授乳の時間は、赤ちゃんにとって最高に幸せな時間です。でも「うちの赤ちゃんは授乳中、そんなに幸せそうじゃない…」と感じているママもいるようです。そこで今回は、授乳中の赤ちゃんの気になる行動、「寝る」「うなる」「嫌がる」ときの原因や対策についてご紹介します。
授乳中に赤ちゃんが寝るのはおかしいの?原因は?
授乳中に赤ちゃんが寝てしまう、というお悩みは実はよくあることです。母乳を吸うことは、赤ちゃんにとって体力がいることなので、飲み疲れてそのまま眠ってしまうことも珍しくありません。
特に生後0~1ヶ月の赤ちゃんは胃が小さいので、一度にたくさんの母乳・ミルクを飲むことができません。また、口の中に入ってきたものを強く吸う「吸啜反射」から、飲んでいないのになかなか乳首を離さないこともあります。
仕方がないことだとはわかっていても、十分に授乳できなければ赤ちゃんの成長を妨げる原因にもなりますし、ママのおっぱいが張ってしまって乳腺炎になる危険性もあります。
授乳中に赤ちゃんが寝るときの対策
赤ちゃんの体重増加に異常がなく、ママのおっぱいの詰まりにも問題がなさそうであれば、授乳中に寝てしまうことをあまり気にする必要はありません。また、頻回授乳中で、前回から1~2時間しか経っていなければ、無理に起こさずそのまま寝かせてあげてください。ただし、お腹に空気がたまってパンパンになっているようであれば、ゲップさせてあげましょう。
なかなか体重が増えない場合や前回の授乳から2~3時間経っているときは、足の裏をツンツン刺激する、おむつを替えるなどして起こして飲ませてあげます。
赤ちゃんの体重は順調に増えていても、ママのおっぱいが張ってしまっているときは、搾乳をして乳腺炎を予防しましょう。
授乳中に赤ちゃんがうなる、嫌がる原因は?
授乳中に赤ちゃんがうなる場合や突然飲むのを嫌がるようになった場合は、いくつかの原因が考えられます。
母乳が出ない
吸っても吸っても満足いく母乳が出てこないときは、「お腹が空いているのに、こんなにがんばっているのに、全然満腹にならない!」と訴えていることもあります。
母乳の質が変わった
ママが高脂質・高カロリーな食べ物をたくさん食べたり、疲労がたまっていたりすると、母乳の味や性質が変わり、赤ちゃんがうまく吸えなくなってしまいます。
飲むのが苦しい
生後3~4ヶ月未満の赤ちゃんは満腹中枢が未熟なので、知らず知らずのうちに飲みすぎて苦しくなってしまうことも。また、空気をたくさん飲み込んで苦しくなることも少なくありません。
便秘
しばらくうんちが出ていない場合は、便秘の可能性があります。便秘でお腹が張ってしまって、十分に空腹にならないことも考えられます。
歯がかゆい
歯が生え始める頃であれば、口の中がムズムズして気持ち悪いのかもしれません。生後5ヶ月以降であれば、歯が生え始めてもおかしくないので、一度口の中を見てみましょう。
離乳食の影響
離乳食初期に入った頃の赤ちゃんの場合、果汁・離乳食の味に慣れてしまうと、母乳を以前ほど飲まなくなっていきます。また、母乳を飲まなくても、果汁・離乳食だけで満腹になってしうこともあります。
授乳中に赤ちゃんがうなる、嫌がるときの対策
赤ちゃんが授乳中にうなる、嫌がるときは、まず上記の原因を突き止めてそれに合わせた対策をしていきましょう。原因がわからない場合は、ここでご紹介する対策法を順に試してみてくださいね。
母乳の質と量を改善する
母乳が十分に出なかったり、赤ちゃんにとって母乳が美味しくないものとなっているのであれば、サラサラで美味しい母乳をたっぷり作る努力をしましょう。
まずは食生活の改善です。和食中心のヘルシーな食事にし、高脂質や甘いものなどはできるだけ控えるようにしてください。適度な水分補給も忘れないようにしましょう。血行をよくするために、運動をしたり、しっかり睡眠や休息をとることも大事ですよ。
また、乳腺が詰まって母乳がうまく出ない場合は、母乳外来に行くか乳房マッサージ、搾乳でケアをしましょう。
ゲップさせる
もしお腹がパンパンになっているようだったら、いったん授乳をストップしてゲップさせてあげましょう。
便秘を解消する
随分うんちが出ていないな、というときはお腹のマッサージをしたり、綿棒浣腸をして便秘解消をしてあげましょう。それでも出ない場合は、小児科で診てもらうことをおすすめします。
歯固めを与える
歯茎がむずむずしている様子だったり、歯が頭をのぞかせていたら歯固めを与えてあげましょう。歯固めを噛むことで痒さを軽減できるうえ、口周りを鍛え、噛むことの練習にもなりますよ。
離乳食の進め方を考える
離乳食を始めたばかりのころは、離乳食だけではまだ栄養が足りません。離乳食は順を追って、焦りすぎず、赤ちゃんの様子を見ながら進めましょう。果汁や離乳食の与えすぎには気をつけて、母乳の味を嫌いにならないように離乳食を極力薄味にすることも大切です。
混合育児の場合は、乳頭混乱を起している可能性も
母乳と粉ミルクの混合育児をしている場合は、乳頭混乱を起こしているかもしれません。
乳首から飲む仕組みと哺乳瓶から飲む仕組みは異なります。あまり力を使わずに飲める哺乳瓶に慣れると、乳首から飲むコツがわからなくなってしまうことがあります。母乳とミルクを飲ませる順番や哺乳瓶の乳首を工夫して、少しずつ母乳に慣れさせてあげましょう。最近は、乳頭混乱を起こしにくい設計の哺乳瓶用乳首も入手することができますよ。
授乳中の赤ちゃんが、寝る・うなる・嫌がるときはじっくり様子を見ましょう
赤ちゃんが授乳中に寝たり、うなったり、嫌がったりするのには、ご紹介したようにいろいろな原因があります。もしおっぱいや赤ちゃんにこれといった異常がなく、うなっていても苦しそうな様子がない場合には、単なるおしゃべりの練習や運動の一種のこともあるので、気にしすぎないようにしましょう。
授乳中に限ったことではありませんが、いつでも赤ちゃんの不調をすぐにキャッチできるように、普段からよく赤ちゃんの様子を見てあげていてくださいね。