臨月に頭痛が起きる原因は?どう対処したらいいの?

記事監修 助産師 佐藤 裕子
佐藤 裕子 日本赤十字社助産師学校卒業後、大学病院総合周産期母子医療センターにて9年勤務。現在は神奈川県横浜市の助産院マタニティハウスSATOにて勤務しております。妊娠から出産、産後までトータルサポートのできる助... 続きを読む

臨月になると、頭痛に悩まされる妊婦さんが多くいます。「この頭痛の原因は?」と気になってしまう方もいるでしょう。また、薬がなかなか飲めない臨月は、頭痛にどう対処したらいいのか悩むことも。今回は、臨月に起こる頭痛の原因と対処法についてご紹介します。

臨月に頭痛が起きやすい原因は?

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臨月は子宮内で胎児が下りてくるなど、出産に備えて体も変化しています。同時に、様々なマイナートラブルが引き起こされる時期で、頭痛もそのうちのひとつです。

臨月の頭痛を引き起こす主な原因を5つご紹介します。

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群は、妊娠20週~分娩後12週の間に高血圧になり、尿蛋白や血管障害などを発症させる疾患です。妊娠高血圧症候群になると、頭痛のほかに、むくみ、めまい、倦怠感に悩まされることもあります。

妊娠高血圧症候群は、胎児だけでなく母体にも影響が出る恐れがあるので、疑わしい症状が出ていたら、すぐに病院を受診しましょう。

鉄分不足

臨月になると、妊婦さんの体は出産に向けてラストスパートをかけるようになり、血液を通じてできるだけ酸素や栄養を赤ちゃんに送ろうとします。赤ちゃんはそれらを受け取ることで成長し、出産の準備をしています。

加えて、出産時の出血に備えて、妊婦さんの体内の血液量が増加します。その結果、血液が薄まって鉄分不足となる「鉄欠乏性貧血」が引き起こされ、程度によって頭痛や動悸、息切れ、疲れやすいといった症状が現れます。

女性ホルモンの増加

妊娠中は女性ホルモンである「プロゲステロン」や「エストロゲン」の分泌量が増加します。この女性ホルモンの増加が、血管の収縮に作用する「セロトニン」の分泌量にも関係し、脳の血管の収縮によって頭痛を引き起こすことがあります(※1)。

これは月経時の頭痛と同じ仕組みで、妊娠中にも起こると考えられています。

女性ホルモンと頭痛の関係について、多くは明らかになっていませんが、正しい投薬で頭痛を抑えることができるので、病院に相談するようにしましょう。

睡眠不足

睡眠不足が続くと、頭痛の症状を併発することがあります。

出産が近づくと、大きくなった赤ちゃんが下に降りてきて膀胱を圧迫し、頻尿の症状が現れることがあります。特に夜間の頻尿によって、睡眠不足に悩まされる妊婦さんもいます。

また、お腹が大きくなって圧迫感を感じることからも、寝付きが悪くなり、睡眠不足になる人もいます。

出産に向けての不安

頭痛のなかでも発生原因として大きいのは、精神的な要因です。妊婦さんに限らず、頭痛患者の約60%がストレスを感じていることがわかっています(※2)。

臨月に入ると、分娩に対する不安や緊張が高まることでストレスを感じ、頭痛の症状が見られるようになります。

臨月の頭痛におすすめの対処法

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妊娠後期になると、お腹の赤ちゃんへの影響を配慮して、薬の服用はできるだけ避けた方がいいとされています。臨月の頭痛には、以下のような生活習慣で改善を目指しましょう。

塩分を摂りすぎないようにする

塩分を摂りすぎてしまうと、妊娠高血圧症候群になるリスクが上がってしまいます。サラダにかけるドレッシングの量を減らしたり、味噌汁を作る際に減塩味噌を使ったりと、さまざまな工夫で塩分摂取量を減らしてみましょう。

味が濃い食べ物が好きな妊婦さんは、産後の楽しみとして妊娠中は控え、適度な塩分摂取を心がけてみてください。

鉄分を意識的に補給する

体の血液量が増える妊娠後期から臨月にかけては、鉄分が不足しがちです。それによって貧血症状が悪化すると、頭痛を感じることもあります。鉄分を意識的に補給することが、頭痛を避ける1つの方法になりますよ。

鉄分を豊富に含んでいる食べ物としては、カツオ、イワシ、ほうれん草、卵、レバーなどが挙げられます。これらを上手く食事に取り入れていきましょう。

適度に睡眠をとる

睡眠不足に陥ってしまうと、自律神経が乱れ、頭痛が起きやすくなります。また、寝すぎてしまっても、脳内でさまざまな問題が起こり、頭痛が引き起こされます。

起床後の体の状態を見て、自分に合った適度な睡眠時間を見つけましょう。そして、その時間分の睡眠を毎日しっかりとることが頭痛予防につながります。

また、睡眠の質を上げるために、寝る1時間前からブルーライトを発する電子機器を見ないようにすることも重要ですよ。

ストレスをためない

臨月になると体が重くて動きたくなくなる人もいるかもしれませんが、散歩や趣味の時間をとって、できるだけリフレッシュしたいですね。

出産や育児への不安でストレスがたまってしまうときは、分娩を行う病院や助産院に相談し、少しでも不安要素を取り除きましょう。

臨月の偏頭痛には、どう対処したらいい?

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頭の片側だけが痛かったり、ズキズキと脈を打ったような痛みを感じたりしたときは、偏頭痛に悩まされている可能性があります。そのような場合は、以下の対処法がおすすめです。

脳の血管の広がりを軽減させる

偏頭痛を和らげるためには、広がっている脳の血管に対処する必要があります。まずは、光や音などの外的刺激を避けましょう。そして、暗い部屋でできるだけ安静にするように心がけましょう。

また、痛む部分に冷たいタオルを当てたり、カフェインを摂取したりすることも、脳の血管の広がりを抑え、偏頭痛を落ち着かせる効果があります。

ビタミンB2とマグネシウムを積極的に摂取する

ビタミンB2とマグネシウムは、偏頭痛を予防する効果があり、頭痛に悩まされやすい臨月に積極的に摂取したい栄養素です。

ビタミンB2はレバー、焼きのり、大豆製品、牛乳、卵など、マグネシウムは焼きのり、わかめ、大豆製品、アーモンド、ごまなどに豊富に含まれています。

臨月の頭痛がひどいときはすぐに病院へ

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上で紹介した対処が効かないときや、日常生活に支障をきたすほど頭痛がひどいときは、すぐに病院を受診しましょう。臨月の体の変化ではなく、妊娠高血圧症候群などの問題が原因で頭痛が起こっている可能性があります。

頭痛薬のなかには、胎児に悪影響を与える恐れがあるものもあります。自己判断での服用は避け、医師から妊婦に安全な頭痛薬を処方してもらうようにしましょう。また、頭痛の原因が貧血だと診断された場合は、鉄剤やサプリメントが必要になることもあります。

臨月の頭痛には、早めの対処を

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普段何気なく対処する頭痛でも、あと少しで分娩を控えた臨月に起こると、ついつい心配になってしまいますよね。しかし、原因をしっかり把握し、きちんと対処すれば、症状を軽減させるだけでなく、不安も解消させることができます。

心配するあまりストレスを感じてしまうと、お腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼしかねません。頭痛の原因が分からないときや、生活習慣の改善による対処を行っても頭痛がひかないときは、医師に相談しましょう。早め早めの対処が、ストレスの少ない快適なマタニティライフをもたらしてくれますよ。

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