乳児湿疹は母乳が原因?食事のせい?どんな食べ物がいいの?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギー科を担... 監修記事一覧へ

乳児湿疹は、育児の大きな悩みの一つですよね。なかなか乳児湿疹が治らず、どうしてあげたらいいか分からないと困っている人も多いかと思います。実は、赤ちゃんに飲ませている母乳が、乳児湿疹の原因になる可能性があると言われていることをご存じですか?赤ちゃんの体をしっかり洗って清潔に保ち、保湿を心がけても乳児湿疹が治らない場合には、母乳が原因かもしれません。今回は母乳と乳児湿疹の関係、母乳を改善するための食事などについてご紹介します。

乳児湿疹とは?

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乳児湿疹とは、新生児期から乳児期にかけて赤ちゃんの顔や体にできる湿疹の総称です。乳児湿疹が起きる原因はさまざまで、皮脂が過剰に分泌されて起こったり、肌が乾燥して起こったりします。

乳児湿疹は生後しばらくして現れ始め、1歳頃までをめどに、自然に治まっていく傾向にあります(※1)。ただし、乳児湿疹の症状がよくならず悪化していく場合は、アトピー性皮膚炎により湿疹が起きているかもしれません。

自己診断で乳児湿疹とアトピー性皮膚炎を見分けることは難しいので、湿疹がなかなか治らない場合は、再度医師に診てもらうようにしましょう。

乳児湿疹の原因が母乳の場合もある?

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乳児湿疹の原因に、母乳が挙げられることがあります。これは、母乳の成分がママの食べたものに影響され、それが原因で乳児湿疹が出る、という考えに基づいています。

しかし、母乳と乳児湿疹の関係についてはまだはっきりとはわかっていません。

母乳を与えているママが、食事で乳製品や卵などを過剰に食べてしまうと、母乳に多くのタンパク質が含まれるようになり、赤ちゃんがそれをうまく消化できずに乳児湿疹が出てしまうと考える人もいますが、医学的な根拠がないのが実情です。

そのため、赤ちゃんが乳児湿疹になるのを恐れて、食べるものに神経質になりすぎる必要はありません。ただし、赤ちゃんとママ自身の健康のために、できるだけ栄養バランスのとれた食事を心がけたいですね。

乳児湿疹と母乳が関係なくても食事には注意すべき?

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乳児湿疹を恐れて食事に神経質になりすぎることはありませんが、母乳がママの血液から作られている以上、栄養バランスのよい食事を摂った方が母乳にいい影響を与えると考えられます。そのため、赤ちゃんの健康を考えるなら、食生活を見直してみましょう。

まずは食事全体を、和食中心に変えてみてください。

魚や大豆製品、海藻類を多く使った野菜中心の和食は、洋食と比較して脂肪分が少なく、ママの健康にもいい影響を与え、結果として母乳を飲んでいる赤ちゃんの健康にもいい影響を与えることが期待できます。

赤ちゃんが乳児湿疹だからといって食べてはいけないわけではありませんが、洋食を食べる頻度はできるだけ抑えた方がいいかもしれません。洋食は、調理法などから、どうしても脂肪分の多い肉が中心となってしまいがちだからです。

また、ケーキやクッキーなどの洋菓子は脂肪分と糖分が多くなりがちなので、授乳期間は少し我慢して、摂取量を控えましょう。

乳児湿疹に効果があるかどうかは別として、基本的には、油や糖分を多く使うものは避け、味つけを薄くし、栄養価の高い食材や新鮮な食材を使うのが、ママと赤ちゃん双方にとって嬉しい食事ですよ。

ただし、母乳のことを気にしすぎるあまり、食事に神経質になりすぎてストレスになってしまうと、かえってママの健康に影響しかねません。ママの健康や赤ちゃんの肌の調子がよければ、イライラしてまで「絶対に食べない」と気負いすぎない方がいいですよ。量に気をつけながら摂りましょう。

ちなみに、甘いものがどうしても食べたいということであれば、洋菓子よりも和菓子を選びましょう。和菓子は洋菓子よりも脂肪分が少ないため、ママや赤ちゃんへの影響を抑えられると考えられます。

乳児湿疹への対処法は?母乳を飲ませてもいいの?

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もし乳児湿疹の原因が母乳だったとしても、母乳をあげるのを止める必要はありません。母乳は赤ちゃんの大切な栄養源です。母乳が乳児湿疹を起こしていると考えられる場合は、母乳をあげるのを止めるより、食事内容の見直しを検討すると良いですね。

基本的に、乳児湿疹は肌を清潔にしておくことで自然に治まっていきます。たとえば、お風呂のときは、弱酸性の石鹸を泡立てて、赤ちゃんの体を優しく洗ってあげてください。顔は、石鹼をつけた濡れたガーゼで丁寧に洗うといいですよ。

生後2~3ヶ月までは、赤ちゃんのホルモンバランスの変動で顔の皮脂はしっかり分泌されているので、乳児湿疹だからといって特に保湿の必要はないとされています。ただし、乾燥している場合や湿疹がある場合は、入浴後にローションやクリームを使ってもよいでしょう。

生後2~3ヶ月を過ぎて、乾燥によって乳児湿疹が起きている場合は、ベビー用ローションや保湿クリームを積極的に塗ってあげてください。加湿器などを使って、部屋の湿度を調節することも乳児湿疹対策として大事です。

乳児湿疹は一般的に1歳までに自然に治まっていきますが、上記のような対処をしているにも関わらず症状が全然よくならない場合や、症状が悪化していく場合は、アトピー性皮膚炎の可能性もあるため、一度皮膚科もしくは小児科を受診するようにしましょう。

乳児湿疹と母乳の関係を心配しすぎないで

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「乳児湿疹は母乳のせいで起きているかも」と思うと、落ち込んだ気持ちになりがちですが、乳児湿疹はそもそも多くの赤ちゃんに起きることであり、母乳が原因で発症するかどうかはよくわかっていません。

したがって、過度に神経質になることなく、母乳のことを気にしないようにしましょう。ただし、普段の食事内容が、母乳ひいては赤ちゃんの健康状態に影響を与えるということを意識することは大事です。脂肪分や糖分の多い食事は避けて、健康に気をつけたいところですね。

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