百日咳の治療法は?薬は使えるの?保育園はいつから行ける?

監修医師 小児科 武井 智昭
武井 智昭 日本小児科学会専門医。2002年、慶応義塾大学医学部卒。神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県大和市の高座渋谷つばさクリニックに院長として勤務。内科・小児科・アレルギ... 監修記事一覧へ

百日咳はその名の通り、咳が長く続く病気です。代表的な症状に、連続して起こる発作のような激しい咳があります。むせるような咳に苦しめられている子どもを見ていると、ママ・パパもいたたまれない気持ちになりますよね。

そこで今回は、百日咳の治療法や、感染した場合の薬の使い方、また、百日咳が治るまでの治療期間などについてご紹介します。

百日咳とは?

咳 子供 風邪

百日咳とは、百日咳菌によって起こります。感染すると鼻水などの風邪のような症状から始まり、しだいに激しい咳が連続で出るようになります。

非常に強い感染力を持ち、咳やくしゃみによって菌が拡散されて感染が広がります。

子どもが百日咳にかかった場合に死亡する確率は0.2%、月齢6ヶ月以下の赤ちゃんがかかった場合に死亡する確率は0.6%、子どもが百日咳により肺炎になる確率は約5%、月齢6ヶ月以内の赤ちゃんが肺炎になる確率は約12%とされています(※1)。

このように百日咳は危険性が高い病気ですが、生後2ヶ月から接種できるワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオの四種混合)で、感染するリスクを80~85%ほど減らすことができます(※1)。忘れずに接種するようにしましょう。

百日咳は、7~10日ほどの潜伏期間を経て発症し、その症状の変化から、カタル期、痙咳期、回復期という3つの期間に分けられています(※2)。

カタル期(約2週間)

● 鼻水など風邪のような症状が出る
● 次第に咳がひどくなっていく

痙咳期(約2〜3週間)

● 短い咳が連続して起き、呼吸困難となる(顔を赤くする)
● 咳のあとに息を吸うと「ヒュー」という笛のような音がでる
● 発熱はあっても微熱程度

回復期(約2〜3週間)

● たまに咳き込むが、咳き込みの回数は減ってくる
● 2〜3ヶ月で完全に回復する

百日咳の治療方法は?薬が使われるの?

抗生物質 抗生剤 治療 薬

百日咳に感染して治療を行わないと、咳が始まってから3週間ほどの間、咳などから菌が排出され続けます(※2)。

その期間は感染源になってしまうため、原因となる百日咳菌の働きを抑える抗菌薬が1〜2週間程度使われます。

また、咳止めや、痰を切れやすくする薬、気管を広げる薬など、症状を軽減する薬も処方されることがあります。

百日咳の治療後、保育園はいつから行ける?

保育園 友達 遊び

百日咳は、学校保健法で第2種の感染症に定められており、「咳がなくなるまで、もしくは抗菌薬を服用し始めてから5日間」は保育園や学校に出席してはいけないと決められています(※3)。

ただし、基準は保育園や学校によって異なることがあるため、子どもが通う園や学校に確認してみてくださいね。

百日咳の治療は早めに始めよう

大人の場合、百日咳を発症した当初は風邪のような症状が出ることから、「風邪が長引いているんだな」と思って、ついつい病院に行くのが遅くなってしまいがちです。

百日咳はママ・パパから子どもに感染する例も多いので、子どもだけでなく、ママ・パパも咳の症状が見られたらなるべく早く病院を受診しましょう。

飛沫感染の予防として、手洗い、うがい、マスクの着用なども効果があるので、自分がうつされないように、そして周囲の人にうつさないように、普段から家族みんなで心がけてみてくださいね。

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