切迫流産になってしまうと、基本的に医師から「安静にしてください」と指導を受けます。妊婦さんの状態によって、入院、もしくは自宅で過ごすことになります。ただ、安静にするといっても、何をどこまで気をつければいいのか分かりにくいですよね。今回は切迫流産時の入院中の過ごし方や、自宅安静中の家事やお風呂などに対する注意点などをご紹介します。
切迫流産とは?
切迫流産とは、妊娠22週未満で流産の一歩手前になっている状態を指します。流産をしてしまうと妊娠を継続することはできませんが、切迫流産であれば妊娠を継続できる可能性があります。
切迫流産の主な原因は胎児の染色体異常で、他には子宮筋腫や絨毛膜羊膜炎、子宮内の炎症、多胎妊娠などが切迫流産の原因になることがあります。
自覚症状として出血や下腹部の痛みが現れることもあります。基本的には経過観察で様子を見て、母体に負担をかけないよう安静に過ごします。
切迫流産で入院中の安静な過ごし方は?
切迫流産で病院を受診した場合、赤ちゃんの心拍を確認します。基本的には自宅安静になりますが、心拍に異常が見られるなど赤ちゃんが危険な状態にあると判断された場合には、入院が必要になります。
入院中は、必要に応じて出血や子宮収縮を抑えるための薬が投与されながら、安静に過ごすことになります。入院中は「絶対安静」といわれることが多く、行動はかなり制限されます。
食事やトイレ以外は、常に横になっていないといけないという場合もあります。気になることがあれば、医師や看護師に相談して、無理のないように過ごしてください。
切迫流産の自宅安静とは?家事やお風呂はどうする?
切迫流産の症状が少し落ち着いて退院した場合や、症状がもともと軽く自宅安静を指導された場合は、自宅で安静にする必要があります。
一般的に、医師からは仕事を休み、家事も最低限にするように指示されます。自分の身の回りのことをする以外は、基本的に横になっていてください。パートナーや両親の力を借りながら、赤ちゃんの安全のためにも無理はしないようにしましょう。
家事
料理や洗濯、掃除など家事全般は立って作業するので、体に負担がかかってしまいます。できるだけパートナーや両親に協力してもらいましょう。
もしお手伝いできる年頃の上の子がいれば手伝ってもらって、家事の負担は可能な限り減らすようにしてください。買い物は、横になりながらでもできるネットスーパーを利用するのがおすすめです。
また、食事は無理に作ろうとせず、お惣菜やレトルト食品に頼ることも大事ですよ。
トイレ
トイレは、基本的に通常どおりで大丈夫です。しかし、トイレが違う階にあって移動の際に上り下りしていると、体に負担をかけてしまうので、基本的にはトイレのある階で横になるようにしましょう。
お風呂
お風呂は思っている以上に体力を消耗するので、入浴はせずシャワー程度にとどめます。できれば2日に1回程度にして、シャワーを浴びない日はタオルで体を拭いて清潔にしましょう。
仕事
医師の診断書を職場に提出すれば、ほとんどの場合、産休に入らせてもらえます。日常生活に制限がかかっている状態なので、さらに体に負担をかけてしまう仕事は一時的であっても休んでください。
どうしても休めない場合でも、自宅での在宅勤務にさせてもらえないか上司に相談しましょう。通勤自体が体の負担になってしまうからです。
性行為
性行為を行うと、子宮収縮が起きる可能性があるので控えるようにしましょう。自宅安静の期間が終わった後も性行為について注意しなければならないことがあるので、分からないことがあるときはかかりつけの医師に尋ねてみてください。
切迫流産の自宅安静は周りに頼りながら過ごそう
たとえ切迫流産と診断されても、その後、元気な赤ちゃんを出産した先輩ママはたくさんいます。お腹の赤ちゃんに順調に成長してもらうためにも、医師に自宅安静を指示されたら、パートナーや両親の力を借りながらきちんと安静に過ごすようにしましょう。
流産になるかもしれないと聞くと、どうしても不安ばかりが大きくなってしまいますが、安静な過ごし方のポイントを守り、赤ちゃんを信じて1日1日を大切に過ごしてください。
安静に過ごすうえで何か気になることがあれば、遠慮せずに医師に確認をとってくださいね。一人で頑張りすぎず、周りの人たちのサポートをどんどん活用していきましょう。