文字・数字・商標・記号への著明な関心と記憶
2. 同じ物、同じやり方、同じ状況への強いこだわり

引用:南山堂『開業医の外来小児科学』p.641

注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意欠陥多動性障害には大きく5つのチェック方法があります。

A. 1か2のどちらか
1. 以下の不注意の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヵ月間持続したことがあり、その程度は不適応的で、発達の水準に相応しないもの。

不注意

a. 学業、仕事、またはその他の活動において、しばしば綿密に注意することができない、または不注意な間違いをする
b. 課題または遊びの活動で注意を集中し続けることがしばしば困難である
c. 直接話しかけられたときにしばしば聞いていないように見える
d. しばしば指示に従えず、学業、用事、または職場での義務をやり遂げることができない(反抗的な行動、または指示を理解できないためではなく)
e. 課題や活動を順序立てることがしばしば困難である
f. (学業や宿題のような)精神的努力の持続を要する課題に従事することをしばしば避ける、嫌う、またはいやいや行う
g. 課題や活動に必要なもの(例:おもちゃ、学校の宿題、鉛筆、本または道具)をしばしばなくしてしまう
h. しばしば外からの刺激によってすぐ気が散っってしまう
i. しばしば日々の活動で忘れっぽい


2. 以下の多動性―衝動性の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヵ月間持続したことがあり、その程度は不適応的で、発達の水準に相応しない

多動性

a. しばしば手足をそわそわと動かし、またはいすの上でもじもじする
b. しばしば教室や、その他、座っていることを要求される状況で席を離れる
c. しばしば、不適切な状況で、余計に走り回ったり高い所へ上ったりする(青年または成人では落ち着かない感じの自覚のみに限られるかもしれない)
d. しばしば静かに遊んだり余暇活動につくことができない
e. しばしば”じっとしていない”またはまるで”エンジンで動かされるように”行動する
f. しばしばしゃべりすぎる

衝動性

a. しばしば質問が終わる前にだし抜けに答え始めてしまう
b. しばしば順番を待つことが困難である
c. しばしば人の話をさえぎったり、割り込んだりする(例:会話やゲームに干渉する)


B. 多動性―衝動性または不注意の症状のいくつかが7歳以前に存在し、障害を引き起こしている
C. これらの症状による障害が2つ以上の状況[例:学校(または職場)と家庭]において存在する
D. 社会的、学業的または商業的機能において、臨床的に著しい障害が存在するという明確な証拠が存在しなければならない
E. その症状は広汎性発達障害、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではなく、他の精神疾患(例:気分障害、不安障害、解離性障害、またはパーソナリティ障害)ではうまく説明されない

引用:南山堂『開業医の外来小児科学』p.648

学習障害

学習障害は知的発達の遅れがないため見極めが難しく、判断が難しいとされています(※2)。「この症状があるから学習障害である」とは言えませんが、学習障害の子供には下記のような特徴があります(※3)。

● 読み・書き・計算など、特定の項目だけができない
● 読むのがたどたどしく、同じ行を何度も読んだりする
● 鏡文字を書く
● 筆圧が弱い
● 計算を間違える

上記は一例であり、学習障害を発見するためには、学校や医師と連携して子供の様子を見守ることが大切です。

発達障害のチェックは専門医に相談を

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先に説明したチェック項目に当てはまるからといって、必ずしも発達障害であるというわけではありません。チェックリストは目安程度に活用して、不安なときは専門の医師や機関に相談するようにしてください。

家族や地域、学校と協力しながら、子供の成長を見守っていけるといいですね。

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