妊娠中の姿勢が悪いと便秘になる?体操・ストレッチで改善できるの?

監修専門家 柔道整復師 鉾崎 聖宗
鉾崎 聖宗 神奈川県を中心に1日100名を超える整骨院で修業を重ね、現在25万症例以上を施術。 トップアスリートやモデル、芸能関係者から個人依頼を受ける一方、2006年に神奈川県厚木市に開業。全身の骨格矯正に強み... 監修記事一覧へ

妊娠中におけるトラブルのなかで、多くの人が悩まされるのが「便秘」。その原因は様々ですが、見落とされがちな原因に「普段の姿勢」があります。妊娠中期になると徐々にお腹が大きくなって、姿勢が悪くなりがちで、それが便秘を引き起こしている可能性があります。今回は妊娠中の姿勢と便秘の関係、体操やストレッチなどで姿勢を正して便秘を解消する方法もご説明します。

妊娠中は便秘になりやすい?

トイレ マーク 男女

妊娠して初めて便秘になる人は多く、これは妊娠による体内の変化が関係しています。

妊婦さんが便秘になる原因は主に2つで、ひとつがホルモンバランスの変化、もうひとつが子宮の拡大です。妊娠すると分泌量が増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンは、消化器官の機能を低下させる作用があり、腸の動きが弱まって便秘気味になります。加えて、子宮が大きくなると周辺の胃や腸が圧迫されて働きが鈍くなります。

そのほか、妊娠・出産への不安がストレスとなって腸の動きを鈍くさせたり、食事の変化で水分や食物繊維が不足したりと、様々な原因がからみあって妊娠中は便秘になりやすくなります。

妊娠中に姿勢が悪いと便秘になる?

関係 ノート

前述のように、妊娠中の便秘には様々な原因がからみ合っていますが、意外と忘れがちなのが姿勢です。

お腹が大きくなって重心が前に偏ると、妊婦さんは背中を反らしてお腹を突き出す姿勢になります。実は、この姿勢は腰と背中に負担をかけるだけではなく、骨盤を歪ませます。骨盤の歪みは内臓の位置もずらすので、消化器官の働きが悪くなる原因になります。

骨盤の歪みは産後の便秘にも影響してくるので、妊娠中から骨盤が歪まない姿勢を心がけましょう。

妊娠中の姿勢を正して便秘を防ぐ!

姿勢 ヨガ

妊娠中の正しい姿勢を知りたければ、壁に背中をつけるように立ってみてください。このとき、「壁に後頭部と背中をピッタリとくっつけて立ち、両肩とお尻(臀部)も壁との間に隙間ができないようにする」と正しい姿勢になります。

壁に背中をつけるのがむずかしいときは、まず畳やカーペットの上で膝立ちになってみましょう。膝立ちの状態は背中のラインがきれいになるので、その状態で壁に背中をつけると、力も抜けて正しい姿勢をとりやすくなります。

定期的に壁を背にして正しい姿勢の感触をつかみ、そのままの姿勢をキープして体を動かしてみてください。正しい姿勢を維持するための筋肉も発達して骨盤の位置も安定し、消化器官の機能も改善します。姿勢を保つのが難しときは「トコちゃんベルト」のような骨盤ベルトを使うのもおすすめです。姿勢を改善すれば徐々にお通じがよくなるかもしれませんね。

妊娠中の姿勢や動作に気をつけて便秘を防ぐ

妊婦 座る

正しい姿勢を保つには、日常生活の動作にも気をつけましょう。できるだけ体に負担をかけない姿勢を意識すれば骨盤の歪みを防いで、便秘の予防にもなります。

立つ

妊婦 立ち姿勢 eversense

台所や職場で立ち仕事をするときは、正しい姿勢を意識しながら、両足をやや大きめに開いて片方の足は一歩踏み出しましょう。体が安定して、正しい姿勢を保ちやすくなります。定期的に前後の足を入れ替えると骨盤のバランスがとれますよ。

中腰の姿勢は負担が大きいので、できるかぎり椅子に座って作業しましょう。料理をしたり掃除機をかけたりと家事をするときは中腰になりがちですが、できるだけ背骨をまっすぐ伸ばした状態で動くように心がけてください。

座る

妊婦 座り姿勢 eversense

椅子に座るときは深く腰かけて、背もたれに体をあずけるように背骨を伸ばします。座る椅子は柔らかすぎるとお腹が圧迫されるので、できるだけ座面の固いものを選びましょう。

座面の前側が下がるように傾斜がついた椅子は、腹部が圧迫されにくいのでおすすめです。お腹がそれほど大きくないと、座るときの癖で足を組みたくなるかもしれませんが、足を組むとより骨盤が歪みやすくなり、腹部も圧迫してしまうので、控えましょう。

椅子ではなく床に直接座るときは、正座かあぐらが楽です。横座りやおしりをペタンと床につける座り方も、背骨や骨盤を歪める原因になるので注意が必要です。

階段の上り下り・持つ・寝る

シムス シムス位 eversense

立ったり座ったり以外の日常的な動作にも気をつけましょう。階段を上り下りするときは手すりにつかまって前かがみにならないように。片方の足に重心を乗せてから、ゆっくりともう片方の足を動かすのが基本です。

重い物を持ち上げるときは、一度しゃがんで片膝をつき、身体に引き寄せるようにして持ち上げます。

寝るときも仰向けやうつ伏せなどお腹に負担がかかる寝方に注意してください。基本的には横向きが楽で、「シムス体位」がおすすめです。お腹が圧迫されないように抱き枕やクッションを使って楽な姿勢を探しましょう。

体操やストレッチで妊娠中の便秘を解消!

妊婦 ヨガ 体操

正しい姿勢を心がけながら、適度な運動をするのは便秘解消になります。正しい姿勢を保つための筋肉が鍛えられ、さらに消化器官も刺激されてお通じがよくなる効果が期待できます。骨盤の位置を整えるには激しい運動は必要ないので、以下のような手軽な体操やストレッチから始めてみてください。

ねじりのポーズ

ヨガ ねじり eversense

1. 床にあぐらをかいて座り、背筋を伸ばす
2. 目線はまっすぐ前を見て、腹式呼吸で息を吸う
3. 息を吐きながら腰をひねり、両手を前と後ろに回す(腰や背中は丸めないように背筋が伸びていることを意識する)
4. 体を下に戻したら、反対側へ同じようにひねる

腰回し

ヨガ 腰回し eversense

1. 脚を肩幅に開いたまま立ち、まっすぐ前を見る
2. 両手を腰に当て、腰を時計回りに2〜3回大きく回す
3. 一周したら逆周りに2〜3回大きく回す

背中伸ばし

ヨガ 四つん這い eversense

1. 四つん這いになる
2. 顔を下に向け、腹式呼吸で息を吸いながら背中を上に持ち上げて丸める
3. 下に向けていた顔を正面に向けながら、息を吐くのにあわせて背中を下ろす
4. 胸を突き出すように上体を反らす
5. 1~4を5回繰り返す

軽い運動とはいっても、体調には気を配ってください。お腹が張っているときや腰に痛みがあるときには無理をしないことです。

妊娠中は正しい姿勢と運動で便秘を改善

妊婦 リラックス

妊娠中から正しい姿勢を保ち、骨盤の位置を正すことは産後ダイエットを効率よく進める手助けにもなります。姿勢を良くすることで健康的になるだけでなく、立ち姿も綺麗になって振る舞いが美しく見えますよ。

妊娠中は体が思うように動かない時期ではありますが、できる範囲で正しい姿勢を心がけましょう。正しい姿勢に不安があるときは、マタニティ整体を受けてみるのもいいですよ。姿勢を整えてもらえて、正しい姿勢とその保ち方も教えてもらえます。

ただし、現状ではマタニティ整体を行う施設は少ないので、必ず電話で事前に妊娠していることを伝え、確認するようにしましょう。

妊娠中も正しい姿勢を身につけて、体質改善に努めてくださいね。

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