子供の成長において、運動は大切です。特に、乳児期から幼児期にかけては、単に体を鍛えるのではなく、遊びの中で自然と体を動かすのが理想的。しかし、なぜ子供に運動遊びが必要なのか、年齢に合った運動遊びはどのようなものか、よく分からないという人も多いのではないでしょうか。今回は、0〜5歳の月齢・年齢別に、おすすめの運動遊びについてまとめました。
子供にとって運動遊びとは?
運動遊びとは、体を動かしながら遊び、同時に運動能力を高めることをいいます。運動遊びは、子供の体や脳、心の発達に様々な影響を与えます。
身体面
体をしっかり動かすことで骨や筋肉が鍛えられ、足腰がしっかりとしてきます。どのように体を動かすと、どのような作用を及ぼすかということを、体で覚えることができるため、運動神経として一生の財産になります。
運動遊びをしながら体を鍛えていくことによって体力がついていくため、病気への抵抗力・治癒力も高くなります。
知能面
体を動かすと脳が刺激を受けるため、脳の発達に良い効果を発揮します。考えることに対しての瞬発力や思考力が高くなります。
失敗したとしても、次に成功するためにはどうすればいいかということを考えるようになるため、洞察力も身につきます。
精神面
家族や友達と関わりながら運動遊びをすることによって、人とのコミュニケーションスキルが身につきます。できない動きに何度も挑戦することによって、物事に対して粘り強く頑張ること、あきらめずに努力することを覚えていきます。
乳児期から幼児期の運動発達には、月齢や年齢によって大きな違いがあるので、成長にあった運動遊びをさせることがポイントです(※1)。次からは、月齢・年齢別におすすめの運動遊びをご紹介していきます。
0歳児におすすめの運動遊びは?
0歳の1年間で、赤ちゃんは驚くスピードで心身ともに発達していくので、その発達に合わせて運動遊びの方法も変えていきましょう。
生後0〜3ヶ月
赤ちゃんは、生まれてしばらくは自分の手を自分の体として認識できないため、手をうまく動かすことができません。大人がおもちゃなどで注意を引いてあげましょう。目で追って体を少し動かすだけでも立派な運動です。
体のあちこちを触ったりくすぐったりして刺激を与えてあげたり、大人が赤ちゃんの手をもって動かしてあげたりするのもおすすめです。
生後4〜6ヶ月
首がすわる頃になると、赤ちゃんは徐々に自分の意思で体を動かすことができるようになります。握りやすい軽いおもちゃを持たせて、好きなように振り回させてあげると、自然な運動になりますよ。寝返りの練習をさせることも、体の発達を促します。
生後7~9ヶ月
足腰がしっかりして、お座りができるようになる時期なので、座った状態で一緒に遊んであげましょう。大人が足を伸ばした状態で座り、その上に赤ちゃんを向かい合わせに座らせ、シーソーのように傾けてあげると、景色の変化や自分がいる場所の高低差に刺激を受けますよ。
生後10~12ヶ月
ハイハイができるようになる時期です。大人も一緒になってハイハイをしたり、追いかけたりしましょう。今まで以上に足腰がしっかりしてくるので、大人が寝転がった状態で膝を曲げ、膝から下の部分に赤ちゃんを乗せる「飛行機遊び」もおすすめです。赤ちゃんのバランス感覚を鍛えることができますよ。
1歳児におすすめの運動遊びは?
つかまり立ちから伝い歩き、よちよち歩きと、少しずつ歩けるようになるので、足をしっかりと使った遊びがおすすめです。歩く練習自体も、効果的な運動遊びとなります。
体のバランスをとる練習として、ボール遊びもおすすめです。投げたり転がしたりする動きからボールの向かう方向を自然に学習していくことができます。
2歳児におすすめの運動遊びは?
走ったりジャンプしたりと、今までよりもアクティブに動き回ることができるようになる時期なので、公園に行く回数を増やしましょう。遊具を使って遊ぶことで、今までの遊び方とは違った刺激を受けることができるようになりますよ。
ボール遊びは1歳の頃のキャッチボールに加えて、キックの動きを取り入れてみましょう。手で投げるのとは違ったボールの動き方を学ぶことができます。
3歳児におすすめの運動遊びは?
足の使い方やバランス感覚がさらに発達し、三輪車を上手に運転できるようになる時期です。足を動かしてペダルを回したり、行きたい方向へハンドルを回したりと、並行した運動を覚えさせてあげましょう。
平均台や階段の上り下りなど、バランス感覚や足腰の運動になる動きもおすすめです。
4歳児におすすめの運動遊びは?
片足で立ったり背伸びしたりすることができるようになるので、ケンケンパが楽しめるようになります。走るのも上手になるので、かけっこ遊びもおすすめです。
スキップは、普段の歩き方や走り方とは違ったリズムや手順で動くので、バランス感覚や運動神経だけでなく、リズム感覚も鍛えることができますよ。
5歳児におすすめの運動遊びは?
今までの運動神経の発達を駆使し、ダイナミックな動きの遊びを楽しむようになる時期です。ブランコを高くこいだり、ジャングルジムをささっと登ったりするようになります。ケガをしないように見守りつつ、のびのびと遊ばせてあげましょう。
この頃になると、周囲との関わりを大事にして遊ぶことが増えるため、ごっこ遊びの中に運動を取り入れるのもおすすめです。役割を決めて遊ぶので、子供は頭を働かせながら運動も楽しみ、様々な面から刺激を受けることができるようになりますよ。
子供には積極的に運動遊びをさせよう
運動遊びは、子供の成長に大きな役割を果たします。晴れた日は、公園で思いっきり体を動かして遊ばせてあげましょう。
月齢や年齢によって、できる動きが違うので、そのときそのときの成長にあった運動遊びを取り入れることが大切です。ママやパパも一緒に動いてあげることで、親子の絆も深まりますよ。
親子のふれあいを感じながら、運動遊びを楽しんでくださいね。