百日咳はその名の通り、咳が長く続く病気です。代表的な症状に、連続して起こる発作のような激しい咳があります。むせるような咳に苦しめられている子どもを見ていると、ママ・パパもいたたまれない気持ちになりますよね。
そこで今回は、百日咳の治療法や、感染した場合の薬の使い方、また、百日咳が治るまでの治療期間などについてご紹介します。
百日咳とは?

百日咳とは、百日咳菌によって起こります。感染すると鼻水などの風邪のような症状から始まり、しだいに激しい咳が連続で出るようになります。
非常に強い感染力を持ち、咳やくしゃみによって菌が拡散されて感染が広がります。
子どもが百日咳にかかった場合に死亡する確率は0.2%、月齢6ヶ月以下の赤ちゃんがかかった場合に死亡する確率は0.6%、子どもが百日咳により肺炎になる確率は約5%、月齢6ヶ月以内の赤ちゃんが肺炎になる確率は約12%とされています(※1)。
このように百日咳は危険性が高い病気ですが、生後2ヶ月から接種できるワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオの四種混合)で、感染するリスクを80~85%ほど減らすことができます(※1)。忘れずに接種するようにしましょう。
百日咳は、7~10日ほどの潜伏期間を経て発症し、その症状の変化から、カタル期、痙咳期、回復期という3つの期間に分けられています(※2)。
カタル期(約2週間)
● 鼻水など風邪のような症状が出る
● 次第に咳がひどくなっていく
痙咳期(約2〜3週間)
● 短い咳が連続して起き、呼吸困難となる(顔を赤くする)
● 咳のあとに息を吸うと「ヒュー」という笛のような音がでる
● 発熱はあっても微熱程度
回復期(約2〜3週間)
● たまに咳き込むが、咳き込みの回数は減ってくる
● 2〜3ヶ月で完全に回復する
百日咳の治療方法は?薬が使われるの?

百日咳に感染して治療を行わないと、咳が始まってから3週間ほどの間、咳などから菌が排出され続けます(※2)。
その期間は感染源になってしまうため、原因となる百日咳菌の働きを抑える抗菌薬が1〜2週間程度使われます。
また、咳止めや、痰を切れやすくする薬、気管を広げる薬など、症状を軽減する薬も処方されることがあります。
百日咳の治療後、保育園はいつから行ける?

百日咳は、学校保健法で第2種の感染症に定められており、「咳がなくなるまで、もしくは抗菌薬を服用し始めてから5日間」は保育園や学校に出席してはいけないと決められています(※3)。
ただし、基準は保育園や学校によって異なることがあるため、子どもが通う園や学校に確認してみてくださいね。
百日咳の治療は早めに始めよう
大人の場合、百日咳を発症した当初は風邪のような症状が出ることから、「風邪が長引いているんだな」と思って、ついつい病院に行くのが遅くなってしまいがちです。
百日咳はママ・パパから子どもに感染する例も多いので、子どもだけでなく、ママ・パパも咳の症状が見られたらなるべく早く病院を受診しましょう。
飛沫感染の予防として、手洗い、うがい、マスクの着用なども効果があるので、自分がうつされないように、そして周囲の人にうつさないように、普段から家族みんなで心がけてみてくださいね。