結膜炎で保育園を出席停止に?登園は何日後?幼稚園は?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

結膜炎は目が充血したり、かゆみなどが出たりする病気です。原因によって感染性のものやアレルギー性のものなどいくつも種類がありますが、感染性の結膜炎の中には保育園で集団発生しやすいものもあるため、小さな子供を持つママやパパは注意が必要です。そこで今回は、子供が結膜炎にかかったら保育園を出席停止になるのか、登園はいつからできるのかなどについてご説明します。

結膜炎とはどんな病気?

子供 充血 結膜炎

結膜とは、まぶたの裏側と眼球をつないでいる薄い膜のことです。外界と直に接しているためウイルスや細菌、アレルギー物質などの異物と接触しやすく、こうした異物や傷などによって起きる炎症を総称して結膜炎と呼びます。

結膜炎は原因によって数種類に分類されますが、いずれも主な症状は白目やまぶたの裏の充血です。また、かゆみや異物感、腫れ、リンパの腫れや発熱を伴うこともあります(※1)。

結膜炎は保育園や幼稚園を出席停止になるの?

保育園

結膜炎の中でも、以下で紹介する3つは発症すると保育園や幼稚園を出席停止になります。

咽頭結膜熱(プール熱)

アデノウイルスの感染が原因で発症します。結膜炎の症状に加えて、急に38〜40度の高熱が出て、のどが赤く腫れて痛むのが特徴です(※1)。

学校保健安全法施行規則第18条において第二種の感染症に定められているため、発症した場合は保育園や幼稚園を出席停止となります(※2)。

流行性角結膜炎

アデノウイルスが目に感染してかかる結膜炎で、別名「はやり目」とも呼ばれます。サラサラした目やにや目の充血、涙目、まぶたの腫れ、耳前方のリンパ節の腫れや痛みなどが症状です(※1)。保育園や幼稚園で集団発生することがあります(※2)。

学校保健安全法施行規則第18条において第三種の感染症に定められているため、発症した場合は保育園や幼稚園を出席停止となります(※2)。

急性出血性結膜炎

エンテロウイルスやコクサッキーウイルスが目に感染してかかる結膜炎で、別名「アポロ病」とも呼ばれます。症状は流行性角結膜炎と同じですが、白目の部分が出血して赤くなるのが特徴です。また、発症して間もないころに角膜に痛みを感じることもあります(※1)。

流行性角結膜炎と同じく、学校保健安全法施行規則第18条において第三種の感染症に定められているため、発症した場合は保育園や幼稚園を出席停止となります(※2)。

結膜炎だと保育園への登園は何日後?

女の子 登園 投稿 後ろ姿

子供が結膜炎で保育園を出席停止となってしまったら、いつから登園してよいのかわからなくて不安になってしまいますよね。そこで、各結膜炎にかかったときの登園の基準を説明します(※2)。

咽頭結膜熱

咽頭結膜熱で出席停止になった場合、発熱やのどの発赤、目の充血といった主症状が消えて2日間を経過したら登園できます。

流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎

流行性角結膜炎と急性出血性結膜炎は出席停止の期間が決められておらず、医師に感染の恐れがないと認めてもらえれば登園できます。目安としては、発症からおよそ1週間程度と考えておくとよいでしょう。

ただしウイルスは1ヶ月ほど排出され続けるため、登園できるようになってからも周囲へうつさないように、子供にはなるべく手洗いをさせたほうがよいでしょう。

結膜炎が保育園や幼稚園で流行しやすいのはなぜ?

原因 なぜ ? クエスチョン why

保育園や幼稚園で結膜炎が流行しやすいのは、次のような保育園・幼稚園や乳幼児ならではの特徴に原因があります(※2)。

● 食事や集団での遊びなど、接触の機会が多いため
● 赤ちゃんは床を這ったり、手に触れるものを何でも舐めるため
● 正しいマスクの装着や手洗いなど、基本的な衛生対策がまだ十分にできない子供が多いため
● 子供は免疫が弱く、体の機能も未熟なため
● 子供は手で顔や口など、体のいろいろなところをよく触るため

結膜炎で保育園を休まないようにするには?

女の子 手洗い 石鹸

結膜炎を防ぐワクチンはありません。そのため、結膜炎で保育園を休まないようにするには、なるべく原因となるウイルスに感染しないようにすることが重要です。

咽頭結膜熱や流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎は接触感染によってうつるのが一般的ですが、だからといって体の表面にウイルスが付着しただけでは発症しません。その多くは、ウイルスが付着した手で目に触れることで発症します。

そのため、結膜炎の予防で最も大事なのは手洗いです。石鹸を使ってしっかり手洗いすることが、結膜炎予防の基本だとされています。

なお、石鹸は保管時に不衛生になりやすい固形のものよりも、1回ずつ使用できる液体石鹸のほうが望ましいとされています。また、手を拭くときのタオルは家族で共用しないようにしましょう(※2)。

結膜炎は保育園を出席停止になることも

結膜炎には様々な種類があり、中には保育園で流行しやすく、発症したら出席停止になるものもあるため注意が必要です。

結膜炎の多くは接触感染によって人から人へとうつるため、日ごろから手洗いなどの予防をすることが重要です。子供が帰宅したら必ず手を洗うように教えたり、タオルを家族で共有しないようにするなどして、なるべく感染しないように心がけたいですね。

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