「生理前になるといつもニキビができる…」と困っている女性は多いのではないでしょうか。ニキビができると、それだけで憂鬱な気分になってしまいますよね。そこで今回は、生理前にニキビができる原因と対策、予防法についてご説明します。
ニキビはどうしてできるの?
ニキビができるのは、皮脂が過剰に分泌されることで毛穴の先が詰まり、毛穴の中に皮脂が溜まることがそもそもの原因です。
この皮脂が溜まった毛穴の中で、どんな毛穴にも常在している「アクネ菌」という菌が増殖して炎症を引き起こすと、ニキビができてしまうのです(※1)。
生理前にニキビができやすい原因は?
生理前になると、「プロゲステロン」という女性ホルモンの分泌量が増えます。
プロゲステロンには、妊娠・出産に向けた体を作る作用があるのですが、同時に、皮脂の分泌量を増やす作用もあります。そのため、皮脂が増えることでニキビができやすくなります。
また近年の研究により、プロゲステロンには、ニキビの原因菌であるアクネ菌から肌を守る「抗菌ペプチド」の量を減らす作用があることが明らかになりました。その結果アクネ菌が増殖して、ニキビができやすくなっているのです(※2)。
つまり、生理前はプロゲステロンの影響で、ニキビができやすい環境が作り出されていると言えるでしょう。
生理前のニキビ対策はどうしたらいいの?
生理前にニキビができやすいのは、ある程度仕方のないこと。でも、ニキビは1つできるだけでもストレスになりますよね。生理前のニキビを予防するために、以下のことを心がけてみましょう。
生活習慣を整える
不規則な生活でホルモンバランスが乱れてしまうと、プロゲステロンが過剰に分泌され、ニキビができやすくなる可能性があります。生理前は、睡眠時間をしっかり確保して、できるだけ規則正しい生活を心がけてくださいね。
ストレスを減らす
ストレスが溜まると、ホルモンバランスが乱れてニキビができやすくなると考えられています。ストレスを完全になくすことは難しいですが、ストレッチをしたりゆっくりお風呂に入ったりして、心も体もリラックスできる時間を作ってみましょう。
バランスの取れた食事をとる
チョコやピーナッツなどを食べるとニキビができやすい、と聞いたことがある人もいるかもしれませんが、今のところ食べ物とニキビとの関係は明らかになっていません(※1)。
ですが、甘いものを食べすぎて栄養バランスが悪くなるとニキビもできやすくなるので、栄養バランスの取れた食事を心がけてくださいね。
洗顔方法に気をつける
1日に2回、洗顔料で顔を洗いましょう。化粧をした場合は、クレンジングで化粧をしっかり落とすことが大切です。
しかし、汚れを落とそうとゴシゴシ洗いすぎないように注意してください。ニキビを押したり潰したりしてしまうことで、かえって炎症が悪化してしまうこともあるので、優しく洗ってくださいね。
抗菌ペプチドを増やす
先述のように、抗菌ペプチドにはアクネ菌から肌を守る作用があります。近年の研究で、この抗菌ペプチドを増やす成分として「紫根」という生薬に含まれる「シニコン」という成分が有効だということが明らかになりました(※2)。
紫根エキスを配合した化粧水や美容液を試してみるというのも一つの方法ですよ。
生理前のニキビに薬は効くの?漢方は?
どんなに対策をしていても、生理前にニキビができてしまうことはあります。そんなときは、薬でニキビを治療するという方法もあります。
市販のニキビ薬は治療薬ではないので、ニキビがひどい場合は病院で薬をもらうことをおすすめします。
ニキビは皮膚の病気ですから、まずは皮膚科へ相談しに行ってみましょう。皮膚科では飲み薬と塗り薬が処方されることが多いようです。
また、生理前のニキビはホルモンバランスの乱れが原因の可能性もあるので、生理前だけいつもニキビができるという人は、婦人科を受診してみても良いでしょう。
他にも、漢方薬による治療という方法があります。漢方薬の場合は、ニキビを直接治すというよりも、「ニキビを予防するために体質を改善する」という考え方で服用します。
そのため、ニキビができる場所や体質によって、効果が期待できる漢方薬は変わってきます。漢方薬は市販のものもありますが、まずは医師や薬剤師に相談してみましょう。
生理前のニキビは規則正しい生活で予防!
生理前にニキビができやすくなるのは自然なことです。でも、ニキビがたくさんできるとどうしても気分が沈んでしまいますよね。できるだけニキビができないように、今回ご紹介した対策を試してみてくださいね。
また、ニキビがあると気になると思いますが、ニキビをいじったり潰したりすると悪化してしまうので、触らないようにしましょう。どうしても気になる場合は、皮膚科や婦人科で医師に相談してくださいね。