授乳中にダイエットをしてもいい?始めていい時期や方法、母乳への影響は?

監修専門家 看護師・助産師 岡 美雪
岡 美雪 看護師・助産師を免許を取得後、未熟児病棟、脳神経外科病棟、産科病棟で医療業務に従事。その後、医療現場での経験を活かして、青年海外協力隊の看護職としてアフリカに2年間駐在し、現地の医療技術向上に貢献。日... 監修記事一覧へ

出産後、体重がなかなか戻らず「ダイエットしたい」と思う人もいるかもしれません。その一方で、授乳中にダイエットをしても大丈夫なのか疑問に感じることも。

そこで今回は、授乳中にダイエットをしてもいいのか、始めてもいい時期や気をつけたいこと、母乳への影響について説明します。

授乳中にのダイエットをしてもいいの?

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授乳中にダイエットをしても問題はありません。ただし、少なくとも産後1ヶ月間はダイエットは行わないようにしてください。

出産直後は体が疲弊しきっているため、まずは体の回復が最優先です。産後1ヶ月間は体重のことは気にせず、赤ちゃんのお世話やママ自身のケア、身のまわりのことだけを行いましょう。

産後1ヶ月健診でダイエットをしても問題ないか医師に確認し、許可が出れば少しずつ始めてみてもいいですね。

授乳中にダイエットするときに気をつけたいことは?

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産後1ヶ月を過ぎて授乳中にダイエットをしたい場合は、以下の2点に気をつけましょう。

極端な食事制限をしない

カロリーや食事の量・回数を極端に減らすのは避けてください。

必要なエネルギー量や栄養が不足すると、疲れやすくなったり免疫力が落ちたりするリスクが高まります。その結果、授乳をはじめ、赤ちゃんのお世話をする体力や気力まで奪われてしまうこともあります。

体に負担をかけない

産後1ヶ月を過ぎたからといって、体はまだ完全には回復していません。また、赤ちゃんのお世話で疲労が溜まってくる時期でもあります。激しい運動など、体に過度な負担がかかることはやめましょう。

授乳中に体重を見直す方法は?

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授乳中に体重を見直したい場合は、以下のような方法を取り入れてみましょう。

バランスのとれた食事

授乳中はカロリーを多く消費するので、非授乳時よりも1日あたり350kcal多く摂ることが推奨されています(※1)。体を回復させるために、鉄分、タンパク質、ビタミン類といった栄養素も、通常時より多く摂れるといいですね。

野菜や低脂肪のタンパク質を多く取り入れるなど工夫しながら、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。

間食をとりたい場合は、小さめのおにぎりや焼き芋など腹持ちが良いものがおすすめですよ。

適度な運動

ストレッチ、体操、ウォーキング、ヨガ、骨盤矯正、近所を散歩するなど、軽い運動を継続するといいでしょう。産後1ヶ月健診の際に、どんな運動なら問題ないか聞いておくと安心です。

運動中に少しでも疲れや体の異変を感じたら、すぐに休むようにしてくださいね。

授乳中のダイエットは母乳に影響するの?

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ダイエットのために「野菜を中心に食べる」「脂質や糖質が多いものを控える」などすると、「母乳の量や質に影響するのでは?」と考えることもあるかもしれませんが、基本的には影響はないとされています。

食事と母乳の量・質の関係性については十分な調査報告がされていないのが現状です(※2)。また、乳腺炎の原因や予防の観点からも、UNICEF/WHOは「授乳中の女性は特別なものを食べたり、特定の食事を避けたりする必要はない」としています(※3)。

ただし母乳に影響がないからといって、ダイエット中に偏った食事をするのは体に良いことではありません。ママの健康のためにも、バランスのとれた食事を意識しましょう。

授乳中のダイエットは無理せずコツコツと

妊娠中に変化した体重や体形を元に戻すには、一般的に産後6ヶ月間が効果的だといわれています。ただし個人差があり、基本的なエネルギー消費量や年齢など、さまざまな要因が影響します。

授乳中にダイエットをしているのに思うように体重が減らなくても心配はいりません。くれぐれも無理なダイエットはせず、栄養バランスのよい食事や軽い運動などを意識しながら健康的な生活を送っていけるといいですね。

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