妊娠中に自転車に乗る際の注意点は?そもそも乗らないほうがいい?

監修医師 産婦人科医 藤東 淳也
藤東 淳也 日本産科婦人科学会専門医、婦人科腫瘍専門医、細胞診専門医、がん治療認定医、日本がん治療認定医機構暫定教育医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医で、現在は藤東クリニック院長... 監修記事一覧へ

妊娠すると体を動かすことになにかと気をつかうものですが、自転車はどうなのでしょうか。妊娠前は、買い物や上の子の送迎で毎日自転車を使っていたという人も多いですよね。

今回は、妊娠中の自転車について、乗ってもいいのか、妊婦が乗るリスク、乗るときの注意点などをご紹介します。

妊婦は自転車に乗ってもいいの?

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妊娠中の自転車について、乗ってはいけないという決まりはありませんが、基本的には控えた方が安心です。

ただ、やむを得ない事情で、妊娠中もどうしても乗らなければならないこともあるかもしれません。

そういった場合は、リスクや注意点をしっかり理解し、安全に十分に気をつけたうえで乗るようにしましょう。

妊娠中に自転車に乗るリスクって?

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妊娠中に自転車に乗る一番のリスクは、転倒や事故によってお腹をぶつけてしまうことです。他にも、妊娠に伴う体の変化によって起りやすくなるリスクもあります。

以下に妊娠時期別に起こりやすいリスクをまとめたので参考にしてくださいね。

妊娠初期に自転車に乗るリスク

妊娠すると血液量が増えて、赤ちゃんの成長のために鉄分が使われるため、貧血が起こりやすくなります(※1)。特に妊娠初期は、つわりや体調不良で思うように食べられず、鉄などの栄養が不足して貧血になることも。

自転車で走行中に、めまいやふらつきといった貧血の症状が出ると、転倒する恐れがあるため非常に危険です。

また、つわりで吐き気や胃もたれといった症状があるときに自転車に乗ると、注意力が散漫になったり反射神経が鈍くなったりして、転倒や事故につながりやすくなります。

妊娠中期に自転車に乗るリスク

個人差はありますが、妊娠初期に比べて体調が落ち着く時期です。しかし、お腹が大きくなってくるため、自転車走行中の振動が子宮を刺激したり、ペダルを踏むときに腹圧がかかったりして、お腹が張りやすくなることがあります。

妊娠後期に自転車に乗るリスク

ますますお腹が大きくなるので、自転車に乗ったときにバランスがとりにくくなり、転倒や事故につながる危険性が高まります。また、大きくなったお腹をかばいながら運転することで、腰痛の原因となる可能性もあります。

妊婦が自転車に乗るときの注意点は?

前述のリスクを理解したうえで妊娠中に自転車に乗る場合は、以下のことに注意してくださいね。

スピードを出しすぎない

スピードを出しすぎると、いざというときにすぐに止まれず、転倒や事故につながる危険性が高くなります。ゆっくりと走ることを意識しましょう。

電動アシスト自転車は軽い力で走ることができますが、スピードが出しすぎないように気をつけましょう。

体に負担のかからない乗り方をする

走行中の振動やペダルをこぐときの腹圧などを軽減するために、段差や坂道では自転車から降りて押す、長い時間続けて乗らない、といったことを意識しましょう。

また、妊娠中の体に負担がかからないように、暑い日や風の強い日に乗るのは避けてください。

安全な道を選ぶ

事故や転倒のリスクを少しでも減らして安全に走れるように、自転車専用レーンがある道や交通量が少ない道を選びましょう。

凸凹した道や段差が多い道は避けて、安全な道を選ぶようにしてくださいね

サドルやハンドルの高さを調整する

お腹が大きくなるにつれてバランスがとりにくくなるため、妊娠前と同じ感覚で乗ると転倒の危険性が高くなります。

サドルを低くしてブレーキをかけたときに両足が地面にしっかりつくようにする、ハンドルを高くして背筋を伸ばした乗車姿勢をとれるようにする、など安全に乗るための工夫をしましょう。

妊娠中の自転車には細心の注意を!

妊娠中に自転車に乗ることについては、一概に「だめ」「OK」とはいえません。しかし、もし何かがあったときに「あのとき、自転車に乗らなければ…」と後悔しないようにしたいですよね。

今回ご紹介したリスクをよく理解したうえで、妊娠中に自転車に乗る場合は、最大限の注意を払って無理のないように安全運転を心がけてください。

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