クループ症候群とは?原因や症状、治療法は?ケンケンと咳が出るの?

記事監修 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 続きを読む

「クループ症候群」という名前は聞き慣れないかもしれませんが、生後6ヶ月から3歳までの乳幼児でよく見られる病気です(※1)。「ケンケン」とおかしな咳をしていると思ったら、クループ症候群を発症していた、ということもよくあります。今回はクループ症候群の原因や症状、治療法、予防法などをご紹介します。

クループ症候群とは?

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クループ症候群とは、特定の病名ではなく、声帯や喉の周辺がウイルスの感染や、アレルギー的な原因によって炎症を起こす疾患の総称です。生後6ヶ月から3歳の子供に多く見られる疾患で、秋と冬に発症しやすくなります(※1,2)。

クループ症候群の特徴は、発症すると徐々に声がかすれていき、犬の鳴き声に似た「ケンケン」「ケーンケーン」というような咳をすることです。オットセイの鳴き声のような咳と表現されることも。

このような咳は、炎症によって咽頭あたりが腫れ、空気の通り道が狭くなることで起こります。

クループ症候群の原因は?

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クループ症候群の原因として一番多いのが、ウイルス(特にパラインフルエンザウイルス)です(※1)。

この他の原因として、ジフテリアやインフルエンザ菌B型(いわゆる「ヒブ」)などの細菌がありますが、予防接種が普及した現在では細菌が原因になることはあまり見られなくなりました(※3)。

クループ症候群の症状は?

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クループ症候群は声帯や喉の周辺で発症するため、症状の多くは咳や声に現れます。以下の症状が現れたらクループ症候群の可能性があるので、一度病院を受診しましょう。

クループ症候群の主な症状

・発熱
・のどの痛み
・ケーンケーンという犬の遠吠えに似た乾いた咳が出る
・息を吸うときに、ヒーヒーと音がする
・声がかれる
・突然の呼吸困難(呼吸のたびに、鎖骨のくぼみ辺りや肋骨の間がペコペコ凹む)

一般的に、クループ症候群になると、発熱やのどの痛み、咳など風邪のような症状から始まります。炎症によって咽頭部分が腫れていくと、次第に声がかれていき、犬の遠吠えに似た咳が頻繁に出るように。

クループ症候群の症状は夜に悪化する傾向にあり、寝つきが悪くなることもあります。

クループ症候群で病院を受診するタイミングは?

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上で紹介したクループ症候群の症状が現れた場合は、一度病院を受診しましょう。症状がひどい場合、呼吸のたびに肋骨の間や鎖骨が凹むような呼吸困難に陥ることがあり、唇や顔が紫色になるチアノーゼが見られたら、すぐに医師に診てもらわなければいけません。

子供に現れた症状を見て、それが重症なのか判断しにくい場合や、容態が見るからに悪く、一刻を争うような場合であれば、小児救急電話相談(#8000)に電話して、救急車を呼ぶべきかなどを相談してください。

クループ症候群の検査方法は?

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基本的には、医師が咳の音を聞いてクループ症候群かどうか診断します。クループ症候群は夜に症状が悪化し朝に治まることがあるので、病院に連れて行く前に咳がひどくなった場合は、どんな咳だったかをメモ用紙に書き留めたり、携帯電話に録音したりして記録しておきましょう。

咳の音だけで診断できない場合は、急性喉頭蓋炎という重症かつ急性な疾患を見つけるためにも、のどのX線検査や内視鏡検査で喉の状態を見ることがあります。

クループ症候群の治療法は?

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症状が軽い場合は、自宅で安静にして様子を見ます。通常は3~4日かけて回復しますが、自宅で安静にする際は、クループ症候群にかかった子供に水分をしっかり与えながら、部屋を乾燥させないようにすることが大切です(※2)。

部屋の湿度を上げるために、加湿器を使ったり、洗濯物を部屋干ししたりしましょう。お風呂の壁に熱いシャワーを当て、湿度が上がったその空間の中にしばらくいるのも、呼吸が楽になりますよ。

症状がひどい場合は、咳を鎮める薬や喉の腫れをとる薬が処方されます。細菌が原因であれば、抗生剤を投与することもあります。呼吸が苦しそうであれば、入院して炎症を抑える注射をしたり、吸入したりすることもあります。

子どもが苦しそうに咳をしていると何とかしてあげたくなりますが、自己判断で市販の咳止めを飲ませるのは控え、まずは病院を受診するようにしましょう。

クループ症候群の予防法は?

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重症な疾患である急性喉頭蓋炎などのクループ症候群は、ワクチン接種をすることで予防することが可能です。たとえば、クループ症候群の原因となるジフテリアに対しては四種混合ワクチン、インフルエンザ菌B型に対してはヒブワクチンで予防することができます。

また、こまめに手洗いやうがいをすることも予防につながるので、クループ症候群が発症しやすい秋や冬は特に意識して、衛生管理を徹底させましょう。

クループ症候群になっても落ち着いて対処しよう

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子供が普段聞きなれない咳をしていると、心配になってしまうかもしれませんが、適切な治療を受ければ、クループ症候群になっても回復していきます(※2)。

まずはワクチン接種や手洗いうがいをきちんと行い、クループ症候群にならないように心がけましょう。そして、もし子供がケーンケーンというような独特の咳をしてクループ症候群が疑われたら、すぐに病院に連れて行ってあげてください。

自分の体も含めた健康管理をしっかり行い、子供の病気には臨機応変に対応していきたいですね。

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