妊婦は猫を飼ってもいい?犬は?妊娠中のトキソプラズマに注意

ペットは癒しを与えてくれる大切な存在です。しかし、妊娠中に猫を飼っていると、「トキソプラズマ」がお腹の赤ちゃんに悪影響を与えるかもしれないということをご存じですか?妊娠して初めてトキソプラズマ症の存在を知る人も多く、見過ごされがちな病気ですが、お腹の赤ちゃんを守るためにも正しい知識が必要です。今回は妊婦さんが猫と接するときに注意すべきことやトキソプラズマの危険性、他のペットからのトキソプラズマ感染リスクなどについてご紹介します。

なぜ妊婦は猫に注意する必要があるの?トキソプラズマに注意?

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猫には「トキソプラズマ」という寄生虫が宿っている可能性があり、糞便を通して人間に感染することがあります。トキソプラズマは幅3μm・長さ5~7μmの小さな寄生虫で、世界中の人口の3分の1以上の人がトキソプラズマに感染しているといわれています(※1)。

トキソプラズマに感染すると、トキソプラズマ症という病気が発症します。健康な大人であればトキソプラズマに感染しても、ほとんどの場合は軽い風邪のような症状が現れるか、もしくは何も症状が出ません。

しかし、妊娠中にトキソプラズマに初めて感染すると、胎児が先天性トキソプラズマ症を発症することがあります。妊娠初期にトキソプラズマに感染すると、胎児への感染率は低いのですが、流産など症状が重くなる傾向にあります。そして、妊娠中期、後期と進むにつれて、胎児への感染率は高まるものの症状は軽くなるという特徴があります(※2)。

赤ちゃんが先天性トキソプラズマ症になったときの症状としては低出生体重、水頭症、頭蓋内石灰化、精神・運動機能障害などがあります。トキソプラズマは一度感染すると抗体ができるので、二度目の感染は起きません。

猫から妊婦へのトキソプラズマの感染経路は?

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トキソプラズマは、主に口から入って感染します。トキソプラズマに感染している猫の糞便にはオーシスト(トキソプラズマの卵)が含まれており、それに触れた手を洗わないままでいると、食事などを通して知らず知らずのうちに体内にトキソプラズマを取り込んでしまうことがあるのです。

猫の糞便に触れる以外でのトキソプラズマの感染経路としては、「生ハムや鳥刺し、馬刺しといった生肉を食べる」「トキソプラズマが生息している土に触れる」などがあります。

妊婦は猫にはどう接すればいいの?

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妊娠前にすでにトキソプラズマに感染したことがあれば、抗体ができているので、胎児がトキソプラズマに感染する恐れはありません。したがって、トキソプラズマに感染したことがない人は注意が必要です。

トキソプラズマに感染したことがあるかどうか分からない場合は、まずはトキソプラズマの抗体検査を行いましょう。抗体検査は婦人科で受けられますし、多くの場合妊婦検診でも申し込めば受けられます。トキソプラズマ抗体の有無は血液検査で調べることが一般的で、費用は1000円前後です。

検査によって抗体を持っていないと診断されたら、念のため猫にはあまり近づかないようにしましょう。ただし、すでに猫を飼っている場合、接触を完全に絶つことは難しいですよね。そんなときは感染予防のために、猫に触った後は手洗いをしっかり行い、以下の点に気をつけるようにしましょう。

猫の糞便には触れないようにする

猫のトイレ掃除は他の家族にお願いしましょう。もし自分で猫の糞便を処理しないといけないときは、直接触らないようにゴム手袋をつけ、処理の後は手をよく洗ってください。

また、猫の糞便のオーシストが感染力をつけるには1~5日かかるので、こまめにトイレ掃除することも感染予防につながります(※3)。

室内で飼い、生肉を与えない

猫が外に出て、ネズミや野鳥を食べたり土を舐めたりすると、トキソプラズマに感染する恐れがあります。したがって、妊娠中は基本的に室内で飼うようにしましょう。

また、エサとして生肉を与えるのは避け、ドライフードや缶詰などの市販のキャットフードをあげるようにしてください。

妊娠中にトキソプラズマに感染したら、どう治療する?

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もし妊娠中にトキソプラズマ症になったら、胎児が感染しないように抗生物質「スピラマイシン」を投与します。また、産まれてきた赤ちゃんが先天性トキソプラズマ症にかかっていたら、スルファジアジンやピリメタジン、ロイコボリンといった薬を用いて治療にあたるのが一般的です(※4)。

妊娠中は犬も危険?他の動物でもトキソプラズマに感染する?

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猫に気をつけてといわれると、「犬やハムスター、鳥などの他の動物にも気をつけたほうがいいのでは?」と不安になりますよね。しかし、触れることでトキソプラズマに感染する恐れがある動物は、基本的に猫科の動物だけです。

他の動物の体内にもトキソプラズマが寄生していることがありますが、人間に感染するトキソプラズマの卵を排泄するのは猫科の動物だけなので、犬やハムスターなど猫科以外の動物に触れて感染することはほぼありません。

妊娠中、猫に触れたあとは手を洗おう

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妊娠中にたとえトキソプラズマに初めて感染したとしても、お腹の赤ちゃんが必ずトキソプラズマ症を発症させるというわけではありません。また、猫と接するときにうんちの処理は控え、手洗いを徹底すれば感染するリスクを減らすことができます。

猫を飼っていてトキソプラズマの感染を防ぐには、トキソプラズマの感染経路と予防法をしっかりと把握しておくことが大事です。猫と赤ちゃんの両方のことを想いながら、愛にあふれた妊娠生活を送れるといいですね。

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