産後はお腹周りの脂肪がなかなかとれず、妊娠前の服が着れなかったり、体に不調が出やすくなったりします。これは骨盤の開きが原因のひとつといわれていますが、自然と開いてしまった骨盤をどうやって締めたら良いのか、わからないママも多いですよね。そこで今回は、産後に骨盤を締める方法や効果、おすすめの締め方についてまとめました。
そもそも、産後に骨盤はどう変化するの?

骨盤は、妊娠から分娩を通じて大きく変化します。
妊娠後期は、赤ちゃんが産道を通りやすいように「リラキシン」というホルモンが特に分泌され、骨盤の靭帯や関節を緩めます。骨盤が緩んだところに赤ちゃんの重み(子宮)がのしかかり、経腟分娩であれば赤ちゃんが実際に骨盤の間を通ることで、産後は骨盤が開き切った状態です。
骨盤が歪んでいると恥骨痛や腰痛を併発することもありますが、それ以外にも以下のような影響が体に表れます。
産後に骨盤が変化したことによる体への影響
● 骨盤周辺の血流が悪くなる
● 脂肪の燃焼がうまくいかなくなり、皮下脂肪がたまりやすくなる
● 開いた骨盤の中に内蔵が下がってくることで循環が悪くなり、痩せにくい体質になる
● 骨盤に下がってきた内臓により下腹が出て服が入らなくなる
● 体のめぐりが悪くなり、むくみ・肩のこり・腰の痛み・冷え・婦人科系のトラブルが起きやすくなる
産後に骨盤を締める効果とは?

産後に骨盤を締めることは、体の不調や崩れた体型をケアするのに効果的です。体が本来の働きを取り戻すことで不調だったものが次々と解消されていき、良い循環が生まれますよ。
例えば、内臓が元の位置に戻ることで栄養が吸収されやすくなり、血行が促進されることで基礎代謝が上がって冷えやむくみの解消につながります。また、脂肪が燃焼しやすい状態になって、痩せやすい体になる効果も期待できます。
開いた骨盤は産後3~4ヶ月くらいから自然と元の状態に戻っていきますが、完全に元通りになるというわけではありません。放っておくと歪んだ状態のままで固定されてしまうことも。
産後6ヶ月頃までは、骨盤はまだ緩く、正しい位置に戻しやすい状態です。産後の脂肪も筋肉質ではなく燃焼しやすい状態なので、体調をみながらできる範囲で早めのケアを行いましょう。
産後に骨盤を締める方法は?

産後に骨盤を締める方法はいくつかあります。産後用の補正下着を着用して矯正する方法、ストレッチなどで整えていく方法、プロの手を借りる方法など様々。
以下の方法を参考に、やりやすいものから実践してみましょう。
1. 骨盤ベルトで引き締める
骨盤ベルトと呼ばれる伸縮性のある幅広ベルトを骨盤周辺に巻くだけで、開いた骨盤を整えることができます。骨盤の位置を安定することで血行を促進し、基礎代謝の向上やお尻・お腹周りの引き締めにも効果的。
マタニティや赤ちゃんグッズを扱うお店で販売されていて、インターネットでも手軽に購入できます。着用するだけなので激しい運動ができない時期にもおすすめ。ただし、正しい位置に巻かないと効果が得られず、痛みや怠さを感じることもあるので、異常を感じたらすぐに中断しましょう。
2. 骨盤ガードルやショーツで引き締める
体重は妊娠前の数値に戻っているのに、ぽっこりしたお腹が戻らない、という方におすすめなのが骨盤ガードルやショーツです。日常的にインナーとして着用することで効果を得ることができます。
骨盤ガードルやショーツを着用するときはサイズに気をつけましょう。きつすぎると本来使うべき筋力が使われず体幹を支える筋肉が衰え、悪影響を及ぼす可能性があります。
また、昼夜問わず着用するため、素材によっては蒸れてしまい肌トラブルを招くこともあります。毎日安心して着用できるよう、サイズと素材にこだわって選びましょう。
3. 骨盤矯正椅子やクッションで引き締める
骨盤矯正に効果のある椅子やクッションを活用して、リラックスタイムに骨盤の位置を整えていきます。椅子の上に置くならクッションがおすすめですよ。
骨盤矯正椅子の場合は、自分がくつろぐスペースに合わせてソファタイプや座椅子タイプなど豊富な種類から選ぶことができます。使いやすいものを選んで継続することがポイントです。授乳中の体勢をケアできる椅子やクッションを見つけられるといいですね。
4. 骨盤体操やスクワットなど自宅で運動
体操や運動は継続しにくいと感じるかもしれませんが、1日に数分行うだけでも効果が得られるものもあります。特に「骨盤スクワット」は、1日に1回3分程でできます。
骨盤を正しい位置に導くだけでなく、バストアップやヒップアップなど体の様々な部分を引き締めて美しいボディラインへ導きます。隙間時間でできるのでおすすめですよ。
骨盤スクワットのやり方の例
1. 足を肩幅に開き、つま先は開ける最大まで外側に向ける
2. 45秒かけて、腰を落とせるところまで落とす
3. 15秒かけて、元に戻す
4. 今度はつま先をできるだけ内側に向けて、同じように腰を上下させる
5. つま先はそのままで、上体をできるだけ前に倒して約15秒キープ
6. ゆっくり戻して終了
5. 骨盤矯正の整体に行く
整体で骨盤矯正の施術を受けることができます。プロが施術すると一度で効果を得やすいのがメリット。赤ちゃん連れでも対応してくれるところもあるので、ママのリフレッシュにもなりますよ。
体調に不安があるときや、帝王切開・会陰切開で傷口が心配な場合は、前もって医師に相談しておきましょう。また、施術を受ける前に、産後ママへの施術実績がある整体かどうかをチェックしておくと安心です。
気になる整骨院や整体などのホームページやブログ、SNSなどで産後ケアを行なっているか確認してみると不安も少なくなりますよ。
産後に骨盤を締めるときの注意点は?

産後に骨盤を締めるときは、体の回復を優先しましょう。産後1ヶ月は悪露が出るなど、出産の影響が体に残っています。無理に骨盤を締めたり矯正したりすると、悪露がしっかり出きらないことも。1ヶ月健診で異常がないことを確認しておくと安心ですね。
骨盤を締めるときは焦らず、産褥期でもある産後1ヶ月は様子をみましょう。この時期はしっかりと子宮を回復させることと、赤ちゃんのお世話に専念することを優先し、できる範囲で少しずつ始めていくのが大切です。
産後に骨盤を締めることで体型も体調もケアしよう

妊娠中は色々なことが制限されていて、不調があってもなかなかケアすることができませんよね。産後はしっかりと子宮を回復させてから、体型も体調もケアしてあげましょう。
また、日常の姿勢でも骨盤は歪みやすく、産後は横座りで授乳していると骨盤に負担がかかりやすいので気をつけましょう。座るときに足を組むことや、左右のどちらかだけで抱っこし続けていることも影響します。産後に限らず、継続的に歪みを意識していけるといいですね。