子供の中耳炎でお風呂はいつから入れる?熱が出たときは?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

風邪の症状が長引くと、子供は「中耳炎」を発症することがあります。子供が中耳炎になったとき、お風呂に入れていいのか迷う人が多いのではないでしょうか。そこで今回は、子供の中耳炎の原因と症状、いつからお風呂に入れるのか、治療法などについてご説明します。

子供は中耳炎になりやすいの?

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耳の奥には鼓膜があり、さらにその先には中耳と呼ばれる空間があります。この中耳部分に細菌やウイルスが侵入し、炎症を起こしたものが「中耳炎」です。

子供の場合、鼻と耳をつなぐ「耳管」が、大人に比べて太く短いので、鼻から入った細菌やウイルスが簡単に中耳まで侵入できます。また、子供は免疫力が低いため、風邪がこじれることが多く、中耳炎を発症しやすいのです。

5歳くらいまでの子供の約60〜70%は中耳炎にかかると言われています(※1)。特に3歳くらいまでの子供が中耳炎になることが多いので、風邪で鼻水や熱が出たときには注意が必要です。

子供が中耳炎になる原因と症状は?

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中耳炎にはいくつか種類がありますが、風邪や鼻炎によって起こる「急性中耳炎」と炎症が慢性化することによる「滲出性中耳炎」があります。原因と症状は次のとおりです(※2)。

急性中耳炎の原因

急性中耳炎は、風邪をこじらせてウイルスや細菌が鼻やのどから耳管を通り、中耳の中に侵入することによって起こります。

また、鼓膜に小さな穴が空いていると、お風呂や水泳のときに細菌が中耳に入りこみ、急性中耳炎を引き起こすこともあります。

急性中耳炎の症状

子供が急性中耳炎にかかると、風邪の症状に続いて、鼻水、喉の痛み、咳が出るようになり、やがて耳が詰まっている感じや痛みが現れます。乳幼児の場合、39℃以上の熱が出ることもあります。

子供が耳の奥が痛くて頻繁に耳を触ったり、首をしきりに振ったりする仕草が現れたり、耳だれが出たりする場合には、小児科あるいは耳鼻科にかかりましょう。

滲出性中耳炎の原因

急性中耳炎が十分に治りきらず、中耳粘膜から出る液が鼓膜の内側に溜まってしまうと、中耳がふさがり滲出性中耳炎が起こります。

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、急性中耳炎のあとに発症するケースもありますが、上咽頭がんの初期症状としても見られるので、慎重に検査と治療をする必要があります。

滲出性中耳炎の症状

滲出性中耳炎の主な症状は、難聴と耳の閉塞感です。急性中耳炎と違って耳の痛みや発熱といった症状がほとんどないため、赤ちゃんや子供の場合、発見が遅れることもあります。

子供がしきりに耳を触ったり、名前を呼んでもすぐに振り向かない、テレビに近づいて観る、などの様子が見られたら、耳鼻科を受診しましょう。

子供が中耳炎になったらお風呂はいつから入れるの?

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中耳炎にかかると「耳に水が入らない方がいいのではないか」と、子供をお風呂に入れるかどうか悩む人が多いと思います。

子供が中耳炎にかかっても、熱や耳の痛みが治っていれば、いつも通りお風呂に入って構いません。

耳の中にシャワーや浴槽のお湯が入っても炎症が悪化することはあまりありませんが、念のため適切な対応について医師に確認しておくと安心ですよ。

また、子供の中耳炎は、風邪や鼻炎をこじらせて起こることがほとんどなので、湯冷めしてぶり返さないよう、入浴後は布団に入ってゆっくり休ませてあげましょう。

子供が中耳炎で熱が出てもお風呂に入れるの?

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先述のように、子供が急性中耳炎にかかると高熱を出すことがあります。

お風呂に入ると、子供は体力を消耗します。そのため、子供に38度以上の熱がある場合は湯冷めをしたり、体調が悪くなる可能性があるので、お風呂に入るのは控えた方が良いでしょう。

熱が38度以下の場合はお風呂に入れても問題ありませんが、お湯の温度はぬるめにして、できるだけ短時間で済ませましょう。体調が心配な場合は、シャワーで汗を流すだけにしてあげてくださいね。

子供の中耳炎の治療法は?

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中耳炎の可能性がある場合、まず耳鼻咽喉科を受診しましょう。病院では、急性中耳炎と滲出性中耳炎、それぞれに合わせた治療が行われます(※2)。

急性中耳炎の治療法

急性中耳炎は3日程度で治っていきますが、鼓膜の炎症が強い場合やなかなか治らない場合は、抗菌薬が処方されます。また、耳だけでなく、鼻やのどの風邪の治療も同時に行います。

膿が耳にたまるほど多いときは、鼓膜を切開して膿を出すこともあります。「鼓膜に穴をあける」と聞くと不安になるかもしれませんが、鼓膜はすぐに再生するので心配はいりません。膿を出し切れば、痛みや熱が取れて楽になり、治りも早くなりますよ。

滲出性中耳炎の治療法

滲出性中耳炎の治療では、抗生物質や抗炎症薬を長期的に処方されます。なかなか治りにくいときは、鼻から耳に空気を送って耳管の通りを良くしたり、鼓膜切開で溜まっている液を出したりします。

症状がやわらいでくると完治前に通院をやめてしまう人もいますが、滲出性中耳炎は再発しやすいので、完治するまでは医師の指示に従い、必ず最後まで治療を続けましょう。

子供が中耳炎になったら、様子を見ながらお風呂に入れよう

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3歳くらいまでは、風邪をひくたびに中耳炎になる子もいます。

風邪を長引かせないこと、こまめに鼻水を吸い取ること、鼻水が出続けるときは早めに病院を受診することを心がけて、中耳炎を予防しましょう。

もし中耳炎になってしまったら完治するまできちんと治療をして無理をさせないことが大切です。風邪をぶり返すと中耳炎が悪化することもあるので、子供の体調を見ながらお風呂に入れてあげてくださいね。

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