生理前は、頭痛や腹痛、イライラなど、心や体の不快症状に悩まされますよね。なかでも特に「むくみ」が気になる、という女性は多いのではないでしょうか?そこで今回は、生理前のむくみの原因や、顔・手足に出たときの解消法などをご説明します。
生理前のむくみは顔や足に出る?
むくみは、正式には「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれ、血液中の水分が外へと染み出し、皮膚の下にある皮下組織に溜まった状態をいいます。水分が溜まった細胞は水風船のようにパンパンに膨れ、体の表面にむくみとなって現れるのです。
特に顔や足がむくみやすいという人が多いですが、それは水分が下のほうに溜まりやすいという性質の影響です。
たとえば、仕事で1日中座りっぱなし・立ちっぱなしの人は足がむくみやすく、夜寝るときにうつ伏せになる人は、朝起きたときに顔がむくみやすくなります。
生理前のむくみの原因は?
生理前のむくみには、排卵後から生理前にかけて分泌量が増える「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という女性ホルモンが関係しています。
プロゲステロンは、女性の体を妊娠・出産に向けて変化させる作用があり、その一環で、体内にたくさんの栄養や水分を溜め込もうとします。
溜め込もうとする働きで、体の新陳代謝も悪くなるため、水分や老廃物の排出機能が低下し、本来は体外に排出されるはずの水分が体内に留まって、むくみが現れやすくなるのです。
ちなみに、水分が溜まると必然的にその分の重さが増えるので、生理前はむくみによって体重が増加するという人もいます。
生理前のむくみの解消法や対策は?
生理前のむくみは、生理が終わってホルモンバランスが元に戻れば自然に解消されるものなので、あまり神経質になる必要はありません。そうはいっても、手足や顔がパンパンにむくんだり体重が増えたりするのは、困りますよね。
生理前のむくみがひどくならないように、下記のよう対策を行うのがおすすめです。
食事改善
体に溜まっている水分をしっかり排出してあげることが、むくみの解消につながります。体内の水分量は食事の影響を受けやすいので、以下のポイントに注意して食事を改善することで、むくみを抑えましょう。
● 塩分を控える
塩分をたくさん摂取すると、体内の塩分濃度を下げるために、体は水分を溜め込もうとします。生理前は、塩分を控え目にしましょう。
● アルコールを控える
アルコールも塩分同様に、摂取しすぎると体内のアルコール濃度を下げる必要があるため、体は水分を溜め込もうとします。
生理前は過度な飲酒を控えたほうがいいでしょう。
● カリウムを摂取する
カリウムは、むくみに効果的な栄養素です(※1)。利尿作用があり、体内の余分な水分を排出しやすくしてくれます。
カリウムは、アボカドやバナナといった果物、里芋などのいも類、刻み昆布や岩のりなどの海藻類、大豆製品に豊富に含まれているので、積極的に食事に取り入れてみてください(※1)。
● 適度に水分を摂る
体に水分が溜まらないように、「水分を摂取しない方がいいのかも」と思う人もいるかもしれませんが、それは間違いです。水分補給が少ないと、体は脱水症状にならないように、さらに体内に水分を溜め込もうとしてしまいます。
むくみが気になるときも、いつも通り適度に水分補給をしてくださいね。
血行改善
皮下組織に溜まっている水分は、血行を改善することで排出が促されます。生理前は、血行を改善するような習慣を意識してみましょう。
● 温める
体を温めると、血行が良くなります。むくんだ部分を動かしたり、お風呂に入ったりと、体を温める生活を送りましょう。適度な運動を行い、体を内側から温めるのもおすすめです。
● マッサージやストレッチをする
毎日入浴後に軽くストレッチやマッサージをして、血行を促してあげるのもいいですね。
マッサージを行うときは、好きな香りのアロマオイルなどを使用すると、リラックス効果も期待できますよ。
● 着圧ソックスを着用する
日中は着圧ソックスなどを着用して血行を促すのもいいですね。ただし、締め付けがきつすぎると逆効果になることもあるので、ほどよい着圧具合を意識しましょう。
生理前のむくみがひどいときは病院へ
生理前のむくみは女性の生理的な現象ですが、きちんと対策すればある程度抑えることができます。
ただし、食事改善や血行改善でもむくみがひかず、生理が始まってもひどいむくみが続くようなら、一度婦人科を受診しましょう。肝臓や腎臓など、臓器の病気が原因でむくみが現れているかもしれません。
病気がなかったにしても、病院で相談すれば、症状にあわせた治療が行えます。利尿薬や血行改善作用のある漢方薬などを処方してもらえることもありますよ。
生理前のむくみ対策は生活改善が基本ですが、気になる症状があれば病院を受診してくださいね。