生理前になると、イライラしたり頭痛があったりと不快症状に悩まされる女性が多くいます。食欲が旺盛になる人や、無性に甘いものを食べたくなる人も多く、ダイエットもなかなかうまくいきません。痩せないとますますイライラが募ってしまい、悪循環ですよね。そこで今回は、生理前にダイエットをしても痩せない理由や、太らないためのコツをご説明します。
生理前にダイエットしても痩せない理由は?
生理周期は「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つの女性ホルモンが正しく分泌されることで作られています(※1)。
排卵前から排卵日にかけてはエストロゲンの分泌量が増え、排卵後から生理前にかけては、プロゲステロンの分泌量が増えます。
これらのホルモンの作用によって、生理前には下記の現象が起こり、痩せにくくなると考えられています。
体が栄養を蓄えようとする
生理前に分泌されるプロゲステロンには、受精卵が着床しやすいように子宮内の環境を整える働きがあります(※1)。妊娠に向けて体の準備が進むことで栄養をたくさん取り込もうとするため、食欲が増したり、細胞内に水分や塩分を蓄えたり、脂肪の代謝が遅れたりします。
体が様々なものを蓄えようとするので、むくみや便秘も現れやすくなります。
甘いものを欲するようになる
プロゲステロンは、体内の血糖値を下げる「インスリン」の効果を弱める作用があるため、生理前は血糖値が安定しにくくなります(※2)。そうなると体は、血糖値を維持しようとし、甘いものを欲します。
普段はダイエットのために甘いものを控えているという人でも、生理前になるとどうしても甘いものが食べたくなってしまうことがあります。
ダイエットしても痩せにくいのは生理前だけ?
前述の通り、生理前に痩せにくいのは仕方がないことです。ホルモンバランスの変化で、精神的にもイライラしたり落ち込んだりしやすい時期なので、生理前はいったんダイエットのことは忘れてリラックスして過ごすことをおすすめします。
ダイエットをしている人は、生理前とは反対に、痩せやすくなる生理後の時期を活かしましょう。
生理が終わると、エストロゲンがたくさん分泌されるようになります(※1)。エストロゲンの分泌量が多い時期は脂肪が燃焼しやすいので、ダイエットに励むチャンスです。
ただし、生理前に痩せないからといって、生理後に無理なダイエットをするのは禁物です。過度なダイエットによってホルモンバランスが崩れると生理周期が乱れ、健康にもよくありません。
適度な運動、高タンパク・低カロリーな食事など、無理のない範囲で行ってくださいね。
痩せにくい生理前に心がけたいことは?
生理前は痩せにくいので、ダイエット以外の方法で太らないための生活を心がけましょう。
食欲と上手く付き合う
生理前は食欲が変化する時期です。太るからといって我慢しすぎるのも、逆に食欲に任せて食べすぎるのもよくありません。適度に空腹を満たしながら、食欲と上手に付き合うことが大切です。
食材では、玄米やサツマイモ、カボチャといった、腹持ちがよく栄養価が高いものがおすすめです。食物繊維も多く含まれるので、便秘解消にも役立ちます。食欲を満たすために、よく噛んで、できるだけゆっくり食事をするようにするのもポイントです。
甘いものが食べたいときは、チョコレートなどのお菓子ではなく、ドライフルーツやナッツなどで代用してみましょう。
むくみを解消する
前述の通り、生理前にプロゲステロンの分泌量が増えると、むくみやすくなります。むくみがひどいときは、スイカやバナナ、キウイといったカリウムが多い果物を食べると、余計な水分が排出されやすくなりますよ。
また、湯船に使ってむくみがひどい部分をマッサージしたり、適度な運動をしたりするのも効果的です。
足がむくんでだるいときは、寝るときに足の下にクッションなどを敷き、足の位置を少し高くするのもおすすめです。
体の冷えを解消する
人間は、体温が1℃上昇するごとに基礎代謝量が13%増えます(※3)。反対に、体が冷えて体温が下がると、基礎代謝量が減り、痩せにくくなります。
生理前は体が水分を溜め込もうとするため、冷えやすくなる人もいます。体の冷えや血流の悪化を解消するために、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動を行いましょう。
入浴時は、シャワーだけで済まさずに湯船に浸かると、体が温まります。このとき、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるようにすると、さらに効果的ですよ。
生理前にダイエットしても痩せにくいのは女性の生理現象
生理前に痩せにくいのは、女性の体の構造上、仕方のないことです。しかしそうはいっても、自分の見た目に変化がないのは悲しいもの。生理前はホルモンバランスの影響で、精神面にも影響がでるため、痩せにくいことを余計につらく感じてしまうこともあるかもしれません。
そんなときは、「今はそういう時期だから」と割り切ることが大切です。生理前に痩せにくいのは、きちんと女性ホルモンが分泌されている健康的な体の証拠でもあります。
先に紹介した対策を生活に取り入れながら、生理前の体とうまく付き合っていけるといいですね。