咳をしている赤ちゃんを見ると、つらそうで心配になりますよね。生後5〜6ヶ月くらいまではママの免疫が引き継がれていますが、咳をしている時は病気のサインであることも。
今回は、生後2・3・4・5ヶ月の赤ちゃんが咳をしたときの原因や対処法、病院を受診するタイミングについてご説明します。
生後2・3・4・5ヶ月の赤ちゃんの咳は病気のサイン?

生まれてから半年くらいまでは、赤ちゃんの体はママから受け継いだ免疫によって守られています。
しかし、免疫があってもウイルスなどの感染症にかかってしまうことは十分にありえます。
また、ママから受け継いだ免疫では対処できない細菌やウイルスもあります。
そのため、もし生後6ヶ月頃までに赤ちゃんが咳をしていて、他にもミルク・母乳が飲めない、発熱などの症状があるときは、何かの病気が隠れているかもしれません。
赤ちゃんの咳で考えられる5つの病気

赤ちゃんが咳をしている時の原因として考えられるのは、主に次の5つの病気です。
赤ちゃんの咳の原因1. 風邪(ウイルス感染)
ゴホッゴホッと湿った咳が特徴で、鼻水や鼻づまりを伴うこともあります。
発熱しているが38度以上の高熱ではない、咳はでているが機嫌が良い、食事が摂れているという場合は、すぐに病院へ行くよりも、外出を控えて自宅で安静に過ごして様子を見ましょう。
赤ちゃんの咳の原因2. RSウイルス感染症
RSウイルス感染症は、発熱、鼻水などが主な症状の病気です。咳が続く、咳がひどい場合は、病状が悪化している可能性があります(※1)。
RSウイルスにはママから受け継いだ抗体が役に立たず、また生後6ヶ月未満の赤ちゃんがかかると重症化しやすいため、赤ちゃんにとっては特に注意が必要な病気です(※1)。
咳だけでなく「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」という呼吸音が聞こえたら、細気管支炎になっている可能性があるため、早めに小児科を受診してください。
赤ちゃんの咳の原因3. 喘息性気管支炎
風邪は改善したのに「こんこん」と乾いた咳だけが続いているという場合や、喘鳴(呼吸時に「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」といった音がすること)が起こる場合には、喘息性気管支炎の可能性があります。
ただし、赤ちゃんは気管支といわれる空気の通り道がもともと大人よりも細く、そのうえ、風邪などの原因となるウイルスやアレルギー物質に気管支が過敏に反応してさらに狭くなることで収縮して狭くなってしまい、喘鳴が起こることもあります。
そのため、喘鳴が起こったら必ず喘息性気管支炎になっているというわけではありませんが、喘鳴はほかの病気でも起こることがあるので、自己判断せずにかかりつけの小児科に一度相談すると良いでしょう。
赤ちゃんの咳の原因4. クループ症候群
クループ症候群とは、声帯やのどの周辺に炎症を起こす病気です。「ケンケン」という犬が吠えるような声で咳をするのが特徴です。
ひどくなると呼吸困難を引き起こす危険な病気で、症状が重いと入院治療が必要になることもあるので、赤ちゃんの咳に違和感があればすぐに病院を受診しましょう。
赤ちゃんの咳の原因5. 百日咳
百日咳は感染症のひとつで、咳が長引くという特徴があります。肺炎などと合併して、乳幼児は激しい咳で呼吸が止まってしまうこともあります。
何度も立て続けに咳き込み顔を赤くする、咳の間で「ヒュー」と大きく吸い込む、といった症状があれば、百日咳の可能性も。百日咳かなと思った場合には、まずかかりつけの医療機関を受診しましょう。
百日咳は生後3ヶ月から四種混合ワクチン(百日咳、ジフテリア、破傷風、ポリオ)を受けて予防することができるので、忘れずに接種しましょう。
赤ちゃんの咳で病院に行く目安は?

赤ちゃんの咳は、すぐに病院に行くべきか様子を見るべきか迷ってしまいますよね。ここでは、病院に行くタイミングと緊急度についてご紹介します。
救急外来に行くべき咳は?
救急外来などを活用してすぐに病院に行くべき咳は、以下のとおりです。
● 喘鳴のある発作(ゼーゼー、ヒューヒューなど)が聞こえる
● 犬の遠吠えのような異常な咳(ケンケンなど)が出ている
● 肋骨の間や鎖骨が呼吸のたびに凹む
● 咳の後に顔を真っ赤にしていて明らかに苦しそう
● 明らかに全身を使って呼吸をする(呼吸困難)
● 酸素不足で顔面が蒼白になっている
● ぐったりして意識障害が見られる
状態を見つつ早めに病院に行くべき咳は?
以下のような咳の場合は、緊急性はないものの、様子を見つつ早めに病院を受診しましょう。
● 38度以上の発熱を伴う
● 咳が数日続いている
● 昨夜よりも咳の状態が悪くなっている
● 咳に伴い水分の摂取量が減っている、もしくは咳で水分が摂れていない
赤ちゃんの咳に咳止めシロップは使える?

赤ちゃんが苦しそうな咳をしていると、咳止めシロップなどの薬で症状を和らげてあげたいと思いますよね。しかし咳を止めてしまうとウイルスの排除がうまくいかず、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。
また薬で咳を止めてしまうと、病院を受診したときに正しい診察ができないことも。
赤ちゃんが咳をしていても咳止めシロップは使わずに、まずは病院を受診して咳の原因を調べてもらいましょう。
生後2・3・4・5ヶ月の赤ちゃんの咳は注意しよう!
生後間もない赤ちゃんの咳は、なんらかの病気のサインかもしれないので、咳の状態や咳以外の症状など赤ちゃんの様子を観察しましょう。
なかには命の危険がある病気が隠れていることもあります。大人から見ても激しい咳や呼吸困難などの症状があれば、すぐに病院を受診しましょう。赤ちゃんのサインにいち早く気づいて、対応してあげてくださいね。