妊婦は生牡蠣に注意!妊娠中でもカキフライなら食中毒にならない?

監修専門家 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 監修記事一覧へ

牡蠣には、ビタミンやミネラル、タウリンといったたくさんの栄養素が含まれていて、妊娠中も食べたくなる食材ですよね。しかし、牡蠣は食中毒の原因にもなりやすいので、妊娠中は食べないほうがいいという話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。今回は、妊娠中は牡蠣を食べてもいいのか、なぜ生牡蠣は控えたほうがいいのか、牡蠣を食べるときの注意点をまとめました。

妊婦は牡蠣を食べてもいいの?

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結論からいうと、妊娠中に牡蠣を食べても問題はありません。ただし、火が通っていない生牡蠣は控えておきましょう。

なぜ妊娠中は生牡蠣を控えたほうがいいの?

牡蠣に代表される二枚貝は、食中毒を引き起こす「ノロウイルス」を高い濃度で蓄積している可能性があります(※1)。しっかりと加熱処理された牡蠣であれば、ノロウイルスは死滅していますが、生牡蠣を食べるとノロウイルスに感染するリスクが高まります。妊娠中は抵抗力が低下しているので、妊娠前に比べてノロウイルスに感染しやすい状態です。

インターネットには「妊婦がノロウイルスに感染した場合、胎児に直接的な悪影響を及ぼさない」という情報が溢れているものの、医学的な研究報告は見当たりません。ただ、厚生労働省や国立感染症研究所は胎児に影響が出る病気に注意喚起をしていますが、「妊婦はノロウイルスへの感染に注意」という発表をしていないことは事実です(※1)。

間接的な影響としては、食中毒による激しい下痢や嘔吐は子宮収縮を引き起こし、切迫流産や切迫早産を招くリスクが高まります。また、母体への影響として脱水症状もあげられます。

お腹の赤ちゃんのためにも、妊娠中に生牡蠣を食べるのは我慢しましょう。あさりやホタテ、シジミののうな二枚貝にもノロウイルスが高濃度で蓄積されている恐れがあります。貝全般は食中毒の危険性が高いので、妊娠中に食べるときは必ず加熱するようにしましょう。

妊娠中はカキフライのように加熱してれば大丈夫?焼き牡蠣は?

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妊娠中は牡蠣をはじめとした貝類を全く食べてはいけないのかというと、そんなことはありません。食中毒の危険を伴うノロウイルスは熱に弱く、85度以上の熱で1分以上加熱すればウイルス自体が不活性化します(※1)。

ただし、牡蠣の中心部までしっかりと加熱処理がされ、火が通っていることが前提です。少しでも火が通っていない部分があれば、ノロウイルスが残っている可能性があります。

牡蠣の中心部まで火を通すためには、カキフライにしたり、鍋の具として煮たりするのがおすすめです。バター焼きのように、焼いて調理する場合は、中まで火が通ったのかわかりにくいので、食べる前に一度切って中が半生になっていないかを確認するようにしましょう。

妊娠中に牡蠣を食べるとどんな効果がある?

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牡蠣は栄養が豊富なので、十分に加熱して食べれば、妊娠中の体に嬉しい効果がたくさんあります(※2)。

鉄分

牡蠣には、鉄分が豊富に含まれていて、100gあたりの含有量はうなぎの約2倍です。鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類がありますが、牡蠣には人間の体内に吸収されやすいヘム鉄が含まれています。妊娠中は貧血になりやすいので、鉄分を含んだ食材を摂取することが大切です。

カルシウム

「海のミルク」といわれる牡蠣は、カルシウムを多く含んでいます。妊娠中は、お腹の中の赤ちゃんの骨や歯を形成するためカルシウム不足になりやすいので注意が必要です。

亜鉛

牡蠣100gあたりには13.2mgの亜鉛が含まれていて、うなぎ100gあたりの亜鉛含有量の約7倍です。亜鉛には、免疫力を高める効果があります。妊娠中は免疫力が下がるので、風邪予防にも亜鉛は効果的です(※3)。

ほかにも、ビタミン類や葉酸といった栄養素が含まれています。

妊婦が牡蠣を食べるときの注意点は?

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妊娠中に牡蠣を食べるときは以下の注意点に気をつけましょう。

十分に加熱する

前述のように、妊娠中に牡蠣を食べるときは、しっかりと中まで火を通した状態で食べるようにしましょう。生のままで食べることは避けるようにしてください。

信頼できる店で買う

牡蠣はノロウイルス以外にも「貝毒」と呼ばれる天然の毒を保有していることがあります。貝毒は、加熱処理しても無毒化されないため、しっかりと火を通していても食中毒を発症します。

貝毒を避ける方法は、スーパーや魚屋に出回っている市販の牡蠣を購入することです。スーパーで売られている貝類は、行政機関によって貝毒の検査がされていて、基準値を上回る貝毒が発見された場合は市場に出回ることはありません。

食べ過ぎない

いくら十分に加熱処理をしたからといって、牡蠣の食べ過ぎには注意しましょう。ひとつの食材ばかりを食べていると特定の栄養素の過剰摂取となり、体に悪い影響を与えることもあるので、食べ過ぎには注意しましょう。

妊娠中に牡蠣を食べるときはしっかり加熱しよう

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妊娠中に牡蠣を食べるときは、よく加熱して食べ過ぎに気をつけましょう。牡蠣には、栄養素が豊富に含まれているので、適切な食べ方をすれば、妊婦さんに嬉しい健康効果がありますよ。

妊娠前に牡蠣を食べてあたったことがある、牡蠣の味がどうしても好きではないという妊婦さんは、無理に食べる必要はありません。牡蠣ではなく、ほかの食材で栄養を補うようにしましょう。

妊娠中は、様々な食材をバランスよく食べることが大切です。加熱した牡蠣をはじめ、旬の野菜や果物をたくさん食べて、健康的なマタニティライフを送れるといいですね。

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