卵巣出血とは?原因や症状、治療法は?妊娠への影響は?

女性が突然、激しい下腹部痛を感じたら、卵巣出血などのトラブルが起きている可能性があります。妊娠に大きな関わりを持つ卵巣からの出血と聞くと、これからの妊娠や出産にどんな影響があるのか心配になりますよね。そこで今回は、卵巣出血の原因や症状、治療法をご紹介します。

卵巣出血とは?

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卵巣出血とは、子宮にある卵巣から排卵時の傷などが原因で出血してしまうことを指します。月経があるうちは誰にでも起こる可能性があり、12歳〜52歳まで報告例がある症状です。

出血量が少なければ自然に出血は止まり、腹部に溜まった血も体に吸収されたり、月経とともに外に流れ出たりすることで治ることが多いようです。しかし、重症化すると出血によるショック症状が見られることもあるため、急激な下腹部痛を感じたときには、できるだけ早く産婦人科を受診するようにしましょう。

卵巣出血の原因は?

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卵巣出血の原因は外因性・内因性・突発性の3つに分けられます(※1)。

外因性

外因性卵巣出血では、採卵や卵巣手術の際に傷がついてしまった、子宮内膜症や悪性腫瘍などが卵巣に影響して出血につながった、などの原因が挙げられます。

内因性

内因性卵巣出血では、全身の血液凝固に関する異常や、抗凝固剤を服用していることなどが原因になります。

突発性

突発性卵巣出血では、排卵時に傷ついた卵巣からの出血(卵胞出血)か、または、排卵時の出血による血液が黄体内に溜まって血腫になる出血性黄体嚢胞からの出血が原因となります。

卵巣出血の特徴は?

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卵巣出血の特徴としては、左右の卵巣のうち右側で発生しやすいといわれています。これは、左側の卵巣周辺には「S状結腸」という臓器があり、卵巣への衝撃を吸収するクッション代わりになって血管の破裂を防ぐとされています。ほかにも、卵巣出血の特徴として、次のようなときに発症しやすいようです。

排卵後に卵巣出血

卵巣出血は排卵後から生理前の時期に発症することが多くなります。排卵時に出血することや、その出血が溜まって血腫になった出血性黄体嚢胞が卵巣外に出て出血を引き起こします。

子宮外妊娠による卵巣出血

受精卵は通常は子宮内に着床するのですが、稀に卵管や卵巣に着床してしまうこともあります。卵管に着床すると受精卵が育つごとに卵管を押し広げ、最終的には破裂して出血を起こすことも。卵巣でも出血を起こす可能性があります。

性交後に卵巣出血

外因性や突発性卵巣出血のように、卵巣の傷が出血に関係しているときには、性行為によって傷が広がり、下腹部に大量の出血を起こしてしまうこともあります。そのため、下腹部痛を訴えて診察を受けるときには、直近の性交の有無を確認されることがあります。

卵巣出血の症状は?

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卵巣出血の症状は、主には急激な下腹部痛になります。ほかに、嘔吐や下痢などの症状、体に必要な血液が流れてしまうため、貧血や低血圧を感じることもあります。

出血量が多いと、内臓機能を維持するために必要な血液量が不足し、酸素供給が滞ることで出血性のショック症状が見られることも。命に関わる症状に発展することもあるため、急な下腹部痛は自分だけでなんとかしようとせず、病院を受診することをおすすめします。

卵巣出血の治療法は?

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卵巣出血の治療法は、痛みや出血量にもよりますが、基本的には入院等をして、安静に過ごします。また、卵巣出血が頻繁に起こるときは、原因の一つである排卵をコントロールするため、ピルなどのホルモン剤を使用することもあります。

逆に出血量が多いときは、緊急手術が必要になることがあります。開腹したり、内視鏡手術などによって出血を止め、必要に応じて輸血や増血剤が投与されます。

卵巣出血は妊娠や出産に影響ある?

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卵巣は卵子をつくる臓器なので、卵巣出血と聞くと今後の妊娠や出産が不安になるかもしれません。

ですが、卵巣出血では排卵機能自体には問題がないことも多く、排卵機能が正常であれば、卵巣出血が見られても妊娠や出産は可能です。出血量が多く手術が必要なときでも、正しい処置によって多くの女性が妊娠・出産をしています。

個人差があるものなので、診察時に医師に確認しておくと安心ですね。

卵巣出血の予防法はあるの?

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排卵に伴って起こる卵巣出血を予防するには、ピルを服用して排卵を止め、卵巣を休ませるという方法があります。ただし、これは妊娠を希望しているときは利用できない方法です。

排卵後の性交を控えることで予防することもできますが、性交がなくても卵巣出血は起きる可能性があるので、必ず予防できるわけではありません。

早期発見、早期治療が大切なので、急な下腹部痛や、生理とは異なる出血が見られたときには、産婦人科で調べてもらうようにしましょう。

卵巣の異変に気づくには定期的な検査が大切

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卵巣は腹部の奥にあるため、病気になっても自覚症状が現れにくく「沈黙の臓器」とも呼ばれています。片方の卵巣に腫瘍などのトラブルがあっても、もう片方が正常であれば生理もきますし、妊娠もできるため、気づきにくいのです。

卵巣出血も、体が吸収しきれないほどの出血が起きて、激しい腹痛を感じてから異変に気づくので、定期的に検査することが大切です。

卵巣出血があれば早めの診察を

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急な下腹部痛や生理のタイミングではないのに出血が見られたときなど、放置していると危険な症状を引き起こすこともあるので、早めに産婦人科を受診するようにしましょう。

普段はあまり意識しない卵巣ですが、「妊娠・出産のはじまりはすべてここにある」といっても過言ではありません。ぜひ自分の体を大切にする意味でも、異変を感じたら検査してもらってくださいね。

※1参考文献: 日本産科婦人科学会「産婦人科診療ガイドライン p.89」

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