子供の目から大量に目やにが出ていたり、白目が充血していたりすると、心配になりますよね。何かの病気の症状なのか、病院に行くべきなのか、自己判断がなかなか難しいのではないでしょうか。今回は、子供の目やにと充血の原因や病院に行くかの目安、対処法などをご紹介します。
子供の目やに・充血とは、どんな状態のこと?
目やには、目から出る分泌物に涙やホコリが混ざって固まったものです。代謝活動として自然にできる目やにと、目の炎症反応としてできる目やにがあります。
一方、目の充血とは、血管の血液量が増えることで血管が拡大し、白目の部分が赤く見える状態を指します。目を酷使したり、ウイルス感染など外部から何らかの刺激を受けたりしたときに起こりやすくなります。
子供が目やにを出して充血する原因とは?
子供は代謝が活発なので、もともと目やにが出やすいものです。また、大人と同じように、疲労で充血を起こすこともあります。
しかし、「いつもと様子が違う」「症状が長引いている」という場合には、病気を疑った方がいいかもしれません。目やにや充血が症状として現れる病気には、主に以下のようなものがあります。
風邪
風邪による鼻水が、目頭から鼻の奥へと涙を流す通り道(鼻涙管)に停滞し、目やにとなって現れます。
流行性角結膜炎(はやり目)
結膜炎のなかでも感染力が強いアデノウイルス(流行性角結膜炎)にかかると、目やにや涙が出たり、充血したりします。目やにが涙が出すぎて、目を開けにくくなることもあります。
治りかけの頃には、角膜に小さな濁りが見られることも。その濁りが瞳にかかると、一時的に視力が低下する場合もあります(※1)。
プール熱
プール熱は、6月頃から少しずつ流行し始め、7~8月に流行のピークを迎える感染症です(※2)。
プール熱にかかると、目やにや充血の他に、高熱が3~4日以上続く、喉が腫れて痛みが出るといった症状が現れます。
麻疹(はしか)
麻疹とは、麻疹ウイルスが原因で発症する感染症です。高熱や鼻水、咳、目の充血、目やになどの症状が3日程度現れた後に、頬の内側にコプリック斑という灰白色のブツブツが出てきます。そして、2回目の発熱とともに、発疹が出現することが特徴です。
アレルギー反応
花粉やハウスダストなどに触れて、アレルギー反応として目が充血したり、目やにが出たりすることがあります。この他にも、くしゃみや鼻水、湿疹、咳などの症状が出ることも。
ものもらい
ものもらいは、まぶたにある汗腺や皮脂腺が化膿して炎症を起こす病気です。ものもらいには、脂肪が詰まってできる「霰粒腫」と雑菌が感染して起きる「麦粒腫」があります。
霰粒腫は、まぶたに腫れやボコボコした白いしこりができ、軽い痛みやかゆみを感じます。麦粒腫の場合は、まぶたの一部が赤く腫れ、まばたきをするだけで痛みを感じることがあります。
鼻涙管閉塞
鼻涙管閉塞とは、何らかの理由で鼻涙管が塞がっている状態です。鼻涙管が詰まると、涙や目やにが溜まりやすくなります。
結膜炎が原因で、鼻涙管閉塞が起こることもあります。生まれつき鼻涙管に形成異常があって起こる先天性鼻涙管閉塞は、新生児の1~2%に見られます。
逆さまつげ
通常は外を向かって生えているまつ毛が、内を向いて眼球に触れてしまうことで、目やにや充血が起こります。症状によっては治療が必要ですが、多くは成長とともに脂肪が減り、2歳頃までには自然に治っていきます(※3)。
子供が目やにを出して充血していたら、病院に行くべき?
病院に行くかどうかは、目やにの状態を見て判断してください。以下のような目やにが見られたら、感染症やアレルギー反応を起こしている可能性があるので、眼科のクリニックを受診しましょう(※2)。
・膿状の黄緑色をした目やに:細菌による感染症の可能性あり
・粘り気のある白い目やに:ウイルスによる感染症の可能性あり
・涙のようにサラサラした目やに:アレルギー反応の可能性あり
目やにに異常が見られなくても、発熱や鼻水などの他の症状が出ている場合、小児科を受診してくだださい。
子供が目やにを出して充血したときの治療法は?
視診や検査によって、目やにや充血を起こしている原因を突き止めたうえで、その原因に合った治療を行います。たとえば、細菌によって引き起こされる結膜炎には抗菌薬が含まれた目薬、アレルギー反応として起こる充血には抗アレルギー成分が入った目薬を使います。
病院で目薬を処方してもらったら、きちんと指示通りに点眼するようにしましょう。
子供が目やにを出して充血したときのケア方法は?
目やにがたくさん出ているときは、お湯で湿らせた滅菌コットンやガーゼなどで、目頭から目尻に向かって優しく拭き取ります。目頭のところに目やにが溜まっているときは、目頭にコットンやガーゼを押しつけるようにして、ぬぐいとってあげてください。
子供が目をかゆがっている場合、冷たく絞ったタオルなどを当てて冷やしてあげると、かゆみを軽減させることができます。子供が目をかいて炎症が広がらないように、子供の爪は短く切っておきましょう。
また、子供の感染症のお世話をした後は、石けんでよく手を洗い、タオルの共用は避けてください。
子供に目やにや充血が起きたら、様子をしっかりチェック
子供は代謝活動が活発なので、もともと目やにが出やすいもの。また、目の刺激に反応して無意識にかいてしまい、目が充血するのもよくあることです。
目やにや充血が起きたら、まずはどのような状態なのかをしっかりチェックしてください。症状がひどい場合や他の症状も出ている場合は、病院を受診して適切な治療を受けさせましょう。