赤ちゃんが生まれると、それまで気にもしなかった日常生活のささいなことが気になってしまうという人も多いのでないでしょうか。たとえば、ママやパパがいつも使っているスマホ。電磁波や画面の明るい光が赤ちゃんに悪影響を及ぼすのではと心配になりますよね。しかし、赤ちゃんの前でスマホを一切使わないというのも難しいものです。そこで今回は、赤ちゃんとスマホについて、いつから触らせてもいいのか、電磁波の影響はあるのか、正しい使い方などをご紹介します。
赤ちゃんにスマホの画面を見せてもいいの?
毎日の生活になくてはならないスマホ。最近では、赤ちゃんが泣き止む動画や音声をスマホを使って再生することができるので、赤ちゃんにスマホを見せてもいいのか迷っているママも多いのではないでしょうか。
しかし、赤ちゃんにスマホの液晶画面を見せるのはおすすめできません。
日本小児科医会の「子どもとメディア」対策委員会では、2歳までは長時間のテレビやビデオの視聴を控えるよう推奨しています(※1)。親子で一緒に会話をしながら遊ぶ機会を増やすことで、子供の言葉や心の発達を促そう、という目的からです。
また、2歳以降の幼児であっても、スマホやテレビを見る時間は、1日でトータル2時間までというのが目安を設定しています。スマホの液晶画面を見る時間も、この中に含まれます。
2歳未満の子供には、できるだけスマホの画面を見せないようにし、2歳以降になって見せる場合は、テレビやDVDも含めた合計時間に注意しましょう。
赤ちゃんにスマホを触らせてもいいの?
たいていの赤ちゃんはスマホに興味津々ですよね。ちょっと目を離した隙に、触ったり、いじって遊んだりすることも。
しかし、1歳を過ぎるまでは、スマホに触れさせないようにしたいところです。少なくとも、パパやママと言葉での意思疎通ができるようになってからのほうが良いでしょう。
赤ちゃんの体や心の発達のためには、ツルツルのスマホ画面を触るより、屋外で土や植物に触れたり、室内で紙や粘土で遊んだりしながら触覚を刺激することが大切です。
さらに乳幼児期は、親子のスキンシップや言葉かけが重要です。親子のコミュニケーションが不十分で、テレビやスマホのように一方的に音声を発するメディアばかりを見せていると、自発性が低下して子供の言葉の発達やに悪影響が出るリスクが高いといわれています(※2)。
1歳を過ぎて、どうしても子供がスマホを触りたがった場合は、ママやパパが話しかけをしながら触らせるようにし、くれぐれもスマホに子守りをさせないようにしましょう。
スマホの電磁波は赤ちゃんに影響するの?
スマホから出ている電磁波が赤ちゃんに影響するのではないかと心配する人もいます。
「電磁波」とは、太陽光線や赤外線のような「光」、レントゲン撮影に用いられるエックス線などの「放射線」、電力設備等から発生する「電磁界」、テレビ・ラジオ・携帯電話に利用されている「電波」といったものの総称です(※3)。
電磁波と小児白血病の発症についての関連性が指摘されることもありますが、今のところ、電磁波が小児白血病の原因であるという明確な研究結果は出ていません(※4)。
また、総務省も、電波による体への影響は熱作用(体温の上昇)だけであり、それ以外の影響については根拠が示されていないと発表しています(※5)。
しかし、電磁波の影響がないからといって、赤ちゃんにスマホを触らせたり見せたりしてもいいというわけではありません。
前述の通り、1歳になるまではスマホ自体に触れさせないようにしましょう。スマホで画像や動画を見せるのは、2歳以降にして、しっかりと視聴時間を決めてくださいね。
スマホを上手に使って赤ちゃんとコミュニケーションを
赤ちゃんにスマホを触らせることや見せることには、賛否両論があります。しかし、公共の場で赤ちゃんがぐずったり大泣きしたりして、どうしようもないときにスマホが役立つのは事実です。
最近では、赤ちゃんの遊びやしつけにも役立つ無料アプリもどんどん増えていて、上手に使えば育児に役立つこともあります。
1歳を過ぎてスマホに触れさせるときは、現実での遊び経験を補うアイテムと位置づけて、1回に10分以内などと決めて適度に利用するようにしましょう。
スマホに子守りをさせるのではなく、スマホを使って親子で会話をするといったように、子供とのコミュニケーションも忘れないようにしてくださいね。