いよいよ小学校に入学ですね。集団生活が本格化する前に接種しておきたいワクチンがあるのはご存知でしょうか。
今回は、小学校入学前の1年間で受けておきたいワクチンについてご紹介します。
小学校入学前に受けておきたいワクチンって?
小学校入学までに受けておきたいワクチンは上記のとおりです。今までの間に規定の回数を打てているか確認してみてくださいね。
また、日本小児科学会は、小学校入学前の1年間で以下の4種類のワクチンの接種を推奨しています。(※1)。
● おたふくかぜワクチン
● 三種混合ワクチン
● ポリオワクチン
このうち、麻疹風疹混合(MR)ワクチンは定期接種、残りの3種類は任意接種となります。
予防接種で何が防げるの?どうして必要?
小学校入学前に受けておきたいワクチンはなぜ必要なのでしょうか。
麻疹風疹混合(MR)ワクチン
「麻疹」と「風疹」を予防できるワクチンです。2回接種することで、99%以上の人が免疫を獲得することができます(※2)。
麻疹って?
風邪のような症状が現れ、数日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。
脳炎、肺炎などを合併することがあり、医療が進んだ先進国であっても1,000人に1人は死亡する極めて重い感染症です(※2)。
麻疹は感染力が非常に強く、手洗いやマスクだけでは予防できません。予防接種が最も有効な予防法となります。
風疹って?
風疹は発熱や発疹、耳の後ろなどのリンパ節の腫れが見られ、脳炎などの重い合併症を引き起こすことも。
妊娠初期にかかると赤ちゃんに難聴などの重い病気を引き起こすことがあります。
将来妊娠したときにかからないため、そして妊婦さんに移さないために、ワクチンは非常に重要です。
おたふくかぜワクチン
「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)」を予防できるワクチンです。2回定期接種している国では発症者が99%減少しており、高い効果があることが伺えます(※2)。
おたふくかぜって?
おたふくかぜは、耳の横にある唾液腺の腫れや痛み、発熱などの症状が見られます。
髄膜炎や脳炎などの合併症を伴うこともあり、死に至る場合もあります。難聴などの後遺症を引き起こすことも。
三種混合ワクチンとポリオワクチン
三種混合ワクチンでは、「破傷風・ジフテリア・百日咳」、ポリオワクチンでは、「ポリオ」を予防することができます。
赤ちゃんのときに打った五種混合ワクチンもしくは四種混合ワクチンでついた免疫のうち「百日咳」と「ポリオ」は、小学校入学前に少なくなっていることが分かっています(※2)。
ただ、五種混合ワクチンもしくは四種混合ワクチンは国の決まりで5回目の接種ができないため、再度免疫をつけるために、三種混合ワクチンとポリオワクチンの接種が推奨されています。
破傷風って?
かかった場合に亡くなる割合が非常に高い病気です(※3)。ワクチンでしか免疫ができません。
主に傷口に菌が入って感染を起こします。口が開き難い、顎が疲れるといった症状に始まり、全身の筋肉が固くなって息ができなくなって死亡することも。
ジフテリアって?
心臓の筋肉や神経に作用して、呼吸がしにくくなり死亡する場合もあります。ワクチンのおかげで1999年以降、国内での報告はありません。
百日咳って?
突然激しく咳き込み、その後ヒューという笛を吹くような音が聞こえる咳が特徴です。
時間が経つとワクチンの効き目が減ってくるため、毎年約3,000の小児科から数千人の患者さんの報告があります。
ポリオって?
ポリオはかつては小児まひと呼ばれ、国内でも大きな流行がありました。感染すると、極めてまれに一生麻痺が残る場合があります。
ワクチン接種によって国内のポリオは根絶されましたが、海外から持ち込まれる可能性があるため、免疫を高く維持する必要があります。
費用はかかるの?
定期接種である「麻疹風疹(MR)ワクチン」は無料で受けられますが、任意接種となる「おたふくかぜワクチン」「三種混合ワクチン」「ポリオワクチン」は上記のように費用がかかります。
お住まいの地域によっては、自治体から数千円の助成がでることもあるので確認してみてくださいね。
ワクチンについて知っておこう
小学校では、保育園や幼稚園以上の集団生活になります。ワクチンで重症化の予防やかかるリスクを減らせることを知っておいてくださいね。